第47話「旅立ちの準備」
夏の光が街を包む午後。ノアの部屋にはスーツケースが開かれ、服やパスポート、そして大切な桔梗模様の風呂敷が整然と並んでいた。
机の端には、学校の宿題やバイトのシフト表、そして仲間たちとのグループチャットが開かれたスマホが置かれている。
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仲間たちとの最終確認
放課後のカフェに集まったノアたち。テーブルにはノートパソコンと地図が広がり、ジェイデンは興奮気味に声を上げた。
「Bro! I can’t believe it! JAPAN! Sushi! Ninja! Anime! Tempura!」
カイが苦笑しながら肩をすくめた。
「落ち着けよ、まだ荷物も詰めてないだろ。」
サラは冷静にタブレットを操作しながら言った。
「ノア、現地でのスケジュールはまだざっくりでしょ? 港町に行くってことしか決まってないんだから。」
ノアは笑顔で頷いた。
「うん。でも、それだけで十分だよ。あの町のみんなが待っててくれる。」
その言葉に、胸の奥が少し熱くなった。
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両親との時間
夜、リビングで両親と向き合う。
父は短く言った。
「気をつけて行けよ。お前が行く町は、もう“他人の町”じゃないんだろう?」
母は小さな薬のポーチをバッグに入れながら微笑んだ。
「仲間と一緒なら安心ね。でも、体調管理だけはちゃんとして。」
その温かい眼差しに、ノアは「うん、わかった」と小さく頷いた。
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港町からの声
夜遅く、スマホにメッセージが届いた。
> 「港で待っています。みんなで迎えます。」
ユウタからのその短い言葉を見つめながら、ノアは深呼吸をした。
――またあの港に立てる。
でも今回は、ただの“訪問者”じゃない。仲間たちと一緒に帰るんだ。
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ノートのページ
机の上でノートを開き、ペンを走らせた。
•Step Forty-Three: Bags ready. Hearts ready.
ページの隅には、小さな文字で添えた。
「旅は続く。今度は、みんなと一緒に。」
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静かな夜空
窓を開けると、夏の夜の柔らかな風が部屋に流れ込んでくる。
見上げた夜空には、かつて港町で見上げた星座と同じ形が瞬いていた。
「待っててくれ、播磨。もうすぐ帰るから。」




