第21話 クラスメイトから自炊代行者へ
「そろそろコンビニでなにか買ってこようかな」
時刻は18時。
俺は自分の部屋のベッドから起き上がる。
床に足を付き、部屋の中を進む。
クローゼットを開き、無地の白のTシャツとベージュのチノパンを取り出す。
部屋着のスウェットを脱いでクローゼットから取り出した服に着替える。
財布とスマートフォンをチノパンの左右のポケットに仕舞う。
自分の部屋を後にする。
階段を降りて1階の玄関に足を踏み入れる。
スニーカーに両足を突っ込む。
自宅のドアを開けて外に出る。
セキュリティのためカギを施錠する。
「あ! 大江君!! どうしたの? これから外出? 」
なぜか前川さんの姿があった。
時刻も18時を過ぎてることもあり、制服ではなく私服姿だった。
白のブラウスに青のジーンズのショートパンツを履いていた。
白くてきれいな生足が露わになっていた。
普段は制服のスカートと組み合わせてニーハイソックスを履いているため、前川さんの生足が見られるのは新鮮だ。
普段と雰囲気が違って思わず何度かチラ見てしまう。
それにしても俺の自宅の前になぜ?
俺、場所を教えた記憶がないんだが。
「そうだよ。ちょっと夕食の調達に行こうと思って」
俺は外出の理由を伝える。
「大江君、もしかして夕食をコンビニ弁当で済ませようとしてない? 」
前川さんが首を傾けて尋ねる。
「え!? そ、そうだけど…」
俺は夕食の内容を当てられドキッとする。
どうして分かったんだ?
夕食の内容については話した覚えもないし、先程からコンビニや弁当などの言葉を使っていない。
なぜだ?
もしかしてエスパー使い?
「大江君、学食を利用してるみたいだし、クラスの教室での昼食もコンビニ弁当だから。もしかしてと思って」
前川さんがニコッと笑みを浮かべる。
俺の驚いた反応を見て嬉しそうだった。
「うち、両親が海外に仕事に行ってて1人暮らしみたいなものなんだ。それで自炊も全くできないから必然と学食、コンビニ弁当、インスタント食品になってしまってる。健康にはよくないんだけどね」
俺は苦笑いを浮かべる。
これが俺の生活の悩みでもある。
高校入学の直前に父親の海外転勤が決まり、母親も同伴でついて行く形となった。
それから家事はギリギリできているが、自炊が全くできていなかった。
それが今でも継続している。
1年生から継続しているため、既に1年間はこの生活で過ごしている。
いつ栄養不足で健康が損なわれるか不安はある。
「それは大変だね。自炊ができなかったら、外で買うようになっちゃうよね。健康面にも不安を感じちゃうのも無理ないよ 」
前川さんは首を何度も縦に振って共感してくれる。
「そうなんだよ。だから困ってて」
俺の口から大きな溜め息が漏れる。
「それじゃあ、私に任せてよ! 」
前川さんは自信満々に胸を張り、拳で軽く叩いた。
豊満な胸が私服のブラウスでも、さらに強調される。
「任せるって、なにをかな? 」
俺は不明点を尋ねる。
「私が大江君の悩みや不安を取り除くために、今日からご飯を作ってあげるよ! 」
前川さんは俺の疑問に回答する。
「いや、流石に悪いよ」
俺は遠慮する。やんわりと断る。
「そんなこと言わずにさ。私に任しちゃいなよ! 料理は人並みにはできるんだ〜。ささっ、一緒に今からスーパーに買い物行こ」




