表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/276

第61話「日常と、ざわめき」



 シアトルの街は、夏の終わりを告げる風が吹き始めていた。ノアはいつものカフェでラテを作りながら、ふと手元のキーホルダーに視線を落とした。小野でもらったそろばんのキーホルダーが、光の加減で柔らかく輝く。

 ――あの夏の日々は、まだ心の奥で鮮やかに息づいている。



仲間との再会


 放課後、ジェイデンとサラ、カイがいつもの公園に集まった。

 「Man, I still dream about the fireworks. Boom! Boom!」

 ジェイデンが大げさに身振りを交え、子どものように笑う。

 サラは少し呆れたように笑いながらも、「I miss the food. Takoyaki, yakisoba, even that sweet soda… what was it? Ramune?」と呟く。

 カイは静かに、「もう一度行くなら、もっと長く滞在したい」と言った。


 ノアはノートを開き、夏に書き残したページを見つめながら、「次は“もっと深く”あの町を知りたい」と心の中で思った。



嫌な連中


 そんな穏やかな時間に、水を差す存在が現れた。

 通りかかった上級生の一人が、ジェイデンの持つ浴衣風のトートを見て鼻で笑った。

 「What’s that? Japan trip souvenir? Trying to be some kind of anime hero?」

 取り巻きたちも笑い声をあげる。

 ジェイデンの笑顔が一瞬だけ固まったが、何も言わずに肩をすくめた。


 サラが睨みつけ、「Ignore them. They don’t get it」と低い声で言った。

 カイも静かに一歩前に出たが、ノアは胸の奥でじくじくと怒りを感じながらも、ただ強く拳を握りしめるだけだった。



未来への計画


 夜、部屋に戻ったノアはノートを開いた。

•Step Fifty-Seven: Back to routine. But… a new goal.


 ページの隅には、小さく添えた。


「次の夏は、もっと多くの仲間を連れて行こう」



オンラインの声


 その夜、港町からユウタからのメッセージが届いた。

 > 「元気ですか? こちらは秋祭りの準備です。また来てくださいね。」


 ノアは笑顔で返信する。

 > 「もちろん。また必ず行く。」



波の音を思い出して


 窓の外のシアトルの夜空を見上げる。星は遠く、それでもどこか懐かしい光を放っている。

 ――あの港町の波の音と星空が、心の奥で優しく響い⸻




この第61話では、

•アメリカでの日常に戻った安心感と物足りなさ

•少しの軋轢を生む嫌な上級生という“新しい課題”

•再訪への強い決意と仲間たちの絆

を描きました。


次の第62話では、ノアたちが「次の計画」を本格的に話し合い始め、さらに物語を広げる新キャラクターが登場!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ