第58話「天空の城へ」
まだ空が薄暗い早朝、港町の家の前に車が並んだ。潮の香りの中に、少し冷たい朝の空気。ノアは眠い目をこすりながらも、胸の奥が静かに高鳴るのを感じていた。
「Today… Takeda Castle!」
ユウタの声に、ジェイデンが大あくびをしながら両手を広げる。
「Early… but worth it! Let’s go, dude!」
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山道を進む
車は港町を離れ、田畑の間を抜け、やがて山あいの町へ。
道路沿いには薄い霧が漂い、朝の光に白く揺れている。
「It’s… mystical.」
サラが窓の外を見つめ、静かに呟く。
カイは地図を見ながら、「標高が結構あるな」と低い声で言った。
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山頂へ
駐車場で車を降り、登山道を歩き始める。
「Man… uphill… so hard…」
ジェイデンが汗を拭きながら愚痴をこぼすと、ユウタが笑いながら背中を押した。
「もうすぐ。がんばれ。」
ノアは息を整えながらも、胸の高鳴りが止まらなかった。
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雲海の城
山頂に着いた瞬間、視界が開けた。
霧の海の中に、古い石垣が浮かび上がる。
「Whoa…」
ジェイデンの声が震える。
サラは無言でシャッターを切り、カイはゆっくりと息を吐いた。
ノアは桔梗模様の風呂敷を握りしめ、心の中で呟いた。
「イサム、君もこの景色を見たのかな。」
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静かな時間
石垣の上に座り、霧の海を眺めながら仲間たちは言葉を失っていた。
ただ風の音と鳥の声、そして心臓の鼓動だけが耳に響く。
ジェイデンが小さな声で言った。
「This… is… unreal. Like a dream.」
サラが微笑んで頷いた。
「A dream we’ll remember forever.」
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下山の道で
帰り道、ユウタが笑顔で言った。
「Takeda Castle… special place. People call… sky castle.」
ノアは静かに頷きながら、その言葉を胸に刻んだ。
――空に浮かぶ城。それは、この旅の象徴のように思えた。
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ノートのページ
港町に戻った夜、ノアはノートを開く。
•Step Fifty-Four: Sky castle. Dream and reality.
ページの隅には、小さく添えた。
「この景色を見たからこそ、もう一度ここに帰ってきたいと思う」
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夏の夜の約束
縁側で夜空を見上げ、波の音を聞きながらノアは心の中で呟いた。
「イサム、ありがとう。この旅は、僕たちをもっと強くしてくれた。」




