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風の家紋(かぜのかもん)—僕が日本へ向かうまで—  作者: 和泉發仙


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第48話「出発の朝」

シアトルの朝は、少し冷たい霧に包まれていた。バス停までの道を歩きながら、ノアはスーツケースをしっかり握りしめる。胸の奥で高鳴る鼓動は、不安と期待が入り混じったものだった。



空港での再会


 空港のロビーに着くと、すでにジェイデンとカイが待っていた。

 「Broooooo! JAPAN, here we come!」

 ジェイデンは大きな声で叫び、周囲の視線を集める。

 「ちょっと静かにしろって!」とカイが苦笑するが、ノアも笑いをこらえきれない。


 しばらくしてサラが合流。落ち着いた笑顔で「チケットは確認した?」と冷静に段取りを進める姿に、ノアは内心助けられていた。



ゲート前の会話


 出発ゲート前のベンチで、ジェイデンは持参した“サムライTシャツ”を誇らしげに見せびらかしていた。

 「Dude, I’m ready. Ninja. Samurai. Sushi. Everything!」

 サラが呆れた声で「日本の人たちに失礼のないようにね」と釘を刺すが、ジェイデンは「I’m full respect, okay!?」と胸を張る。


 カイは静かにスマホで地図を見ながら、到着後の移動ルートを確認していた。

 「関空から播磨まで、電車で行けるんだよな。」

 ノアは頷きながら答える。

 「そう。ユウタが迎えに来てくれるって。」



機内での時間


 搭乗が始まり、席に着くと緊張が少しずつ解けていった。

 ジェイデンは映画のリストを眺めながら「I’ll watch anime to get ready」と笑い、サラは文庫本を開いて静かにページをめくる。

 ノアは窓の外を見ながら深呼吸をした。


 ――またあの港に帰るんだ。

 胸の奥でその言葉を繰り返しながら、そっと桔梗模様の風呂敷を握りしめた。



ノートのページ


 機内でノートを開き、ペンを走らせた。

•Step Forty-Four: On the way.


 ページの隅には、小さく書き添える。


「旅は続く。ここからが、新しい物語の始まり。」



星空の下で


 機体が夜の雲を抜けた瞬間、窓の外に無数の星が瞬いていた。

 「待っててくれ、播磨。今度は、みんなと一緒に。」

 その言葉を心の奥でそっと呟きながら、ノアは目を閉じた。


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