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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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第57話「白鷺の城」

夏の日差しが白く輝く朝、ノアたちはユウタと港町の仲間たちと一緒に車に乗り込んだ。行き先は――姫路城。

 「Today… history trip. Himeji castle!」

 ユウタの言葉に、ジェイデンが「Castle!? Samurai castle!?」と大興奮する。

 カイは静かに地図を見つめながら、「世界遺産ってやつか」と呟いた。



城下町へ


 城下町に近づくと、道路の両側には古い町家と現代の店が混じり合う独特の風景が広がった。

 サラは窓越しにその景色を撮影しながら、感嘆の声を漏らす。

 「It’s… like stepping back in time.」

 ノアは胸の奥が静かに高鳴るのを感じていた。



白鷺の姿


 駐車場から歩いて数分。視界が開けた瞬間、真っ白な天守が青空を背景にそびえ立っていた。

 「Whoa…」

 仲間たち全員が息を呑む。

 白い壁、反り返る屋根、整然とした石垣――それは絵画の中から抜け出したかのような美しさだった。


 ジェイデンが両手を広げて叫ぶ。

 「Samurai vibe! This is… ultimate Japan power!」

 ユウタが笑いながら、「No samurai now. Only history.」と突っ込み、みんなで笑い合う。



天守閣へ


 急な階段を上りながら、ノアは息を切らしつつも目を輝かせていた。

 上階にたどり着くと、窓の外には播磨平野と瀬戸内海が広がっている。

 「Wow…」

 サラがカメラを構え、カイは無言で景色を見下ろした。

 ノアは静かに桔梗模様の風呂敷を握り、心の中で呟く。

 「イサム、君もこの景色を見たことがあったのかな。」



歴史の重み


 展示室では、城の築城や戦いの歴史を示す資料が並んでいた。

 ノアはユウタに簡単な説明をしてもらいながら、壁の古い文書に目を留めた。

 「This place… so much history.」

 カイの言葉に、サラが静かに頷く。

 「And it’s still alive. Not just in books… it’s here.」



帰り道の会話


 城を後にして車に戻ると、ジェイデンが満面の笑顔で叫んだ。

 「Best. Day. Ever. Samurai castle and… history lesson!」

 ノアは窓の外を眺めながら、小さな声で呟いた。

 「この町、この景色、全部が僕たちの物語の一部なんだ。」



ノートのページ


 夜、港町に戻ったノアはノートを開いた。

•Step Fifty-Three: Himeji Castle. Past meets present.


 ページの隅には、小さな文字で添えた。


「この土地の歴史が、僕を歓迎してくれている」



夏の夜


 縁側で風鈴の音を聞きながら、ノアはゆっくりと目を閉じた。

 白鷺の城が浮かび、その姿が心の奥に刻まれていく。

 「イサム、僕は少しずつ、この町を知っていくよ。」


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