第55話 前世の縁、今世の邂逅
「こちらの部屋です」
メイドさんは一緒に来てくれないらしい。
ひとりは寂しいんだけど……。
王様を待たせつづけるわけにはいかないので、覚悟を決めよう。
すーはー。すーはー。よしっ!
僕の覚悟を見て取って、メイドさんがノック。
「レイ様をお連れしました」
そう中へ声をかけて扉を開けてくれた。
こういう対応、全然慣れない。
ペコペコと、メイドさんに頭を下げつつ入室する。
「失礼しま~す」
恐る恐る前に進む。
王様の私室……としては狭い気もするし、談話室みたいな感じなのかな?
王城なのだから当たり前なんだろうけど、この部屋も豪奢だ。
ただ、明かりは少し落とし気味かな?
気になるほどではないけど、少し暗めになってる気がする。
視線を人影に移す。
王様と芽結が並んで座っている。
「よく来てくれた。まずは座ってくれ」
王様に言われ、彼らの向かいの椅子の横まで移動。
まずは王様に一礼。
そのまま芽結にも一礼。
芽結は僕にウィンクで返事をした。
相変わらずへたっぴなウィンクでかわいい。
「失礼いたします」
そして座る。
片膝ついたりしなかったけど大丈夫だよね?
かなり丁寧にやってるし。
「ここでは他の者の目はない。そう畏まらずともよいぞ」
そうは言われても、その言葉をどこまで鵜呑みにしていいかわからないじゃない。
芽結に目で訴えかけてみる。
「父上。父上の立場でそれを言っても、平民の彼には本気にしてよいかどうかわかりませんよ」
あの芽結が『父上』!?
すごい立場になっちゃったんだなぁ。
「本当によいのだがなぁ。まぁ、好きにするがよかろ」
なんか、今まで見てきた王様より、ちょっとだけ軽い?
正直、助かる。
「謁見の間で見せた姿と違うでしょ?」
芽結の言葉に僕はコクコク。
「ずっとあんな演技続けてなどいられぬわ」
王様はそう言って呵々大笑した。
でも、「いられんわ」ではなく、「いられぬわ」なあたりが住む世界が違うと感じさせられるなぁ。
「さて、ぬしに来てもらったのはいくつか聞きたいことと、相談があったからだ」
きた。
まぁそうだよね。親だしね。
「いかようにも」
僕がそう言って頭を下げると、芽結が口を手で抑えながらぷぷっと吹き出した。
「いかようにも。鈴がいかようにもだって」
ええい!そっちだって「父上」言うてたやろがい!
「本当に仲がよいのだな」
静かな声が聞こえた。
芽結は多少は話してあるのかな?
そう思って芽結を見ると、
「私は何も話してないよ」
との返事が返ってきた。
まぁ、いつ芽結の記憶が戻ったのかもわからないし、ここ数年のことかもしれないしな。
それに、荒唐無稽な話で誰も信じてくれないかもしれないし。
王族がそんなこと言い出したら立場的にもよくないこともあるのかもしれない。
「まず、ぬしとメイには、面識があったのか?」
「そうですね。どこから話してよいものか……」
僕はそう間を繋いで、どう説明するかを頭の中で考え始めた。
そういう知識に乏しいので、王様の口調難しいです




