Episode23:セシル
ここは日本海と東海の間付近。地図では太平洋より小さいだが、実際はとても広い海。戦艦「鬼ヶ島」に搭乗している「レベッカ達」は、日本海と東海の間にある「ケカル帝国」を目指して前進していた。今のところ敵影もなく、順調に進んでいるのだが......。
「(レベッカ:)やけに静かだね。ま、どんどん進めちゃおう!!」
日本海と東海の間まで近づくと、前方後方に敵が確認された。前方は飛行挺、後方は戦艦、前後に挟まれた「レベッカ達」はピンチに陥る。
「(レベッカ:)...まんまと、罠にはめられたってことか。どうしよう...。」
「(レジーナ:)ここは私たちが引き付ける。その間に、あがりな!!」
「レジーナ」をはじめ、世界の仲間達は後方の戦艦に、「ミュゼット」と「ハルミ」、「ガジュ」は前方の飛行挺に乗り込む。「レベッカ」と「ロドゆい」、「ヒメ」と「ミコ」はそのまま敵の本拠地へ向かうべく4台の水上バイクに乗り、進んでいった。「ロバート」は戦艦鬼ヶ島の操縦を任されることになった。
飛行挺に乗り込んだ三人は、物陰に隠れながら味方を作ろうと行動する。
「(ハルミ:)さぁ、信用できる仲間を作りましょ!!」
「(ミュゼット:)うん!!ミコの為に。」
船内に刺客、幻影が多数潜んでいるのだが、中には諜報員、潜入者が少なからずいる。潜入者の声を聞きながら...。
「(諜報員オニオ:)モナさん...無事でいてね。」
「(ガジュ:)モナさんってもしかして、捕らわれているの?」
「(諜報員オニオ:)一緒に潜入したが、敵にモナは捕らわれた。ついてないな......。」
次の潜入者の声も。
「(潜入者カリー:)テリーって最低だな!!無関係の人を巻き込みやがって、なんという愚か者じゃんか!!そのせいか、ミヤオはいなくなっちまった。全部テリーが悪いんだ!!俺がぜってぇ頃してやる!!」
「(ガジュ:)お、落ち着いて!!」
「(潜入者カリー:)...ミヤオの仇.....討ちたいな。」
その次の声が。
「(諜報員ギコーン:)世界を牛耳る帝王がいる噂を聞いてここに乗り込んでみたが、それほど恐ろしい人とは。奴の意図は何なのか、注視する必要ありそうだ。」
「(ガジュ:)私だって知りたいよ。例のあの人のせいでバサカは......。」
さらにあんな潜入者の声も。
「(潜入者ショク:)聞いて驚けよ。奴がひとんちに土足で足を踏み入れ、無関係の人に手を出したらしいぞ。何が『ベガ氏も怒っているのでは。』だ、ふざけるな!!無関係の人に何か関係あるのか?『長年のあのペガマンでさえBRD様には敵わないだろう。』って、何故無関係のはずのペガマンに手を出すだろうか?人に魔の手を伸ばすイレギュラーがいなくなれば、永劫の平和は約束されるだろう。...なんか悪いな、志よ。」
「(ガジュ:)は、はあ......。」
潜入者の他にこんなのが貼ってある。その内容とは、当ケカル帝国のログから抜粋したものであった。
「(ハルミ:)酷い内容...。だからといって終わってんだよ、はないだと思うの。わかる?」
「(ミュゼット:)私だってポーキーモン好きなんだけど?金をドブに捨てるような奴には絶対わかりっこない。私はこうしてポーキーモン好きでいられるのは、雅史や清子のおかげかな。」
「(ガジュ:)シルバームーンのパッケージ、結構好みだよね。」
貼ってある紙切れはさておき、部屋の奥まで進む。そこには「セシル」といった刺客三人が待ち構えていた。「レベッカワールド」の一員の「ルイザ」がこのような形で拘束されていた。
「(ルイザ:)うぁぁぁ...ダイナシー......。」
「(セシル:)(許せ、ルイザ。)」
捕らわれの身になった「ルイザ」に申し訳ないと心底思う「セシル」。「ハルミ」は彼に問いかける。
「(ハルミ:)あなたは誰?」
「(セシル:)俺はセシル。ご主人様のシモベ。」
「(シルビア:)おほほほ、これは可愛いハルミ。実に可愛いですよ~。ヨイショっと。」
「(アリサ:)私は、ルイザのシモベだぜ、この嘘ホント。パクリキャラ乙。」
刺客の言動に耐えがたいものだと思うくらい怒りを露にする「ミュゼット」。
「(ミュゼット:)あんた、私に向かってパクリキャラと言ったな。許さない。」
「(セシル:)ま、いいや。ご主人様の為ならなんでもする。ご主人様の言う、パクリキャラとやらを拘束した。」
そこには人質が数人捕らわれていた。
「(ハルミ:)アレックス!!メグミ!!ヘルバタにアマデ!!」
「(ガジュ:)私の相棒まで!!」
「レベッカ」の仲間の「ヘルバタ」に、「ロバート」とともに戦線に出た「アレックス」や「メグミ」、経緯不明なまま「アマデ」や「デイカ」が敵に捕らわれていた。
「(ヘルバタ:)た...助けてください......。」
「(アマデ:)助けて、ハメられたにゃ。」
「(デイカ:)ガジュ~、なぜだかわからへんけど、捕らわれてしもうたや。」
「(ハルミ:)...なんてことを!!本当のご主人様は、ルイザなんでしょ!?なのに、なんでひどいことを!?」
「(セシル:)それを聞いて、どうする?」
「セシル」は答えるつもりなし。だが、「ルイザ」なら何か知っているようだ。
「(ルイザ:)私のかわいい部下に裏切られたんだよ。」
「(ハルミ:)裏切られた......?」
「(ルイザ:)そうだよ!!あの日、ある理由で!!」
そう、あの日とは今年3月のことだった。「ルイザ」は女二人、男一人をスカウトしてグループ「オイロケズ」を結成した。
「(ルイザ:)実に素晴らしい。私のいいコトどりグループ『オイロケズ』よ!!」
「(シルビア:)いやぁはや素晴らしい。でも一番凄いのは私たちのご主人様、ルイザ様でございますねぇ~。」
「(アリサ:)ご主人様は僕ちんだ、この嘘ホント。」
「(セシル:)おや、まだわからないのか?その人はすごい嘘つき女なんだぜ?」
しかし、その愉快な日々は長くは続かなかった。なぜなら、知っての通り3月10日(水)、日本に足を踏み入れた「ルイザ」と「オイロケズ」3人は観光する場所を間違えたのか運悪く「例のあの人」に出くわしてしまったことが災いして...。
「(名前を呼んではいけないあの人:)塵芥と成り果てやがれ。」
「(ルイザ:)ひぃぃぃぃ!!」
「ルイザ」は絶望した。目の前の巨悪に屈したのだ。もう勝ち目はないと悟った「セシル」が取った行動とは...。
「(セシル:)ちっ、敗れた。もうだめ。......元ご主人様ことルイザを裏切り、奴側に寝返るしかないか。ルイザ、気の毒だが俺は新たなるご主人様『テリー様』に仕えることにした。男はイロモノよりチンピラが好きなんでね。」
「(シルビア:)おぉ~~、偉大なご主人様。アナタ様はルイザなんかより何百倍も強いでございますねぇ。」
「(アリサ:)私、ルイザのこと大好きだぜ。この嘘ホント。このっ!!」
「(ルイザ:)うぅ......ぅぁああああぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
「ルイザ」との信頼関係、己の自由や名誉と引き換えに、敵側につくことで「ルイザ」を除いた「オイロケズ」の身の安全は保証された。「ルイザ」の口から語られるツラい事情に「ハルミ」は涙する。
「(ハルミ:)なんてことを......。」
「ミュゼット」はあるじへの信頼を捨てた「セシル達」に怒りを隠し通るはずない。
「(ミュゼット:)おい!!」
「セシル」は開き直る。
「(セシル:)それがどうした!!強い奴につくのが俺たちの生き方だ!!恐れ戦いた弱者はご主人様にとって邪魔な障害だ!!」
「(ハルミ:)...あなた、最低よ!!」
「(セシル:)貴様らまとめて、塵芥と成り果てやがれぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「(ミュゼット:)覚悟しろよ、このオカマ野郎!!!!!!」
「セシル」ら「オイロケズ」との戦いが始まった。ずる賢い「セシル」は「ガジュ」に囁く。それを見た「デイカ」は黙ってられない。
「(デイカ:)うちの相方に何しようってんねん!!」
拘束を破り、助太刀をする「デイカ」。「ミュゼット」も負けてらんないと燃え上がり、「アマデ」を救出。4人揃ったことにより、秘められた力をもたらす。
「ハルミ」はとりあえず人質の解放を優先。密かに順番に「ヘルバタ」、「アレックス」、「メグミ」、「ルイザ」、それぞれ一人ずつほどき、「ミュゼット」たちの戦いを見届ける。人質が解放されたことに気づくものも、「デイカ」の怪力によって何もできない「シルビア」と「アリサ」。業を煮やした「セシル」は最後の悪あがきをする。
「(セシル:)俺は負けるわけにはいかないんだぁ!!俺たちも命が懸かってるからなぁ!!!!!」
それに対して「ガジュ」は、意味深な台詞を発する。
「(ガジュ:)本当にこれでいいの?あなたは、本当は人質を助けたいんでしょ?」
「(セシル:)うぐ......。」
「(ミュゼット:)あっけない...。」
もう後がなく追い詰められた「セシル」は4人に命乞いをする。
「(セシル:)助けてくれ。全部例のあの人のせいだ。奴が日本を、世界を混乱に陥れようとしている!!だから、俺のしてきたことは目をつぶってくれ!!」
「(ミュゼット:)...雪郎の妹にひどいことをしたのは許さない。見苦しい言い訳で許されるとでも?」
「(ハルミ:)ミュゼット、この人はもう悪いことしたくないって心から思ってるよ。許してあげてよ。」
「(デイカ:)うちらを始末せえへんかったのは、あんたの心に迷いがあるということやな。」
「(アマデ:)こうやって、私たちを生かしているのにゃ。どうにゃ?彼らがやっていること、矛盾しているにゃん?」
「(ミュゼット:)だが、雪郎の妹と妖精持ちの姉は敵の本拠地に送ったじゃん。3人に免じて許してあげる代わりとして、いままで悪いことをしてきた分、償ってらわないといけないね。...レベッカ達に協力して。」
「(セシル:)ああ、わかった。協力する。」
「(シルビア:)実に素晴らしい。私達もレベッカ達の為に協力してさしあげましょう。」
「(アリサ:)テリー様の為なら何でもするぜ、この嘘ホント。ミュゼットの言うとおりだ。」
「セシル達」は「レベッカ達」に協力してくれるようだ。既に解放した「ヘルバタ」は協力してくれる「セシル達」に感化していた。
「(ヘルバタ:)姉さんの仲間達を助けてくれるようで何よりです。...事情があるとはいえ、私たちを生かしてくれたことに感謝します。」
「(ハルミ:)それより、レベッカ達と世界の仲間達は今、奮闘している。二手に別れて行動することになるけど、誰が出るのかな。」
「レベッカ達」か、「世界の仲間達」か、どう決めるのか話し合う。
「(ミュゼット:)じゃあ私とハルミはそのままレベッカ達の元へ直行する。」
「(ヘルバタ:)私もです。姉さんが心配なので。」
「(セシル:)俺は例のあの人に蹴りをつけないとね。」
「(シルビア:)もちろん私もですよ。」
「(アリサ:)世界の仲間達だ、この嘘ホント。やっぱ例のあの人のいる城じゃ。」
「ヘルバタ」、「セシル」、「シルビア」と「アリサ」は「レベッカ達」との合流を選び、それ以外の人達は「世界の仲間達」を援護することになった。次々と降りていく「アレックス達」、「ガジュ」と「デイカ」、「アマデ」はこれから敵の本拠地へ向かっていく「ミュゼット達」を見届ける。
「(ガジュ:)頑張って例のあの人を倒して...。」
未だに猛攻を続けている敵艦、「ロバート」一人で戦艦を動かすのが精一杯。「アレックス」と「メグミ」、「ルイザ」、「スフィア」3人や潜入者が降りてきたことで、「これは助かる。」と有利に進めていた。
「(ロバート:)レジーナをはじめ、世界の仲間達は敵艦に乗り込むと突っ走っていたが、レベッカ公認の仲間なら手助けしてくれる、戦いやすい。礼を言うよ。アレックス、メグミ、後方の敵艦を止めるぞ!!」
人員が増えた戦艦鬼ヶ島は全力で後方の敵を足止めした。「レジーナ達」も敵艦内で奮闘し続けている。彼らが時間を稼いでくれたおかげで「レベッカ達」は無事、「ケカル帝国」に到着できた。海上は彼らに任せ、「レベッカ達」は敵の城へ目指して進んでいく。
さぁ、ここからが正念場だ。




