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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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第68話「すれ違う声」



 冬の訪れが近づくシアトル。冷たい雨が路面を濡らす放課後、ノアたちはまたカフェに集まっていた。テーブルの上には資金集めの記録と、企業との打ち合わせ予定をまとめた書類が山積みになっている。



忙しさの影


 「Next weekend, we’ve got the charity run, right?」

 サラが予定を確認すると、カイが疲れた声で頷いた。

 「そうだ。それに平日はプレゼン資料の修正だ。」

 イーサンは眉間に皺を寄せながらパソコンに打ち込んでいた。

 「And don’t forget the meeting with the school board. We need to lock that down.」


 ジェイデンはソファに倒れ込みながら冗談を言った。

 「Man, this is starting to feel like a second job. Where’s my paycheck?」

 笑いが起きるかと思ったが、誰も返さなかった。空気は重い。



小さな衝突


 資金計画の数字をめぐって、カイとイーサンが声を荒げた。

 「If we cut this event, we lose momentum.」

 「And if we keep pushing, we’ll burn out.」


 サラが間に入ろうとしたが、今度はジェイデンが苛立ちを隠せず、

 「Guys, stop fighting. It’s supposed to be fun.」

 と言った瞬間、空気が完全に凍りついた。



ノアの迷い


 ノアはその場で言葉を失った。

 ――仲間で始めたはずなのに、いつの間にか“チーム”じゃなくなりつつある。

 港町の静かな夜と、ユウタたちの笑顔を思い出しながら、ただノートを握りしめた。



支えてくれる声


 その夜、ユウタからメッセージが届いた。

 > 「元気? 無理してない? こっちは冬祭りの準備してるよ。」


 ノアは短い返信を打った。

 > 「大丈夫。こっちもがんばってる。でも、ちょっと疲れてる。」


 すぐに返事が来た。

 > 「無理するな。みんなで帰ってくる日を待ってるから。」


 その言葉に、胸の奥が少しだけ軽くなった。



ノートのページ


 机に向かい、ノートを開く。

•Step Sixty-Four: Strained, but moving.


 ページの隅には、小さく添えた。


「簡単じゃない。でも、この努力は必ず“あの港町”につながる。」


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