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3.冒険者ギルド

「さーて、後2日ぐらい歩いたら王都に着くんじゃないっすかね?」


「おっ、結構近くなってきたな。」


俺はまだ見ぬ王都を想像し、心を躍らせた。

「にしても『空気』なんて固有魔法聞いたことがないっすね。所有者が隠していたのか、それともラティエルさんが初めての所有者なのか…。」


「結構使い勝手がいいぞ。壁を作ったりとか…。あぁ、でもああいう剣を作ると、体がちょっとだるくなるんだよな。」


「ほんとっすか?ならステータスに書かれていない副次効果や、隠し効果もあるかもしれないっすね。王都に戻ったら、ウチの知り合いの鑑定士に聞いてみるっす。」


「鑑定士ってなんだ?」


「鑑定士っていうのは、鑑定魔法じゃ読み取れない情報も見れたり、隠蔽を看破する鑑定スキルを持つ人のことっす。」


「スキル…ってのは、『異能者』の異能みたいなもんか?」


俺は思い当たった本の主人公の名前を呟く。


「え、ラティエルさん、異能者の話読んだことあるんっすか?」


「ああ、小さい頃はよく本を読んだからな…。それで、スキルってのはどういうものなんだ?」


俺はミストに質問する。


「えーっとっすね。スキルっていうのは、生まれた時から持っている、魔力を消費して使用する技能のことっすよ。」


「ん?俺そんなの持ってないぞ?」


「スキルといっても、持ってない人もいるっす。」


「そういうものなのか?」


「そういうものっす。」


「ーー今更なんだが…、属性ってどういうものなんだ?」


「えぇ!?そこからっすか…。属性ってのは、人の体に宿るもんっす。ラティエルさんの場合、固有属性っすね。固有属性は固有魔法と同じようなもんです。」


「そこら辺は誰が決めたんだ?」


「『始まりの魔法使い』っすかね?」


「セーラか!」


「はいっす、『探究者』の称号を神から下賜された英雄っす。」


「ーー称号ってなんだ?」


「称号っていうのは、神が人に贈るものっすよ。ちなみにウチも称号持ちっすからね。」


「え⁉︎ミストが!?まぁ、最上級の冒険者だしな、ちょっと見せてくれよ。」


「いいっすよ、『ステータスオープン』」


ミスト


エルフ


属性 風


称号 『翠の魔術師』『天風』


Lv382

STR A

VIT A

AGI A

INT SS

DEX S

MND SS

LUK A


「うちは称号二つ持ちっす。。」


「ミストは凄いな。」


「えへへ、ありがとうっす。」


「『天風』ってなんだ?」


「風を司る天使、ラーファルエルにも劣らない風魔術の使い手に贈られる称号っす。」


「『翠の魔術師』は?」


「これは、神が認めた風魔術の使い手に贈られるものっすよ。一応『天風』の方がすごいっすね。」


「へー、俺ももらえるかな?」


「Lvが最低でも3桁いかないと無理っすよ。」


「そうか、遠いなあ。」


「ま、一緒に頑張るっすよ。」


「ん?王都に戻っても俺とパーティ組んでくれるのか?」


「別にいいっすよ、ウチソロで冒険者活動してるんで。」


温かさが身に染みる。


「ーーじゃあ、お言葉に甘えるとするよ。」


5時間後…。


「凄え…、でかいな。なんだこれ?」


「これが王都の城壁。この国が城壁王国って言われているのはこれがあるからなんっすよね〜。」


「これは攻められても負けないな。」


「そうっすね、それがこの国の強いところっす。」


「ギルドはどこにあるんだ?」


ラティエルは待ちきれない表情で聞く。


「中っすよ。」


城門に並ぶ。


「ーー住民票を。」


「ほいっす。」

と、ミストが金色の札を差し出す。


「『天風』ミスト様。どうぞ、お通りください。」


「ありがとうっす。ちなみに後ろの人はうちの連れっす。」


「ーーはっ、お連れの方もお通りください。」


「あれは何だ?」


「あの人は衛兵っすよ。……多分新人っすね。」

「有名な冒険者は衛兵に顔が利くんす。なんで、あの人はウチを知らなかったんで、多分新人っす。」

「ああいう検査みたいなんがいつもあるので、聞かれたら冒険者カードを見せるといいっす。ラティエルさんなら、すぐにA級とか行くんじゃないっすかね?」


「S級はすぐにはいけないのか?」


「王家からの指名依頼を成功させる必要があるっす。どれも一級品の依頼っすから、その危険を避けるためにA級にいる人は何人かいるっすよ。」


「なるほどなあ。」


「はい、着いたっすよ。ウチは外で待ってるっす。」


俺はミストに案内され、大きな建物の前に来た。


「おう、ありがとな。」


ドアを開ける。俺の心は期待で染まっていた。


「ーーようこそ、王都ギルドへ。依頼ですか?登録ですか?」


白髪の女性が、受付のところに立っていた。


「冒険者登録をしたいんだが…。」


「かしこまりました。ではこちらの水晶に手を乗せていただけますか?」


「なんでなんだ?」


「ステータスが表示されますので。」


「わかった。」


名前 ラティエル

種族 人間

属性適正 空

性 男

Lv 7

HP45

STR C

VIT C

AGI C

INT A

DEX B

MND B


「固有属性持ちなのですね。」

小声で受付嬢が言う。


「そうだ。」


「かしこまりました。では、これがあなたのギルドカードです。」


そう言って、受付嬢が、銅色のカードを渡す。


「ありがとう。」


「私は受付嬢のリヴィウスといいます。また来てくださいね。」

そう言ってリヴィウスは微笑んだ。


「よろしく、リヴィウスさん。」

ラティエルがそう言って依頼板を見ようとすると


「ーーおい、先輩に挨拶はねえのか?」


不意に、声がかけられた。


「え?」


「俺の名前はカマセーヌ。このギルドのB級冒険者だ。このギルドは年功序列。だからいつも、新人の歓迎会(リンチ)を開いてるんだ。」


凶悪そうな顔をした男がそう言う。


「本当か?歓迎してくれるだなんて優しいんだな。」


「おう、みんな、歓迎会(リンチ)の時間だぞ!」


「よっしゃー!」

「やっとかよ」

「待ってましたー!」


「またですか。」

リヴィウスは呆れたようにそう言い、口を開いた。


「ラティエルさん、怪我をしても私が治しますが、気をつけてくださいね。」


「?はい、わかりました。」


未だに状況がよくわかっていないラティエルは、首を傾げながらそう言った。


その頃ミストは。


「あ、そういえば、歓迎会(リンチ)があったっすね。」

「どうせまたカマセーヌだろうけど、これはラティエルさんのストッパーが必要っすね。」

「ーーはあ、仕方がないっす。」

そう言って、ミストはギルドに足を踏み入れた。


「あっ!ミストさん!」


「おい、あれ『天風』じゃねえか?」

「ほんとだ。」

「あれが本物か」


「ただいま戻りましたっす。今すぐ歓迎会(リンチ)会場に案内してくださいっす。」


「ミストさんが歓迎会を止めにいくだなんて珍しいですね。」


「ーー人死にはごめんっす。ラティエルさん、ハイゴブリンを一太刀で討伐できる4実力の持ち主っす。カマセーヌが危ないっす。」


「ハイゴブリンを⁉︎わかりました。今すぐ行きましょう!」


ミストは、リヴィウスとともに急ぐのであった。

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