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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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第69話「再びひとつに」



 冷たい雨が降るシアトルの午後、ノアたちは企業スポンサーとの二度目の打ち合わせに向かっていた。

 ――疲れと不安。それでも、ここで結果を出さなければならない。



重い空気


 会議室の扉が閉じると、場の空気が一瞬だけ張り詰めた。

 ジェイデンは笑顔を浮かべようとしたが、その声にはわずかに緊張が滲んでいた。

 カイは冷静な声で予算表を説明し、サラが現地での交流計画をスライドに映す。

 イーサンが最後に言葉を重ねた。

 「We’re not asking for charity. We’re offering a chance to build something lasting — between our community and theirs.」


 ノアは深く息を吸い、心の中で港町の夜空を思い浮かべた。

 ――この想いを、伝えなければ。



届いた想い


 会議が終わった後、担当者が穏やかな笑顔で手を差し伸べた。

 「We’ll sponsor your project. Your passion convinced us.」


 一瞬、誰も言葉を失った。次の瞬間、ジェイデンが声を上げた。

 「Yes! We did it!」

 サラは小さく笑い、カイは深く頭を下げた。イーサンは静かに拳を握り、ノアはただ、胸の奥が熱くなるのを感じていた。



仲直り


 その夜、カフェで再び集まったメンバー。

 「I’m sorry. I’ve been… tense.」

 イーサンが頭を下げると、サラも苦笑しながら「私も」と答えた。

 カイは黙って頷き、ジェイデンが肩を叩いた。

 「Hey, that’s what teams are for. We fight, we fix, we move on.」


 ノアは静かに言った。

 「We started this together. And we’ll finish it together. Next summer… we’ll all be there.」



港町への報告


 夜、港町のグループチャットにメッセージを送った。

 > 「We got our first sponsor. One step closer to coming back.」


 ユウタからの返信は、短く、それでも力強かった。

 > 「待ってる。みんなで港に帰ってきて。」



ノートのページ


 机の上でノートを開き、ゆっくりと書き込む。

•Step Sixty-Five: One sponsor. One big step.


 ページの隅には、小さく添えた。


「僕たちはまたひとつになった。この気持ちで、次の夏へ走り続ける。」


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