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英雄たちが求めるエンディング  作者: 岩ノ川
第2章 カナタ・タユーリ
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第64話 一難去ってまた一難

諸事情により編集しました。

 2人のステータスウィンドは私から見て鏡文字でその詳細が載っていた。そんな2人のステータスを断りもなくまじまじと見た。


==============================

ケマ・ヒュジェーラ

種族:獣人族(熊種)

性別:男

状態:やや満腹


『称号一覧』


『適性魔法一覧』


『スキル一覧』


『熟練度一覧』

==============================


==============================

コルル・チェガンバ

種族:妖精族

性別:女

状態:健康


『称号一覧』


『適性魔法一覧』


『スキル一覧』


『熟練度一覧』

==============================


 おお、これが2人のステータスか・・・やっぱり種族は違うからそれぞれの種族名で出るんだなぁ。ってかケマくん、何気にスキルを所持していたんだ。まあ獣人族は全種族の中で早くスキルが獲得できるって聞くけど・・・それがケマくんだとなんか腹立つ。


「一応意識してみたけど・・・おお!?コルルちゃんのステータスウィンド見えている!ねえねえ、俺のも見えている?」


「うん、ちゃんと見えているよ。・・・ケマくんってスキル持っていたんだ。やっぱりすごいんだね。」


 相手に見せることに成功した2人はお互い嬉々とした表情で話し合った。そんな2人を見ているとなんかほのぼのしてしまう。だけどそれも束の間だった。


「えへへ、ありがとう。・・・あれ、カナタちゃんのはまだ見えないけど、何で?」


「私にも見えていないよ?カナタちゃん、ちゃんと出しているの?」


 はは、やっぱり聞いてきたかぁ・・・。さ~て、どうしよう。


 2人は突如そう言って話題を私へと変えてきた。当然流れ的にも私も二人と同様にやるべきなのだろう。だけど私はあの2つの称号を見られたくはないから、ステータスウィンドを表示することはできない。私は必死に言い訳を考えて、咄嗟に思いついた答えを言い出した。


「・・・あれ~、おっかしいな~?私は出しているんだけどね~?ちゃんと私の前に出ているよ、ステータスウィンド。」


「でも僕たちには見えていないよ?もう1回イメージしながら開きなおしてみたら?」


「うん、そうしてみる。・・・どう見えてる?」


「いいや、全然だよ。ちゃんとイメージしているんだよね・・・何でだろう?」


 そう私が思いついたのは、出しているフリである。上手くイメージが出来なくてステータスウィンドが表示できないと適当に言い訳を言えば何とか誤魔化せるはず。2人には少し申し訳ないけどあの2つの称号について公開するべきかどうか、判断できるまで嘘をつかせてもらう。2人は私が嘘をついていないと思い、真剣にその原因を考えてくれている。純粋な2人の気遣いに心が痛くなってきた。


「ま、まあできないものは仕方がないし、別の事でも話そうよ。ね?ねえ?!」


「別の事って、見せ合いっこしようって言い出したのはカナタちゃんでしょ。ってか本当にいいの、ステータスウィンドの事?」


「いいって、いいって!多分そのうち出来るようになると思うし!それより何か話そうよ!・・・コルルちゃん、何かない?」


「えっ、急に振られても困るよ。」


 やや強引ではあったけど、何とか無事私のステータスの話題を逸らすことに成功した。こんな苦しい言い訳が何時までも続かないのは馬鹿な私でも理解はしている。早い所打開策もしくはあの2つの称号の価値観について調べなければならない。その後、私たちは何気ない会話を始めて盛り上がり、そして大人たちの食事が終わったのと同時に会計を済ませて店を出た。



星暦2023年、春の10日、無の日、夜


 店を出ると太陽は完全に沈み夜になっていた。しかし王都は全然暗くない。王都バースは多すぎるというぐらいの街灯である炎がそこら中にあり、街道は夜になっても昼の様に明るかった。そんな明るい王都の平民街のとある一本道を私たちは宿屋に向かって歩いている。


「ふぅ~食った食った!でも少し小腹が空いた感じはするかな~。」


「ケマくんどんだけ食べれるの?そんなに食べたら太っちゃうよ・・・って、ケマくんは私たちの中で一番動くからあんまり関係ないか。」


「それでもあれだけの量を食べてもまだ食べたいって言い出すのはすごいけどね。」


 でもケマくんの言い分の少しなら分かる気がする。もう一料理を食べきれるほどお腹に余裕はなかったけど、確かに小腹は空いている。だけどそれは私たちの分の料理も食べたケマくんが原因だけど。


「そういえばカナタちゃん、食べている時気付いたことがあるんだけど・・・。」


「ん、なに?」


「カナタちゃんって八重歯だったんだね。さっき真正面で話している時たまたま気付いちゃった。とっても可愛いね。」


「あー・・・うん、ありがとう。」


 コルルちゃんがそう言いながら私の一本生えている八重歯をしてきた。これは乳歯に時に最後に生えてきた歯で、つい最近目立つようになって来たからパーティーメンバーでも気付かないのは仕方がない。コルルちゃんはこれを可愛いと好評してくれるが、私はこの八重歯の事を思い出して、やや複雑な感情になった。


 そういえば前世の私にも八重歯ってあったなぁ・・・今世でも生えてくるって、これって偶然だよね?それに顔つきも心なしかパパやママに近付いていると言うより、前世の私に似てきているような・・・。転生する時に会ったあの神様が気遣かってくれたのかな?・・・まあ考えても仕方がないよね。人の顔なんて頑張りようでどんな風にも変えられるんだから別にいいか。それに前世の私の顔つきはかなり整っていた方だし、むしろ将来の顔が分かっていてラッキーって思うべきかな!


「あ、宿屋が見えてきた。」


 ケマくんがそう言いながら視界に入った宿屋に指をさす。談笑しながら歩いていくうちにもう着いた。先の大衆食堂では満腹感はともかく、満足感は十分に満たされた。そして朝からいろいろとあり、私たちの身体はもう疲れている。今夜はぐっすりと眠れそうだ。そう思いながら私たち子ども3人は宿屋の出入り口へ向かおうとするが、先行して歩いている大人たちは何故かそのまま宿屋の出入り口を見る気もせず、そのまま通り過ぎて行く。この光景、なんだか今朝のやり取りに似ている。


「えっ、ちょっ、パパ、ママ!?どこ行くの、宿屋はここだよ?」


「どこって・・・さっき勇者様を見に行った広場とメインストリート。」


 父が取り残された私たちの方を振り向きそう答える。私たちは一度3人で見合わせて、この後何かあるのかとアイコンタクトで確認し合う。2人は首を横に振る、どうやら今回は2人も何も知らないし聞かされていないようだ。


「パパ・・・広場に行って何するの?まさかまた勇者様を見に行くの?またあの人混みの中に混ざりに行くの?」


 再び父の方へ向き、何があるのか質問した。昼間の時、広場に行って肉厚に押しつぶされそうになったという苦い経験のせいか、私はこの時、無意識に少し不機嫌な表情をしてしまう。


「アハハ、そうしかめっ面になるな!安心しろ、今行ってももう昼間みたいなことは起きないから。」


「じゃあ一体何しにまた広場に行くの?」


「ふっふっふっ、まあそれは言ってからのお楽しみ・・・という事で。大丈夫、もうあんな事はないから。ほら。」


 父はそう言いながら私たちを広場へと誘導する。この王都の出身である父があそこまで良いのだから、恐らく昼間のような事は本当に起きないのだろう。私たちは父の言葉を信じてそのまま大人たちの後ろへついて行き、広場へと向かう。


「はぁ~、あんまり気乗りしないなぁ。」


「どうしたのケマくん?」


「だってさっきあんな事があったんだよ?みんなはどうだったのか知らないけど・・・僕なんか、何故か腕の間接が決められていたんだよ!ちょ~痛かったんだよ!数秒間あの体勢は本当に死ぬかと思ったよ!」


 本当に何でそんなことになっていたの?それはもう運が悪かったとしか言いようがないな。・・・っていうか見とけばよかった。絶対に面白かっただろうな・・・惜しい事をした。


「・・・ん?」


「今度はどうしたの?」


「何か広場の方で沢山の人の騒ぎ声が聞こえてくる・・・ねえ、本当に大丈夫なの?」


 ケマくん耳がびくんと震えて何かに反応した。私には他の通行人の声のせいか何も聞こえない。獣人族のケマくんだからこそなのだろうか。そして少しずつ広場の方へ近づくと、確かに何やら騒ぎ声が聞こえてきた。だけどそれは昼間の様な誰かが苦しんでいる声ではなく、楽しそうなわいわいとした感じの騒ぎ声だった。


「あっ・・・私にも聞こえてきた!」


「うん、確かにたくさん人がいるみたいだね。なんであんなに人が・・・お祭りでもやっているのかな?」


 私がそう言った途端、父がある気ながら私の方へ向き、ニヤッと笑う。最初はその笑みはどういった意味なのか全く理解できなかった。しかししばらく歩くことで理解できた。

 広場に着いた私たち子どもは昼間の時とは違った光景に目を見開いた。広場とメインストリートの脇には、昼間にはなかったはずの多くて様々な種類の屋台が建てられてあり、そこから先に来て商品を購入して楽しむ人たちが目に映る。そう、王都バースは18時から祭りが執り行われていた。


「「「おおおお~~!!」」」


 私たち子どもは予想外の光景に目を光らせ、心を躍らした。屋台は前世で見たことある物から初めて目にした物まで選り取り見取りだった。この今世初の祭りにテンション上げずにはいられなかった。


「ねえねえ、早く行こうよパパ、ママ!」


「はいはい。喜んでもらえて良かったわね、アナタ。」


「ああそうだな。じゃあ今夜は目一杯楽しもうか!」


 父の言葉と同時に私たちは広場に足を踏み入れて祭りに参加した。王都バースの祭りの屋台は様々あった。貨幣を対価にして遊技をしたり、飲食物や期間限定の商品を購入したりと、私たちはお祭りのテンションに身を任せておおいに楽しんだ。先の大衆食堂で満腹にしていなくて本当によかった。そのおかげで、ここでたくさんの物が食べられる。


「カナタ、楽しんでいるか?」


「パパ、ほんっとうにありがとう!こんなにもいろいろと買ってくれて、いますっごく楽しいよ!」


「そうかそうか、それは良かった!じゃあ今日は一晩中楽しもうか!」


 私と私の両親、ケマくんとコルルちゃんとその両親、この場にいる全員が今宵、王都バースの街灯の炎の明かりの下でおおいの祭りを楽しんだ。今朝からさんざん最悪な日だと思い続けたが撤回しよう。神の恩恵と言う今日は、私の今世の中で一番最高の日となる。

 そんな時、突如影から私たちを見つめる2人の黒い影があった。いや、正確には私たちではない。黒い影たちが見つめていたのは、私の父であった。

不自然な点があれば、是非ご指摘してください。

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