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英雄たちが求めるエンディング  作者: 岩ノ川
第1章 アスタ・サーネス
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第11話 ステータスウィンド

諸事情のため編集しました。

 左拳を前に出して、あることがを心の中で唱える。


 ステータスオープン!


==============================

アスタ・サーネス

種族:人族

性別:男

年齢:10

状態:健康


『称号一覧』


『適性魔法一覧』

==============================


 ヤバい・・・これがステータスウィンド!


 そうこれが神の恩恵を受けることでできるようになる“あること”だ。正確には今日教会で口にした神菓子のおかげ。神菓子にはある特殊な材料が入っており、それによりこうして身体から自分の状態を把握できるステータスウィンドを表示できるようになる。因みに表示する場所はどこでもよい。左拳に表示さしたのは何となくだ。そんな自身のステータスウィンドが表示されたことに感激した。


 そういえばその特殊な材料は本には載っていなかったな・・・。まあこうしてできるわけだし別にいいか。よし、母さんが戻ってこないうちに確認するか!


==============================

『称号一覧』

・転生者

・神との対面者

・農民の息子

==============================


 感激していた俺は早速、自分のやろうとしていたことを思い出してさっそく取り掛かった。開いたままのステータスウィンドに「称号一覧」を開くように意識すると、ステータスウィンドは「称号一覧」を開いてそれだけ映した。


 よし、成功だ!上手くできてよかった!えっと俺の称号は・・・やっぱりあったか、転生に関するやつが。


 確認したかったのは転生に関するものがあるかどうかである。本来この「称号一覧」とは、その者が各称号の条件を満たして手に入れた時に初めて表示できるもの。最初にステータスウィンドを見たときは素直に感激したが、「称号一覧」が目に入った瞬間俺は転生に関するものがあるんじゃないかと考え、いざ開いて見ると見事にそれは映った。


 しかも『神との対面者』だなんて・・・まあ対面はしたけど。この世界じゃあきっと超レアな称号だろうな。誰かにこれを見られたらまずいよな。


 俺は思わぬ称号が目に入り驚きを隠せなかった。ステータスウィンドは他人にも見せることができれば、意識してステータスウィンドを目視させなくすることもできる。つまり自分にだけ見えて相手には何にも見えていない状態にできる。


 この後ナエナちゃんに見せてって言われるだろうなぁ。うん、間違いなく言う。拒否してもずっと要求され続かれそうだし、今のうちに隠せるように練習しよう!


そう考えて開いているステータスウィンドにさらに意識させた。『転生者』と『神との対面者』だけを隠すように意識すると、ステータスウィンドはその通りに映した。



==============================

『称号一覧』

・農民の息子

==============================


 よし、成功した!一応これで大丈夫だろう。


 ステータス項目の隠蔽に成功した。ステータスの隠蔽は特殊な魔法や道具を使わない限り絶対にバレない。本でそれを知っていた俺は安心して一息ついた。流石のナエナちゃんでも隠蔽していることは疑わないだろう。


 ふぅ~、何も悪いことしていないのに何でこんな細かい事に気を遣わなきゃいけないんだろう。まあバレていろいろ問い詰められれるよりかはマシか。・・・そういえば俺の適性魔法ってなんだろう。


 ふと純粋な好奇心で、そのまま「適性魔法一覧」を開いた。


==============================

『適性魔法一覧』

・水 ・無

==============================


 やっぱり水魔法はあったか。無魔法は人族なら誰でも持っているんだったな。確か普通の人は3,4個は持っているんだっけ?つまり俺は普通の人より魔法には恵まれなった・・・てことか。


 開きなおしたステータスウィンドを見て少し肩を落とし、またベッドに横たわる。適性魔法は天性的なもの。これは神に祈ってもどうしようもないこと。だけど少しは落胆した。


 そういえば母さんは土魔法が使えるんだったか。サーネス家の血が濃く過ぎて、そっちの遺伝が受け継がれなかった・・・。


 魔法は両親が持っている適性魔法の両方を必ずしも子供に受け継ぐわけではない。片方の親の適性魔法を受け継ぐことがほとんどだが、稀に両方の適性魔法を受け継ぐこともある。俺の場合は明らかに父さんよりであった。


 正直に言うと特別な力を持っているんじゃないかって期待していたんだけどなぁ・・・。まあそこまで都合よくないか。神様に異世界へ転生してくれただけでも感謝しなきゃな。


ガチャッ


「アスタごめん、今戻ったわ!急いで支度しなきゃ、ナエナちゃんたちが待っているわ!」


 唐突に部屋に戻ってきた母さんは、また自分の服を選び急いで支度し始めた。俺のステータスウィンドに目もくれていなかった。と言うより表示に気付いていない。


 どうやら見えていない・・・のか?


 俺は「称号一覧」の隠蔽の時に、念のために他者に黙認させないようにステータスウィンドに意識した。しかし急いでいる母さんが俺に意識していないだけで、まだちゃんと隠れているという証明ができているわけではない。そう考えた俺はステータスウィンドを開いたまま、母さんの身支度が終わるのを待った。



「・・・うん、これでよし!」


 しばらくしてようやく母さん身支度が終わった。赤の服にするか青の服にするか長い時間迷っていたが、最後にはなぜか白い服にした。母さんもやっぱい女性なんだな。たかがご近所さんと一緒にご飯するだけなのにあんなに気合入れて。俺個人は青の方が似合うと思うけど、まあ母さんがそれでいいなら別にいいだろう。


「アスタ、準備できた?」


 母さんは俺の方を向き、支度ができたか確認した。今後は完全に見た。


「はい、出来ています。」


「うん!じゃあ昼食食べに行くわよ。」


 完全に俺の方を見たな。俺のステータスウィンドを見れていない・・・うん、これも成功だ!


 返答を聞いた母さんは、バッグを持って部屋を出ようとした。俺もそれをついて行くように部屋を出ようとした。ステータスウィンドを開いたままの俺は母さんの反応を見て、ちゃんと隠していると確信を持てた。ステータスウィンドを閉じてそのまま母さんと一緒に宿屋を出て、ナエナちゃんたちと待ち合わせ場所へ向かった。



 ナエナちゃんたちとの待ち合わせ場所は王都ウルンストのメインストリートにある広い噴水広場である。俺らの宿屋から少し距離があり、歩いて向かった俺たちは到着するまで時間がかかった。

お昼のせいかメインストリートは今朝より多くの人が外出していた。その多さは俺の村に住む住民をかるく超えている。しかも他種族共生であった。人族だけではなく、鬼人族、獣人族、妖精族も多くいる。ここはまさに俺が想像していた異世界であった。


 ヤバい・・・!ファンタジー小説で読んだ通りの異世界!何がヤバいかうまく言えないけど、とにかくヤバい!


 この局面に対し心の中で阿呆みたいな感想を思い、俺は感動していた。しばらく歩くと噴水広場が見えてきた。有名な待ち合わせなだけに、他の人たちのそこに集っていた。人口密度が高い。俺たちは人の間を通りながら噴水をぐるっと1周しようと回って歩いていると、見覚えがある赤色の髪の毛を持つ親子を見つけた。ナエナちゃん親子であった。2人に気付き急いで歩み寄り声をかけた。


「すいませんマーシェナさん!遅れてしまいまして!」


「いえいえ。私たちもいま着いたとこなんで大丈夫ですよ。」


 でもちょっとは待たせてしまったよな。・・・一応頭下げとこ。


 俺の母さんが遅れたことを詫びると、ナエナちゃんのお母さんはそれを何事もないように許してくれた。母さんが誤っている中、俺も流れるように頭を下げた。そしてゆっくりと頭を上げると俺とナエナちゃんは目が合った。


「・・・こんにちは、ナエナちゃん。」


「こんにちは!アスタくん!」


 俺たちは本日2度目の挨拶をかわした。お互い軽く挨拶をかわすとそのまま一緒にメインストリートを歩きながら昼食を済ますお店を探した。大通りなだけにお店の種類もかなり豊富だが、洗礼の日のために多くの人たちがここ王都に集まっているから、ほとんどの店が満員御礼であった。俺たち4人は談笑しながら空いている店を探しながらしばらく歩き続けた。


 やっぱり人多いなぁ・・・。他種族を見るのは楽しいけど・・・そろそろお腹すいた。


「ねぇねぇ、あそこは?」


 メインストリートの端まで歩くと、ナエナちゃんは一店に指をさす。その店の名前は『水老亭』と書いており、窓から店内を見ると確かに他のお店と比べてまだ少ない方だった。


「そうね・・・サーネスさん、あそこなんてどうですか?」


「ええ、かまいませんよ。アスタもあそこでいいよね?」


 ナエナちゃんのお母さんが少し考え俺の母さんに提案すると、母さんはすぐに承諾した。母さんは確認のため俺に問いかけた。当然断る理由はなく首を縦に振る。


「うん、じゃあ あそこにしましょうか。」


ナエナちゃんのお母さんが俺たちに確認を取ると、お店の向かい扉を開いた。


ガチャッ

チャリッチャリッ


「いらっしゃいませ!お好きな席へどうぞ!」


 お店の扉についている鈴が鳴る中、俺たちも続いてお店に入って行った。鈴の音で気付いた男の店員が元気な声で話しかけてきた。俺たちはその言葉を聞き、奥の丸いテーブル席に座った。お店の雰囲気を悪くなく、内装外装どちらとも木製で出来ており田舎出身の俺たちに親近感を湧かせた。


「いらっしゃいませ。こちらメニューになります。」


 座った俺たちを確認したさっきの店員はメニュー表を配った。


 ピラッピラッ


 メニュー表を手にした俺はそれをしならせた。


 プラスチック!?この世界に科学の文明が・・・。俺の村とすごい差だな。流石は王都・・・。


「すいません。ここのお店のおすすめって何ですか?」


「当店のおすすめですか?そうですね・・・こちらの『ブルーモンキーの焼肉定食』なんてどうですか?食べやすくてうまいと他のお客様から好評ですよ!」


 翻訳すると・・・青い猿、青猿?・・・全く想像ができない。魔獣の肉ってことか?魔獣の肉が上手いことは知っているけど、猿の肉はちょっと・・・。


「私それがいい!」


「じゃあ私もそれで。」


「じゃあ私も。アスタは?」


 えぇーーー!?


 俺の隣に座っているナエナちゃんは急に声を出し注文をした。ナエナちゃんに続いてナエナちゃんのお母さん、俺の母さんも同じものを注文した。最後になった俺を待っているのか、店員含め全員が俺の方を見た。


「・・・一緒で。」


「かしこまりました。『ブルーモンキーの焼肉定食』を4つですね。少々お待ちください。」


 空気が読めない奴と思われたくなかった俺は同じものを注文した。注文を確認した店員はお店の奥の方に去って行った。


 まあはっきり物事を言わない俺が悪いけど・・・いったいどんな料理が出てくるんだろう。まあ王都の定食屋だし衛生面には問題ないだろうけど・・・。


「はぁ~。」


「・・・。」


うん?


 俺のため息に気付いたのか、ナエナちゃんが俺を見ていた。彼女の方を向き本人に聞いた。


「・・・なに?」


「アスタくんの歯って・・・そんなの形だったっけ?」


 そう言うと俺の口の中に指をさす。それはここ最近生えてきた八重歯であった。俺は八重歯の事をナエナちゃんに教えた。


「・・・昔からあったっけ?」


「ううん。最近になって。」


 確かにこの八重歯に関しては俺も疑問に感じていた。乳歯の時に新しく生え変わって出て来たのだ。


 やっぱりこれ、前世の俺と同じ歯・・・だよな。顔も心なしか前世の近付いて気がするし。・・・まあ、別に全く知らない顔よりかはマシだけど。


「やっぱり・・・変?」


「ううん、全然!とっても似合っているよ!」


 ナエナちゃんはいい笑顔で褒めてくれた。やっぱりいい子だ。


「ねぇねぇアスタくん!あれ見せ合いっこしよ、あれ!」


 ナエナちゃんは指示語を使って何かを提案してきた。何をさしているのか予想できるが一応聞いた。


「・・・あれって?」


「ステータスウィンドだよ!勉強しているアスタくんなら知っているでしょ!」


 ナエナちゃんはいい笑顔で予想通りの提案してきた。予想通り過ぎて思わず苦笑いしてしまった。

不自然な点があれば、是非ご指摘してください。

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