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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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第22話「ありがとうデー本番」

始まりの朝


 イベント当日の朝、ノアの家のリビングには緊張した空気が漂っていた。

 カズヤは落ち着かない様子でギターケースを開け閉めし、ミナはスライド用のノートパソコンを何度も再起動して確認する。

 ユウタは深呼吸をしてから笑顔を作った。

 「よし、やるだけや。」



会場のざわめき


 学校のホールには、先生や生徒、近所の住民たちが集まっていた。

 壁には「THANK YOU, SEATTLE!」と手書きの横断幕、テーブルには日本のお菓子や港町の写真が並んでいる。

 「こんなにたくさん……」

 ミナはその光景に思わず目を見開いた。



スライドショー


 ステージの照明が落ち、スライドが映し出された。

 港町の朝焼け、堤防で遊ぶ子どもたち、夏祭りの提灯、笑顔の漁師たち――。

 ユウタがたどたどしい英語で話し始める。

 「This is… our home. Harima. Small town, but… very warm.」


 カズヤが続ける。

 「People help each other. And… we want to show… our love.」

 ミナも緊張しながらマイクを握った。

 「Thank you… for… everything. We… never forget.」



歌の時間


 ジェイデンのギターが鳴り響き、練習を重ねた歌が始まった。

 不器用な英語と日本語が混ざったメロディーに、会場から自然と手拍子が起こる。

 港町組の声が重なり、最後のフレーズを歌い終えた瞬間、大きな拍手が会場を包んだ。



温かい言葉


 終了後、たくさんの人が港町組のもとに集まった。

 「Thank you for sharing your town with us.」

 「Your story is so beautiful. I want to visit someday!」

 その声に、ユウタたちの胸の奥がじんわりと熱くなる。


 ミナは涙をこらえながら、小さな声で「Thank you…」と何度も繰り返した。



夜の屋上で


 イベントを終えた夜、ノアの家の屋上で星を見上げる仲間たち。

 「なんか、夢みたいやったな。」

 ユウタの言葉に、カズヤが笑った。

 「うん。でも、本間や。」

 ノアは静かに頷き、「You gave us something special too. Thank you」と優しく告げた。



ノアのノート

•Step Twenty-Two: Thank you, Seattle.

•「今日、この街と港町は本当につながった。その絆は、きっとずっと消えない。」


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