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幕間 女神

 世界は、静かに回り続けている。


 命が生まれ、命が還る。


 その循環は、今日も変わらない。


 人々は朝を迎え、働き、笑い、そして眠る。


 ずっと変わらない一日。


 その巡りの中、勇者は魔王を討った。


 また、一つの役目が終わったのだ。


 長い旅を終えた勇者は、仲間たちと共に王都へ帰還した。


 人々は彼らを英雄と呼び、喜び、祝福する。


 王女もまた、勇者の帰りを笑顔で迎えた。


 その笑顔を見て、勇者は何を思ったのだろう。


 私は、静かに見つめていた。


 あとは加護を返してもらうだけ。


 それで、この世界は明日も続く。


 これまでも、これからもそうだ。


 勇者が生まれ。


 魔王が生まれ。


 勇者が魔王を討つ。


 そして、役目を終えた勇者は加護を返す。


 それがただ巡るだけ。


 今回も、そうなるはずだった。


 私は空から、小さく微笑んだ。


 まだ気付いていない。


 あの勇者も。


 あの王女も。


 そして私自身も。


 この巡りが、ほんの少しだけ狂い始めていることを。

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