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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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続編 第7話「旅立ちの前夜」



 港町の夏は、空も海もどこまでも鮮やかだった。堤防を歩くユウタたちの胸は、期待と緊張でいっぱいだった。

 ――出発まで、あと三日。



準備のドタバタ


 公民館の会議室には、持ち物リストとスーツケースが並んでいた。

 「変換プラグ、入れたか?」

 「パスポート、ちゃんとカバーに入れとけよ!」

 カズヤが慌ててリストをチェックし、ミナは「お土産、何持っていこうかな」と悩んでいる。


 エミ先生が笑いながらアドバイスをくれる。

 「衣類は少なめに。現地で買えばいいんだから。」

 その言葉にユウタは苦笑いしながらも、頭の中で何度も荷物のイメージを組み直した。



町の壮行会


 港の広場には提灯が下がり、町中の人たちが集まっていた。

 「気ぃつけて行ってこいや!」

 「お土産話、楽しみにしてるで!」

 漁師のトシさんが豪快に声をかけ、商店街のおばちゃんたちが手作りのお守りを渡してくれる。


 子どもたちはユウタたちを見上げて、「俺らも大きくなったら行きたい!」と目を輝かせた。

 その光景に胸が熱くなり、ミナは思わず涙ぐんでしまう。



夜の通話


 その夜、シアトルのノアたちとのビデオ通話は、まるでカウントダウンのようだった。

 「Three days, guys! Can you believe it?」

 ジェイデンが叫び、サラが「Don’t forget your documents」と真剣な声で注意する。

 カイは落ち着いた声で、「時差ボケは覚悟しておけよ」と冷静な助言。


 ユウタは画面越しに微笑んだ。

 「もう少しで会えるな。待っててくれよ。」



夜の港で


 壮行会が終わった夜、港の堤防でユウタたちは静かに海を見ていた。

 波音と夏の夜風が、緊張と期待で揺れる心を少しだけ落ち着けてくれる。

 「不安もあるけど……楽しみやな。」

 カズヤのその声に、ミナも頷いた。

 「うん。あっちで、いっぱい見て、いっぱい話そう。」



ノアのノート


 シアトルの夜、ノアは机に向かい、ノートを開いた。

•Step Seven: Almost here.


 ページの隅には、小さく添えた。


「あと少しで、同じ空気を吸える。その瞬間を、何度も夢に見た。」


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