第39話「帰国の日常」
シアトルの朝は、播磨の港町とは違う冷たい空気だった。家の前の木々は少し色づき始め、秋の訪れを静かに告げている。ノアはリュックからノートを取り出し、机の上に置いた。桔梗模様の風呂敷は、今も旅の温度をそのまま閉じ込めているように感じられた。
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学校に戻る日
登校初日、ジェイデンが廊下で大声を上げた。
「ノア! ジャパン・ボーイ帰還だ!」
周囲が振り返る中、ノアは苦笑いしながら手を振った。
サラは静かに歩み寄り、笑顔でノアを見つめた。
「どうだった? あの町は」
ノアは少し迷ったあと、ゆっくりと答えた。
「Home… it felt like home.」
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放課後のカフェ
放課後、カイたちとカフェに集まった。ノアはスマホの画面を見せながら、播磨で撮った写真を一枚ずつスライドさせた。
港の灯り、神社の鳥居、縁側で笑うユウタ、折り紙を持って笑う子どもたち――。
「すげぇな、映画みたいじゃん!」
ジェイデンが興奮した声をあげる。
「この人、親戚?」とサラが尋ね、ノアは微笑んだ。
「Yeah. My family.」
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ノートのページ
夜、自分の部屋でノートを開く。
新しいページの一番上に、ゆっくりと書き込む。
•Step Thirty-Five: Back home. But changed.
そしてページの隅に、こう添えた。
「旅は終わっても、繋がりは続いている」
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小さな決意
ベッドに横たわりながら、港の夜風と波の音を思い出した。
あの町で過ごした時間、受け取った言葉、そして抱えた誇り――それらが静かに心の奥で輝いている。
「また行く。必ず。今度は、もっと伝えられるようになって。」




