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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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続編 第11話「週末のシアトル」



マーケットの朝


 週末の朝、ノアたちは港近くの有名なマーケットに足を運んだ。

 カラフルな野菜、スパイス、そして魚を並べた店がずらりと並び、港町組は目を輝かせた。

 「うわぁ……なんか祭りみたいやな!」

 カズヤが笑顔で言い、ミナは花屋の前で立ち止まり「きれい……」と呟いた。


 ジェイデンが得意げに案内する。

 「You gotta try the clam chowder here. Best in the city!」

 スープを口にしたユウタは目を丸くした。

 「……うまっ! なんやこれ、初めての味や!」



観光と驚き


 午後は市内観光。観覧車に乗って海を一望したり、古い本屋を巡ったり。

 ミナが見つけた古い日本語の本を手にして「なんでここにあるんやろ」と不思議そうに眺めると、サラが優しく「People bring memories with them」と説明してくれた。

 その言葉に、ユウタは少し胸が熱くなった。



不穏な影


 夕方、街外れのバス停近くで次のバスを待っていたときだった。

 数人の若者が近づいてきて、にやにやと笑いながら英語で何かを言ってきた。

 何を言われているのか、ユウタたちは完全には理解できない。ただ、空気の重さだけははっきり伝わった。


 「Hey, just ignore them.」

 ノアが小さく囁き、ジェイデンが間に入って低い声で返した。

 「Back off, man. They’re with us.」


 一触即発の空気の中、バスが停まり、全員で乗り込むことができた。

 座席に座ったミナの手が震えているのを見て、ユウタは小さく息を吐いた。

 ――知らない世界の現実を、ほんの少しだけ垣間見た瞬間だった。



静かな夜


 夜、ノアの家の屋上で缶ジュースを手に、ユウタたちは無言で街を見下ろした。

 「……ちょっと怖かったな。」

 カズヤがぼそりと呟くと、ジェイデンが真剣な顔で言った。

 「Not everyone’s friendly. But you’re safe with us. Always.」


 その言葉にユウタは静かに頷いた。

 ――アメリカの明るさも、厳しさも、ちゃんと知って帰ろう。そう心に刻んだ。



ノアのノート

•Step Eleven: First weekend, first lessons.

•「この街の明るさも、影も、彼らに知ってほしい。旅は“本当の世界”を教えてくれる。」


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