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彼女を奪われても何も言わなかった俺、イケメンがクラスで自慢した結果なぜか1軍女子に距離を置かれて孤立した  作者: 白金豪


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第20話 聞くんじゃダメ、察しないと

(前川 都子視点)


 大江君は、もし私にお礼でなにかして貰えるならなにを求めるんだろう?


 私は教室に戻りながら顎に手を当てる。


 直接聞いてみる?


 ううん、ダメ。

 大江君は遠慮して絶対に本当のことを言わないと思う。


 いい方法はないかな?


 私は首を傾ける。

 しばらく、その体勢を続ける。


 考えても結論は出なさそう。

 学校内の大江君を観察して困ったり悩んでそうなことを発見しないと。


 聞くんじゃだめ。察しないと。



☆☆☆



 2時間目終了後の休み時間。


 私はいつも通りに自分の席に座ってスマートフォンを操作する。

 しかし、意識はスマートフォンに向いてない。

 注意深く大江君を観察する。


 一方、観察対象の大江君も自分の席に座る。

 3時間目の授業の教科書やノートを準備していた。

 終えると背筋を伸ばして姿勢を整える。

 動く気配がなかった。


 そのまま、なんの収穫もなく休み時間が終了するのだった。



☆☆☆



 次の3時間目終了後の休み時間。


 私は大江君の観察を継続する。


 大江君は次の授業の準備を終えると席から立ち上がった。

 教室を退出して廊下に出る。


 私も遅れて席から立ち上がる。

 大江君を追う形で教室を後にする。


 大江君は廊下を進んで階段を降りる。

 私もバレないように追う。


 ふふふっ。逃がさないよ大江君。


 しばらく階段を降り続ける。

 いつの間にか1階に到着していた。


 そのまま一定のスピードで進む大江君。


 私は気配と足音を消して時折、物陰に隠れながら追跡する。


 大江君は校舎から少し離れた食堂の建物に入って行く。


 食堂? どうして?


 私の頭に疑問が浮かぶ。

 

 過去の記憶を辿れば、大江君が教室内で昼食を取っているところをほとんど見たことがなかった。

 たまに食べてる時もコンビニ弁当だったりする。


 弁当箱を持って来ている姿など目にしたことがない。


 もしかして弁当が用意できない理由がある?

 それとも弁当が苦手なのかな?


 私は謎を解明するために外から食堂の中を覗き込む。


 中には自動券売機の前で立ち止まり、メニューに悩む大江君の姿があった。


 やっぱり食堂に足を運んだのは、今日の昼食のための食券を買うためだったんだ。


 教室で昼食を滅多に食べない。

 食べてもコンビニ弁当。

 普段は食堂を利用してる感じなのかな。


 もしかして、ここに大江君の求めるヒントがあるかも。


 2時間目の休み時間から考えていた問題に光が差し込む。


 これはチャンスかも。

 

 放課後の夕方の18時以降に探りを入れてみようかな。

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