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彼女を奪われても何も言わなかった俺、イケメンがクラスで自慢した結果なぜか1軍女子に距離を置かれて孤立した  作者: 白金豪


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第3話 グループの退会

「おい! 都子! これ、どういうことだよ!! 」


 1時間目終了後の休み時間。


 渡辺がスマートフォンを片手に慌てた素振りで前川さんに声を掛ける。

 口調にも動揺が走る。


「…」


 一方、前川さんは渡辺を完全に無視する。

 席に座ってスマートフォンの画面を見つめる。


「お、おい。無視するなよ」


 渡辺は前川さんの前まで移動する。

 不満を口にする。


「…」


 前川さんは無視を貫く。

 視線すら向けない。

 スマートフォンの画面に意識を向け続ける。


「おい! 」


 渡辺は許可なく前川さんの肩を揺らす。


 俺から見ても強引に見えた。


「…なに? 関わらないって言ったよね? 」


 前川さんはスマートフォンから視線を外す。

 鋭い眼光で不機嫌そうに渡辺を睨む。

 明らかに以前までの態度とは異なる。


 席に座って観察する俺でも分かった。


「なに? じゃねえよ! これはどういうことだよ! どうして都子が俺たちの仲のいいメインのグループを抜けてるんだよ! 」


 渡辺は自身のスマートフォンの画面を前川さんに向ける。

 俺には見えないが、おそらく前川さんがメインのグループを退会したメッセージがトークルームに表示されているのだろう。


「渡辺と関わるのやめるから。そのための行動だけど? 」


 前川さんは興味を失ったように渡辺から視線を外す。

 再びスマートフォンに意識を戻す。


「それなんだけどさ。都子、考え直してくれよ。冗談だって言ってくれよ」


 渡辺は前川さんの机に両手を付く。

 前川さんに発言の撤回を求める。


「はぁぁぁ~〜」


 前川さんは1段と不機嫌な表情を浮かべる。

 明らかに怒りのオーラが漂う。

 離れた席に座る俺にも伝わるほどだった。


「考え直さないから。冗談であんなこと絶対に言わないから。本気だから。あと、もう名前呼びやめて」


 前川さんは席から立ち上がる。


 ギ―ッとイスが擦れる音が教室内にやたら響く。


「もう関わりたくないから話しかけて来ないで」


 前川さんはイスを机に仕舞う。

 教室を退出しようとする。


「お、おい、都子。…ちょっと待てよ」


 渡辺は前川さんを呼び止めようとする。

 しかし、届かない。


 前川さんは聞こえているはずだが完全に無視する。

 相手にする気がなさそうだった。

 観察していればよく分かる。


 前川さんは教室を出て行ってしまった。

 クラスメイトたちは前川さんの背中を目で追うことしかできなかった。

 俺もその1人だった。


 ブブッ。


 学生カバンに入った俺のスマートフォンが振動する。

 バイブ音で分かった。


(なんだなんだ)


 俺は教室の時計を確認する。

 休み時間終了まで残り3分。

 まだ時間に余裕はある。


 学生カバンからスマートフォンを取り出す。

 スリープ状態から電源をONにする。


 画面にはメインで友達追加した覚えのない人物からのメッセージの通知が表示されていた。


前川 都子『さっきのやりとり見たよね? 見てたよね? 』


 前川さんから圧力のあるメッセージだった。


 俺は少なからず恐怖を感じながらも、リストのような前川さんからのメッセージの通知を指で触れて、トークルームにアクセスする。


 返信をするために。

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