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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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続編 第15話「影との遭遇」


夏の午後


 学校からの帰り道、ノアたちはバスを降り、住宅街の歩道を歩いていた。

 ユウタたちは英語のフレーズを復習しながら笑い合っていたが、その後ろからゆっくりと近づいてくる車に気づかなかった。



心ない声


 車の窓が下がる音とともに、冷たい声が飛んできた。

 「Hey! Yellow monkeys! Go back to where you came from!」

 短い一瞬。けれど、その言葉は鋭い刃のように空気を切った。


 ユウタたちは意味を完全には理解できなかったが、ノアとサラの顔が一瞬で険しくなったのを見て、ただ事ではないことを悟った。

 車は笑い声を残して走り去り、あたりには不自然な静寂が残った。



重い空気


 その夜、ノアの家のリビング。

 誰も何も言わない時間が流れた。

 ジェイデンが拳を握りしめて呟く。

 「I hate that. People like that… they don’t know anything.」


 サラは深呼吸をしてから静かに言った。

 「It’s not your fault. Don’t let their words stay with you.」

 けれどユウタの胸には、説明できない重さが残ったままだった。



港町との通話


 その夜、港町の仲間たちとビデオ通話をしたとき、ユウタはその出来事を話そうか迷った。

 けれど、ノアが優しい声で「It happens. But you’re not alone」と言ってくれたのを思い出し、結局は笑顔で「こっちは元気や」とだけ伝えた。



静かな屋上


 屋上で街を見下ろしながら、ユウタはカズヤに小さな声で言った。

 「……悔しいな。でも、ここで逃げたら負けやと思う。」

 カズヤは無言で頷き、拳を軽く合わせた。


 その背中を見ながら、ノアは心の中で誓った。

 ――この夏、彼らがこの街を「怖い場所」じゃなく、「帰りたい場所」だと思えるようにしたい。



ノアのノート

•Step Fifteen: Darkness and resolve.

•「世界の影を見せたくはなかった。でも、これが現実だ。だからこそ、彼らと一緒に乗り越えたい。」


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