第二十二章・前 集
一昨日の雨が、まだ地面には残っているようで、芝生を踏め閉めるたびに靴にわずかな湿り気がまとわりつく。
「…」
魔法使いは自分の屋敷の玄関をくぐった。ドアを開ける必要はない。元から開いていた。
玄関から伸びている廊下には水を吸った泥が散乱し、それぞれの部屋へ続くドアは中途半端に開け放ってある。
「…通信を一昨日の夜にウチの研究室と行ったのを最後に音信不通です。ウチの奴が、何者かに通信が妨害されるのを聞いてます。本人の言葉で『盗賊に襲われている』という情報も聞いています」
後ろについた『間抜け面』が少し沈んだ口調で報告する。
「自分の傭兵団でも色々調べていますが、まだ何も情報が捕まってないのであります」
トールが槍を片手に玄関を見聞している。
『間抜け面』からの緊急の通信が入って一日。トールと一緒に屋敷に戻り、そこに報告と実況見分を兼ねた『間抜け面』が合流して今に至る。
色々なものが渦巻く思考で、「一昨日」を想定する。
――雨が降っている中で、夜襲を仕掛けられた。ドアを開くと同時に敵の姿を見つけた…。
視線をゆっくり玄関ドアから廊下の奥に動かした。
――あの子ならどうするか。
顎に手をあてて一瞬の思考。
――反応はシラタマの方が早いだろう。行動は彼女の方が早い。
シラタマの声に遅れてあの子が踵を返して逃げる。行った先は…。
――台所は近すぎる。一階はないな。
廊下の突き当りの階段を上って、彼女の私室に逃げ込んだ。
彼女の予想経路を辿るように、廊下を進み、階段をあがる。
「…」
一つ二つ扉が破壊され、廊下には三種類の動物の生首が転がる。戦闘に使ったのだろう。
――部屋の前と、廊下で戦闘をした後、不意打ちを受けて敗北。
彼女を殺しでもしない限り、魔法による抵抗を防げない。
――何等かの魔法妨害が可能な拘束具を点けられて、拉致された。
『間抜け面』からの情報では、拉致・監禁が目的らしい。襲撃者とあの子との会話を、通信で拾った女性研究員が記録していた。強姦や殺害の危険性は排除できる。逆に言えば、犯人は絞られているわけで…。
「改派か」
疑う余地もない。確定だ。
――クソッ。
心の中で吐き捨てて、爪を噛んだ。誘拐の報を聞いてから何度もやった仕草だ。
――なんでこう、あの子は不運を引き寄せてくるんだ。
この事態が起きるヒントはあった。各国が『末裔』をどんな手段を用いても手に入れようとするのはチェザーレから聞いたし、盗賊団が大規模化しているのはハイルディから聞いた。あの子はいつもトラブルに巻き込まれるし、フェルのせいで彼女の戦力的な価値は上がった。チェザーレがあの子の情報を手に入れられるぐらいだ。盗賊団でも時間さえあれば、一度捕まえそこなった『末裔』の子供の居場所を掴むぐらいわけないだろう。
事前に予測し、対策をたてようとすれば出来た。何より歯痒いのは、
――俺が、彼女を一人にしなければ、こんなことにはならなかった。
少々無理にでも彼女を連れていけば、あるいは自分が出かける時期を少しずらせば、襲撃者には遭遇しなかった。遭遇しても、二人で対処することができた。
――いつも、そうだな。
彼女が何かの危機に瀕すのは、決まって自分が彼女から目を離した、コントロールできなくなった時だ。暴漢の時も、戦争の時も、お菓子の家の時も。
ギ、と爪を噛む力が一段と強くなる。
『お姫様』
暴漢に襲われた彼女を助けた時、自分はあの子をそう評した。
――何がお姫様だ。
つかず離れず、ある程度の距離を保ちながら見守る騎士のように――どの口が言うか。
――結局、守れてないだろうが。
ただ、彼女とのごっこ遊びのような恋愛を、平和ボケした頭で楽しんでいただけだった。ただいるだけではいつか失われることは、ヴェルで学んでいたはずだったのに。
――こんなことなら、
彼女をもっと傍に置いておくべきだった。独占しておくべきだった。
勉強、贖罪、義理、体面。そんなものどうでもいい。
彼女と居たい。彼女が欲しい。彼女を己のものにしたい。
自分の欲望に正直に、ただただ求めておくべきだった。
「…どうするでありますか」
葛藤と後悔、そして苛立ちの中にあった自分にそう聞いてきたのはトールだった。
「自分の傭兵団としては、敵方に少しでも戦力増強の可能性があればなるべく排除したいと考えているであります。自分の旗下の小隊であれば、一週間もあれば呼び寄せられます。一月あれば、傭兵団本隊の予備兵力ぐらいは投入できるでしょう。ただ、」
その規模の部隊があれば大抵の組織は相手取ることができるだろう。問題は、
「――場所がわかれば、の話であります」
嫌な緊張が腹を上る。
彼女を見つける一番簡単な手段は、その敵組織の痕跡を追うことだ。
しかし、それにはあまりにも時間が経ちすぎている。
屋敷が襲撃されたのが一昨日の夜。それからもう一と半日経った。徒歩だけで十分ハプスブルク領は抜けられる。馬があれば倍の距離は楽にいける。ドラゴンのような特殊な移動手段を使えば神聖ローマの中央部でいけるだろう。
また、拉致したということは、その集団はそれ相応に山を越える技術は持っていると考えていいだろう。それに加えて、一昨日は雨だった。下の村の目撃情報も期待できないだろう。
つまり、敵がどこに向かったのかもわからないし、その可能性がある範囲は途方もない範囲に及ぶ。
追跡するという方法では無理。なら、別の方向から。
彼女を連れ去ると思しき勢力を片っ端から探していく、という方法だ。
だが、こちらの方がより難題であると言える。なぜなら…
「…なあ、チェザーレ公から何か情報もらってないか?」
「王政府に一応、ドイツ周辺の改派のアングラ系組織の情報を問い合わせましたが…」
『間抜け面』に聞くと、彼は苦い顔で白衣の下から書類を取り出す。
「中規模以上、決まった拠点を持つ組織だけで数十。小さな盗賊団や遊牧系の傭兵集団も含めると百近いです。これらを全て探していくとなると…」
年単位で時間がかかる。仮に達成するとしても、それをやるには国家レベルの取り組みが必要だ。何しろ、戦争を一つ終わらせるのだから。
――そんな時間と手間を掛けていたら…。
少なくとも今は彼女に身体的な危険はないだろう。強姦するにしても、拷問するにしても、トラウマで魔力暴走を起こして彼女を再起不能にする可能性を考えれば、リスクがあまりにも大きすぎる。
しかし、情勢の変化がそれにどう影響を与えるかわからない。説得という名の洗脳の後、敵が自陣営に組み込むことも十分にあり得る。
――…クソッ。
もう一度、その悪態をつく。
手がない。
取れる選択肢は二つ。
頑張る、諦める。
「頑張る」を取るのであれば、人生を賭けて挑まなければならなくなるし、当然助けたところで彼女が無傷であるという保証はない。時間的に考えれば、説得・洗脳された彼女と相対して殺し合いをするのが関の山だろう。
「諦める」は、最悪の手段だ。自分も彼女も、ほぼ全てのものを失う。
取る選択肢は前者で決まっている。だが、取れる手がないのだ。
――どうする、どうすればいい。
頭は動くのに、思考は真っ白。あらゆる計算式が途中で行き詰まる。答えが出ない。
噛んだ爪から血が出始め、冷や汗で肌着がぐちょぐちょになる。
――クソックソックソックソッ!!!
『おい、何うだうだやってんだクソ間抜け!』
――それは、テレパシーだった。
突然、頭の中に呼びかけが送られてくる。酷くイライラとして、だが焦ってはいない。
親しい人間、しかも高位の魔法が使える者。それの送り主は…。
『ハイルディ? …どこ?』
『二階、書斎、窓、突入!』
幼馴染かどうかの問いかけは『はい』を前提に、次の言葉が来た。単語の羅列、だが言わんとすることはわかった。
半開になっていた自室の扉を蹴り開け、窓に近づいて…
「突っ込むっつってんだろバカッ!!」
テレパシーではなく実声で幼馴染の声が来た。そして、窓の外の青い空が人型の紫色に塗りつぶされて――
直後響いたガラスの破砕音。バリンという音を正しく認識する前に、窓の向こうから人が飛び込んできた。誰かはわかっている。
飛び込んできたその人影は、乗っていた箒から空中で飛び降り、その動作の中で自由になった右足を素早く構えて、
「こんッの大バカ野郎ォォ!!!」
その膝蹴りが自分の顔面にクリーンヒットした。
痛みが来た時には自分は宙を舞っていて、無重力を感じたと同時に壁に叩きつけられた。足に力が入らず、そのまま床に座り崩れる。
「ッッッ!?」
痛みに一瞬呼吸が出来なくなるが、それをこらえて顔をあげた。
「てめぇが目ぇ離してからこんな事態になってんだぞバカ!!」
そこには、怒り狂った形相で箒を部屋の隅に放り投げ、拳を構えつつこちらに歩いてくるハイルディの姿があった。
幼馴染の滅多に見ない憤怒の表情に、全身が強張った。
――ああ、これは、確実に怒られる。
『間抜け面』からハイルディに連絡が行ったのは聞いている。それで彼女が怒らないわけがない。そして、それを拒む資格は今の自分にはない。
目と鼻の先にまで来たハイルディは、座った状態だったこちらの襟首を左手でつかみ上げ、彼女の目線の高さまで引き上げる。
そして、空いた方の右手はもちろん拳の形になっていて――
「お前は、ヴェルから何も学ばなかったのかよッ!?」
まず一発。左頬にフックを入れられた。
「舵取りだの守るだの、甘ったれてた結果がこれだぞッ!?」
二発目。鼻に直撃。折れたな。
手加減されているのはわかっている。ハイルディが本気の一割でも出せば、パンチの一発で自分の上半身が爆発消滅する。
「この――間抜けがァァァ!!!」
三発目。顎に来た。怒りの言葉が尽きたのだろう、ただの罵詈雑言になっている。
四つ目が来るかと、痛みに涙で滲む視界をあげたが、しかし来ない。聞こえたのは、嗚咽のような呟き。
「…惚れた女の子ぐらい、最後までちゃんと守りきりなさいよ、バカ」
ごん、と壁に頭が弱くうちつけられた。
ごめん、と言いたかったが、顎が動かず喋れない。母音が口をごもごもと響かせただけだった。
一瞬のあと、視界が今度は金色で満たされる。
「…魔法で回復させる。骨を変な形にさせたくなかったらジッとしてて」
ハイルディの小声が聞こえて、顔の痛みが引いていく。視界もクリアに戻ってきた。
金色の光が収まり、顔をあげる。ハイルディは一つため息をついて襟から手を離した。
「ふー、すっきりした。連絡聞いてからいろいろぶちまけたかったんだよね。ついでにグダグダ結末を先延ばしにしてたのも言いたかったし」
くう、とハイルディは素に戻って伸びをする。先ほどまでとは打って変わって、その纏う空気は軽い。
書斎に少し遅れて入ってきたトールと『間抜け面』が部屋の惨状に一瞬目をしかめたが、部屋に魔女がいるのを見て納得した顔をした。
「…ごめん。取りあえずは、あの子の行方を探さないといけない。ハイルディにも手伝って欲し――」
「一昨日の深夜、国籍不明の竜兵数騎がハプスブルグから神聖ローマに侵入するのを目撃した魔女がいたって。それと、たまたま戦闘で探知系の魔法を使った魔女がいて、それで高位の『末裔』が高々度をドラゴンぐらいの速さでドイツ中央部を移動するのを確認。逆に、そこから北でここ一週間、ずっと砦の防衛に駆り出されてた改派の正規部隊は全く竜を目撃も探知もしてないらしいよ」
流れるようにハイルディの口から出た情報に、その場にいた男三人が目を見開く。
「ドラゴンを確認した場所と、砦の場所は!?」
ハイルディが続いて言った地名で、『間抜け面』が資料をめくる。
「ビンゴです! その間に三つほど、大規模な盗賊団の本拠地が存在しています! そのあたりでドラゴンを出せるような組織は他にはありません!」
その場にいた者の顔がやや明るくなった。少し手がかりが掴めてきている。
他の可能性は、ドラゴンが全くの別物で、陸路で神聖ローマに向かった可能性。そして、敵が別の方面に逃げている可能性だが…。
「――勝手に一人で行くやつがあるか、ハイルディ」
「あ、ごめん。先輩サン、屋敷が近づくにつれてイライラが増しちゃって」
そこに、新たな人物が加わった。
声がした方向は、書斎の扉の方。軽装だが、戦闘服に身を包んだその女性は、
「ドラコ先輩!」
「ここに向かう途中でハイルディに会ってな。そのままついてきた」
彼女はゆっくりと部屋にいる人物を見渡した後、そのままこちらに向き直った。
「私も、少しだが情報を持ってきた」
彼女がそう言ったタイミングで、書斎の扉から弟子二人が入ってきた。フラーレスと、その肩に乗ったルサリィだ。
「神聖ローマとハプスブルグの国境付近で、ここ二、三日の間は旧派と改派の正規軍同士が緊張状態にありました。仮にある程度の部隊がそこを陸路で超えるとなると、普通はどちらかに所属する魔法使いが斥候中に『末裔』の反応を見つけるはずです。もちろん、そんな事態であれば敵の攻撃だと判断して即戦闘が開始されるはずです。ですが、現在の両軍はお互いに睨み合いを続けとるだけです」
「しかも、その緊張状態のお陰で、スイスとバチカンの国境警備は普段より何倍もきつくなってるッス。プロのスパイが一人で潜入するならまだしも、女の子を一人拉致った盗賊が一日で抜けるなんて所業は不可能ッス」
フラーレスとルサリィが交互に説明する。
「これで南と西は絶対にありえなくなったな」
ドラコの言葉に『間抜け面』が少し慌てた。
「あ、言い忘れてたんですが、東側の線ももう――」
そこまで言いかけた時だった。
――轟。
バカでかい破砕音と強い風が、書斎の入り口で会話していた者たち全員を襲った。
ほとんどが戦闘職であったため、風を受けてたたらを踏んだのは研究職である自分と『間抜け面』だけ。
――いきなり、なにが!?
押された勢いを押し返すように、振り向く。書斎の壁側、ハイルディが飛び込んできた割れた窓があるはずの場所を――
そこには、何もなかった。
否、いた。
書斎。その壁は吹き飛び、中庭と青空が綺麗に見える景色。だがしかし、その景色の半分以上は黒に塗りつぶされている。
「すまんな、先生。急いでいて、ファフィの制御ができなかった」
『ぐ、ごぉ…』
そこにいたのは、書斎の壁を半ばまで破壊し、目の回った頭を部屋に突っ込んだ竜型のファフナーと、その背中に乗り、竜人の薄手の戦闘装束に身を包んだリスティナだった。
「黒竜…!?」
「大丈夫。味方だから」
二人とは初対面のトールが身構えたのを制した。ドラコとハイルディもほぼ初対面のはずだが、話に聞いていた分飲み込みは早いのだろう。
「修理費ならあとで払う。言伝をもらってから実家から休まずやってきたものでな」
よ、とリスティナはファフナーから飛び降りる。
「すまない。ファフィ、かなり無理をさせた」
ファフナーの固く黒い顎を撫でたリスティナの声を聴くと、ファフナーの周りに魔法陣が展開された。人への変身魔法だろう。
「ううん。あの子が危険なんだから、なるべく早く来ないといけなかったんだから…」
人型になったファフナーは、ややクマの濃い顔でそう言った後、近くに置いてあった一人用のソファにうずくまり、
「…でも、ちょっと寝させて」
目を瞑った。
ほどなくして、クークーと小さく寝息が聞こえてきた。
その頬をリスティナは優しく撫で、一瞬だが愛おし気な表情をした。
「…先生、情報を仕入れてきた。言ってもいいか?」
その顔を、彼女は凛々しいものに直し、こちらを向き直った。
「アルプスの向こう側に、竜族の長の一人がいてな。そこに一部族の次期当主として情報を聞きに行った」
たしか、『お菓子の家』事件の時、少女を探す際に使った魔力探知で、山脈の反対側に大きな魔力反応があったはずだ。それか。
「竜族の第六感か何かは知らないが、その長は付近の竜の動向をすぐさま感知できる能力を持っているらしい。黒竜はもとより、家畜化された緑竜や赤竜もだ。その認識範囲は、ほぼハプスブルグ全域に及ぶらしい。しかも、飛行する速度、高度から体調なんかもわかるらしい」
そして、その長から聞いた情報とは?
「アルプスのこちら側、この屋敷から少し山奥に入ったところに、四日前の昼頃、六騎の緑竜が降り立った。二日をその周辺で過ごした後、一昨日の深夜、豪雨の中だというのにアルプス越えをした。一度東に向かい、ハプスブルク領内を北東に移動した後、神聖ローマへと向かい、やや西に進路を取りながら北上していったそうだ。そこで長の能力の効果範囲からは外れてしまったらしい。他に飛ぶ竜もいなかったため、記憶に残っていたそうだ」
それと、とリスティナは付け加えた。
「その竜とともに、能力と関係なしにわかるほど莫大な魔力を持つ存在が移動していたそうだ」
これで、あの子がいる場所はほぼ確定した。
その『莫大な魔力を持つ存在』は少女で間違いない。
襲撃者たちは、あの子を拉致した後、北にあった紛争地域を迂回して神聖ローマ内に入り、本来の目的地である西部地域に向かった。
それでも可能性のある組織は三つだが、
「…三つの組織の内、一つは東部にあり、進路から外れます。もう一つは、保有する竜が黒竜二匹のみの、所謂一騎当千型の団体です」
つまり、
「――一つに絞れました」
そう言って顔をあげた『間抜け面』の顔は不敵な笑みを浮かべていた。
よし、と誰かが呟いた。
「目標が決まればあとは話が早い。作戦を練り、全員が回復し次第移動を開始するぞ」
ドラコがそう言い、全員を見渡す。
「移動手段は…テレポートが使えるのが二人か。ハイルディは箒で移動。竜人の娘は竜の子供と一緒にいけるとして…」
「あ、俺は連れて行かなくても大丈夫です。学院の方に戻ってやることもありますし、何より付いて行って役に立てる気がしません」
「なら、そこの傭兵君は私が箒で運ぶね。先輩サンの弟子の子たちは、竜の子に便乗させてもらってもいい?」
「ファフィに他人を乗せるのはあまり気が進まないが、仕方ないだろう」
「有難いのであります。自分の方でも、傭兵団に幾らか情報を流しておくであります」
仲間たちは、ほとんどが初対面であるのに素早く相談をしていく。これが戦闘職の成せる技か。
そして、何かの拍子にハイルディがこちらを向いた。
その顔は、達観と疲れ、決意ややる気のいろんなものを含んでいて――
「大事な人、助けに行くんでしょ?」
その問い掛けに、ああ、と返事をして、
「今度こそ、自分自身の手であの子を取り戻してやる」
戦いの準備へと加わった。
やっとこそさここまで来た感じ
わかりにくいけど、フラーレスは東海寄りの関西弁ね




