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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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第49話「再会の港」

機体が関西空港に着陸した瞬間、仲間たちから小さな歓声が漏れた。

 「We’re here… JAPAN!」

 ジェイデンが子どものように窓の外を指さす。

 サラは苦笑しながらも、「落ち着いて行動してね」と言いながらパスポートを握りしめている。

 ノアの胸も高鳴っていた――再び、この国に帰ってきたのだ。



空港の出口で


 到着ロビーに出ると、目立つ場所でユウタが手を振っていた。

 「ノア! Welcome back!」

 その声を聞いた瞬間、胸の奥が熱くなる。


 ジェイデンが興奮した声で叫ぶ。

 「Dude! That’s your cousin, right!?」

 「Yeah. That’s Yuta.」

 ノアが答えると、ユウタはぎこちない英語で「Nice to meet you!」と笑顔を見せた。



港町への道


 車に乗り込むと、窓の外には広がる田園と小さな町並み。遠くには海の青が見えて、ノアの心は懐かしさでいっぱいになった。


 「This is… Japan?」

 ジェイデンが目を丸くする。

 「Yeah. This is Japan.」とノアが静かに答えると、サラもカイも窓の外をじっと見つめた。

 ユウタは運転席から、片言の英語で説明を続ける。

 「This… my town. Harima. Good place.」



港での再会


 港に着くと、マサエと近所の人たちが待っていた。

 「ノア、よう帰ってきたなあ!」

 意味は完全には分からないが、笑顔と手を握る温かさで、歓迎の気持ちがはっきり伝わる。


 ジェイデンは何度も頭を下げ、「Thank you! Arigato!」と大声で連呼。

 その無邪気さに、港の人たちから笑い声が起きた。

 サラは少し照れくさそうに微笑みながらも、深く頭を下げる。

 カイは静かに「Thank you」と言い、海の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。



家の縁側で


 再び訪れた縁側。庭の桔梗が夏の日差しを浴びて、鮮やかに揺れていた。

 ノアはスーツケースを置き、桔梗模様の風呂敷を取り出す。

 その布を指でなぞりながら、心の中で小さく呟いた。


 「ただいま、イサム。」



ノートのページ


 夜、静かな客間でノートを開く。

 新しいページに、ゆっくりと書き込む。

•Step Forty-Five: Back to Harima. With friends.


 ページの隅には、小さな文字で添えた。


「今度はひとりじゃない。みんなで歩く旅が、ここから始まる。」



夏の夜


 縁側に座り、夜風に吹かれながら星を見上げる。

 港町の夜は、相変わらず波の音と虫の声に包まれていた。

 その静かな響きが、ノアの心をじんわりと満たしていく。


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