前へ目次 次へ PR 24/31 二十四話:台風 私は台風が怖い。小学生のとき夏休みの後半に台風が直撃した。両親は仕事へ行き、私は一人お留守番だった。遊びにいけず、しょげてテレビをみていた。昼になるとつまらない番組ばかりのテレビを消し、昼を食べた。びゅうびゅうと風が吹き荒れている。その音につい咀嚼をやめて耳を澄ましてしまった。幾人もの悲鳴が聞こえた。今でもこの時期に台風が来ると思う。お盆を過ぎても現世に留まってしまう魂を台風が連れ去っていくのだ。