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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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第63話「広がる輪、揺れる声」

秋の気配が少しずつ街を包み込み始めたシアトルの朝。ノアはカフェのカウンター越しに、学校の掲示板に貼られたポスターを見つめていた。そこには、サラがデザインした鮮やかな文字が並んでいる。


「Japan Cultural Exchange – Summer 2026」

「Join us in exploring culture, history, and friendship in Japan!」



広がる反響


 放課後、教室ではざわめきが広がっていた。

 「ノアたち、また日本に行くんだって?」

 「夏に播磨ってとこ行くんだろ?どこそれ?」


 興味津々の声が飛び交う一方で、冷ややかな視線もあった。

 「そんな田舎に行って何すんの?観光なら東京とか京都でしょ?」

 そう言ったのは、成績優秀で自己主張の強いクラスメート――メイソンだった。

 「寄付とか募るんだろ?まるでクラブ旅行じゃん。」

 その一言に、ジェイデンの表情が曇ったが、カイが低い声で制した。

 「黙ってろ、メイソン。これは俺たちにとって大事なことなんだ。」



頼れるサポーター


 ミセス・アンダーソンは放課後の相談室で穏やかな笑顔を浮かべた。

 「Ignore the noise. Projects like this always draw skepticism. But remember — you’re doing something meaningful.」

 彼女は書類を指でトントンと叩き、続けた。

 「School board is interested. If we can show a clear plan and benefits, they’ll support you.」


 その言葉に、サラとカイの表情が少し和らぐ。

 ノアは静かにノートを開き、ページの端に小さく文字を走らせた。



イーサンの決意


 その帰り道、イーサンが追いついてきた。

 「Ignore him, Noah. Mason just likes to hear himself talk.」

 少し間を置いてから、イーサンは続けた。

 「I’m in. 100%. I’ll raise my own money if I have to. I wanna see what you guys saw.」


 その真剣な眼差しに、ノアは小さく笑って頷いた。

 ――仲間が、またひとり増えた。



ノートのページ


 夜、机の上でノートを開く。

•Step Fifty-Nine: The circle grows.


 ページの隅には、小さな文字で添えた。


「批判の声もある。でも、それ以上に“行きたい”と思う仲間が増えている。」



遠い港町からの声


 その夜、ユウタからメッセージが届いた。

 > 「みんな、元気? 冬になったら港に雪が積もるよ。」


 ノアは写真を見つめ、静かに笑った。

 ――あの町に、また帰る。その思いが、心の奥でさらに強くなる。


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