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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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続編 第2話「英語を学ぶ日々」



 夏の陽射しが少しずつ強さを増す港町。堤防の横にある公民館の一室では、放課後になるといつも笑い声が響いていた。

 黒板には、カタカナで書かれた「ハロー」「サンキュー」、そして大きく書かれた「YES!」と「NO!」の文字――港町の“英語教室”が始まったのだ。



最初のレッスン


 講師は、隣町から週一で来てくれる大学生ボランティアのエミさん。

 「今日は自己紹介を練習しましょう。“My name is…” です。」

 子どもたちは一斉に真似する。

 「マイネームイズ…ユウタ!」

 「マイネームイズ…カズヤ!」

 誰かが噛んでしまうたび、部屋が笑いに包まれた。


 ユウタは真剣な顔で発音を繰り返し、カズヤは照れ笑いを浮かべながら練習を続ける。

 ミナはノートにびっしりとカタカナでメモを取り、「次はもっと上手に言えるようになる」と小さく呟いた。



ノアたちとの通話練習


 夜のビデオ通話。

 「Hello, Yuta! How are you today?」

 画面の向こうのジェイデンの大きな声に、ユウタが少し緊張しながら答える。

 「I’m… fine! Thank you! And you?」

 そのぎこちなさに、サラが柔らかく笑い、「Perfect! Good job!」と褒めた。


 カズヤがカタカナ英語で「ナイスチューミーチュー!」と言ってしまい、画面の向こうでジェイデンが大爆笑。「それ、“Nice to meet you”な!」とノアが優しく訂正し、全員で笑い合った。



港町の日常と挑戦


 練習を始めて数週間、子どもたちの間で少しずつ変化が見えてきた。

 朝の堤防で、「Good morning!」と声を掛け合ったり、店先で「Thank you!」と自然に言えるようになったり。

 そんな小さな一歩が、彼らの自信になっていった。



夢への一歩


 ある日の練習の後、ユウタが海を見ながら仲間に言った。

 「俺ら、ちょっとは“通じる”ようになってきたよな。」

 カズヤが笑って答える。

 「この調子なら、アメリカ行ってもビビらへんかもな!」

 その言葉に、ミナも頷いた。

 「もっと練習して、ちゃんと“伝えられる”ようになろう。」



ノアのノート(シアトル側)


 遠いシアトルでノアは夜、ノートを開いていた。

•Step Two: They’re trying, step by step.


 ページの隅には、小さく添えた。


「次の夏、きっと“言葉”を超えた時間が待っている。」


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