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エリオット教編7・ギラの決断

 ロゼッタの秘術はフレグランスと名付けた槍で、元々は香り、嗅覚から敵を操るだけであったが、より強くしようと思い槍を強化し始めたために、いろいろと中途半端になってしまった。

 が、それでも匂いだけで鎧を倒すことは出来た。

 ぐーすか眠る数人の鎧を放置し、ロゼッタは鎧は外し仮面はつけて無事リースの元まで辿り着いた。

「ちょっとあんた、大丈夫!?」

 槍の切っ先でちょんちょんと顔を突っつくが、赤く大きく腫れた顔は見るだけで痛ましい。

 それでも整った顔立ちをロゼッタに感じさせるほどだから、リースの寝姿は本当に優雅なものである。

 牢獄のようだが、近くにはアリスやコントンもいる。ロゼッタは彼らを知らないから魔族としか見られないが。

 まだ戦争のことを知らないロゼッタは、この場に更に大量の捕虜が来ると知らない。

 それでもロゼッタはとかく急いだ。ノルド様のためである。

「ちょっと起きなさいよ! このロゼッタ様が直々に起こしてやってるのに起きないなんてどういうこと!?」

 小声ながら悪態をつくと、リースはようやくむにゃむにゃする。

「ん……ローズ仮面か。私はいったい……」

「んなこといいから、早く逃げるわよ!」

 既にロゼッタが鍵を外しているため、リースは動ける。

 そしてリースは見つけた。

「待てローズ仮面よ! あれはアリスだ! それにあの魔族は確か……」

 言われてロゼッタはうげっ、と変な声を漏らしたが、渋々起こし、アリスとコントンも解放した。


「助かったぜリースちゃん、でも、どうしてこんなところに……」

「ノルド殿に助けを求められたのでな」

「んなんだって!? あの馬鹿、なんでよりによってリースちゃんに力を借りようなんて……ってコントンがいるじゃねえか!」

「何でもいいから早く逃げるわよ! いつ人が来るかなんてわからないんだから!」

 ロゼッタがとかく急かし、兄弟喧嘩が始まりつつも四人揃ってそこを出る。

 ただ、三人とも手負いなのであまり急げない。

 コントンとアリスなど二人とも右腕の骨が折れている。

 加えてリースの体は満身創痍も同然、気丈に振舞うが、戦えないのは自明の理。

 なによりもロゼッタはエリオット教の鎧を着ていたために侵入できたが、コントンの巨体が鎧に入らないため、アリスとリースもそれを着ない。

 着てない三人に代わってロゼッタは斥候の役割は果たし辺りを見渡すが、どこもかしこも鎧だらけで進めない。

「どうすんのよ! これじゃノルド様助けに行けないじゃない!!」

「だから俺なんて気にせず……うぐぅ」

「ローズ仮面、私のことを気にしないでも大丈夫だ……くっ」

 アリスとリースは曲がりなりにも他人を気遣うが、コントンだけはそうじゃない。

「私が……私がこんなところで死ぬわけがないんだ……」

 だがなんにせよ三人ともを放っといて行くわ、なんて言える空気ではない。

「……こうなったらヤケクソよ、ヤケクソ作戦」

 奇抜で常識外れな作戦だが、窮地に至った今はそれが最も合理的である。

 アリスとリースにも鎧を着せて。

「ま、まさか私を見捨てるなど……」

 と怯えるコントンにロゼッタはフレグランスをぶつけた。

「違うわよ! ちょっと動かないでね」

 フレグランスから出る黄色い花粉を、塗りたくる。

 黄金の鎧、っぽい。

「じゃ、行くわよ」

「いやいやいや、名前の知らないお嬢さん、そりゃ無理があるってんだろ!」

 アリスが的確なツッコミ、しかしこれに反論が出る。

「いや、黙っていれば気がつかない……と思うぞ」

 リースの頼りない一言に圧され、仕方なく四人は平然と歩いてみた。

 運搬する物資の箱に入れて隠してしまうとかマシな手段は他にあるだろうに、どうにもおつむの弱い集団であった。

 結果。

「おいお前ら、なんだそれは?」

 よりによって飛行船の手前で止められた。

「……なんだ、とは何がでしょう?」

 ロゼッタが平然と尋ね返す。

「何が、って、それだよ、それ、そのデカイ変な鎧の奴、それ何?」

 やはり駄目である。

 もはや手遅れ、が、ロゼッタは背筋に冷たいものを感じながらも呟く。

「これは、内密にしていただきたいのですが、教主様が新たに開発したという兵器なのです、かの大陸の魔女ごと敵を屠るために投入するとお聞きしました」

「なんと! そうであったか……だがそんな話は聞いていないぞ?」

「ええ、特務であり、機密なので……」

 口からでまかせがあふれ出す、これほどロゼッタが自身の才能を感じた日はない。

「ふむ……そういえば」

 男は突然話を変える。

「ノルド・カーンという男がギラ様と戦っていたそうだ」

 一瞬驚愕し顔まで大きく歪むが、鎧に隠れて分からない。

「はぁ、すぐに降りたのでよく知りませんが……どうなったんです?」

「死んだよ。異端審問にかけることもなく」

「馬鹿な!」

 リースからついに、言葉が漏れた。

「やはり貴様ら……」

 兜を外したアリスの口からナイフが飛び出す。

 綺麗に男の兜の中に入り、そいつはそれでもう(しま)い。

 だが、それを見ている鎧が数十以上。

「そ、そんな……ノルド様……」

 ロゼッタは呆然と呟くが、それを気遣ってくれる人間はこの場にいない。

「悔しいが、今はそれどころではない!」

「こんな作戦、最初から無謀ですよ……」

 リースも鎧を脱ぎ、コントンはその背に背を合わせた。

「ローズ仮面、主も戦いを……」

「分かってるわよ!! 恋ってほどじゃなくても憧れてたんだから! このロゼッタ様が本気を出すんだから精々あなたたちも頑張りなさいよね!!」

 もうローズ仮面ではない、堂々と、毅然と、ロゼッタは花の槍を構えた。

 満身創痍の三人に一人の女性がそれぞれ四面に向かう。

「……勝てる?」

 不安からロゼッタが声をかけると、三人はめいめい言う。

「弓折れ矢尽きるまで戦ってみせよう!」

「へっへっ、骨折れてコインが尽きてんだが……ま死ぬまで戦おう」

「私も骨が折れてるんですけどねぇ……はぁ」

 なんとも頼りない返事が返ってきて、一層不安になる。

「う、ううう、フレグランス!!」

「銀装!!」

 場所はエリオット教本部の空港!

 コントン・アリス・リース・ロゼッタの四人の周りに鎧の信徒が百以上!

 もう十メートルもない地点に飛行船はあるが、その中にも鎧の集団がいる!

 掛け声に掛け声が重なり、周りの鎧は一斉に鎖を放つ!

「悪射炎擂!!」

 弾く鎖と弾けあい、炎の弾は敵の攻撃を弾き続ける。

 だがフレグランスは違う、近接の武器が鎖の魔法に弾かれバランスを崩すと、それを持っている本人まで体勢が崩れる!

 四面のロゼッタがいきなり崩れ、後ろのアリスの方まで吹き飛ぶ。

 だが既にコントンも弾かれ、その後ろのリースまで弾き飛ばされていた。

 かろうじてリースが態勢を整え、皆に声をかける。

「皆! 大丈夫か!?」

 見て分かるとおりに大丈夫じゃなく、既に三人とも鎖が巻かれ、囚われつつある。

 炎を撃つリースならば体の負担はあれど敵から距離を取れる。しかし疲労が甚だしい。

 だがリースは戦い続ける。

「おいお前、こいつらがどうなってもいいのか!?」

 不意にそんな声が飛んだ。

 見れば一人の兵が鎖でロゼッタの首を絞めようとしている。

「火華馬猛! 破我納火!」

 リースが即座にそこまで行くと、その鎧を吹き飛ばす。

「人質など、下衆な奴ら……!」

「もう諦めろ、全員死刑になるぞ!」

「貴様ら悪に屈するくらいなら……刑で死ぬなら……戦いの中で死ぬほうがマシだ!」

 リースは一つの怯えも見せず、啖呵を切って見せる。

「待て、銀仮面」

 その雑踏の中、厳かな声が聞こえた。

 鎧が道を空けると、また一人の鎧が歩き来る。

 リースはその空気、威圧感に覚えがある。

「主は……ギラか? こんな掃き溜めのボスをしているとは、興ざめだな」

 どんな逆境にいても、リースは完全にギラを卑下するように、鼻で笑い、蔑んだ。

 ギラはそれには答えなかった。

「どちらがアリスだ?」

「ふん、捕虜の正体も調べぬのか。魔族と一括りに考える。そうして異端審問とやらも何も考えずに行ってきたのだろう?」

 ギラはしばらく黙っていたまま、尋ねる。

「教えてくれ」

 きっと黙っていた間は沈痛な面持ちをしていたのだろう、言葉をしかと受け止めていたのだろう。

 リースはそう考える、そう信じたかったという気持ちの方が強かったのかもしれない。

「その茶色い方だ」

 言葉にギラは品定めをするようにアリスの方へ体を向け、ふと一言言う。

「貴様は今、何を望む? 我々にどうして欲しい?」

 アリスはぼーっと考えてから、一つ言う。

「そうですね、我々四人を安全なところまで運んで、そのまま放っといてくれりゃ満足です」

 それだけでギラは何か考えたようだが、もう一言。

「もし一人だけといえば、どうする?」

「リースちゃんをお願いします」

 アリスが即答すると、コントンがどんとアリスを蹴る、で、アリスはコントンを蹴り返した。

 ギラはリースの名前に聞き覚えがないが、例の銀仮面がアリスに返事をしたのですぐに分かった。

「なぜ私なのだ? 主で構わんだろう」

「いえいえ、あっしは既に二度死んだ身。あっしを生き返らせてくれたリースちゃんのためなら命だって惜しくはありやせんよ」

「この糞兄貴は、弟を助けるなど、考えないのですか!?」

「るっせ、てめえが俺を家から追い出したんだろうがよ。てめえは俺と一緒に死ね!」

「ちょ、ちょっと待ってよ! 私はどうなるの!?」

「ふむ、死ぬかもしれんな」

 悲痛なロゼッタの叫びに、リースは包み隠さず言う。

「嫌よ、こんなところで死んでたまるもんですか!」

「そうだそうだ! 私はリーンエッジ家の跡取りとしてこんな寂れたところで……」

 そこにあるのは、まさしく魔族と人の異なる姿。

 互いの命を重視しあう正しき二種と、自身の利益しか考えぬ悪しき二種。

 ギラは何も分からなくなった、何が正しく、何が間違っているのか。

「ギラ様、早く奴らを捕えましょう」

 ギラは無言で、頷きも首を振りもしなかった。

「ギラ、何をしているのかしら?」

 現れたのはウラヌス、もう一人の神聖大隊長。

「あらあら、捕虜が逃げ出したようね。なんで一人捕まってないのかしら?」

 優雅な雰囲気でムゲンチェーン劣化第一番を出すウラヌスに、ギラは問いかけた。

「ウラヌス、本当にこれでいいのだろうか。我々は正義のために戦っているのだろうか?」

「考えても仕方ないし、行動しても仕方ないって行ったでしょ? 早く捕まえて処刑、いい?」

 そう言うとウラヌスは鎖をリースに巻きつけようとするが、それは悪射炎擂で弾いた。

「……おとなしくしないと、酷いわよ?」

 歯向かわれたウラヌスの言葉に棘が混じるが、リースは笑って返す。

「ふっ、死して屍拾う者ありだ、悔いはない」

「……ギラ、良い?」

「駄目に決まっているだろう! そんな無益な争いは……」

「もう知らないわ! あの男のように絞め殺してあげる!」

 鎖を振るうウラヌス、炎と銀を纏うリース。

 そしてその言葉にロゼッタが強く反応した。

 だが今は歯軋りしか出来ない。

 場所は同じくエリオット教本部の空港!

 人数はギラとウラヌスが増え、観客が増えたのみ!

 ウラヌスとリースが対面し、再びリースが鎖を振るう!

「ムゲンチェーン!! 巻きつけっ!」

 しかし今度のリースは違う、肘から銀の長い棒を出し、敢えてチェーンに巻かせる。

 そしてその方の腕を思い切り引っ張り、チェーンを持っているウラヌスを引っ張ろうとする。

 だが、ウラヌスの鎖は無制限に伸び、ただ鎖が垂れるだけの結果となった。

「ムゲンって言ってるでしょ? 馬鹿ねぇ」

 銀の棒はバキバキと音を立てて割れた。締め付けにより銀が折れたのだ。

 だが、そのリースの足は既に火が灯っていた。

「火華馬猛!」

 一気に距離を詰め、今度は拳に火が灯る。

「破我納火!」

 だが、横薙ぎの鎖が思い切りリースの体を弾こうとする!

 それはなんとかしゃがんでかわすことが出来たが、攻撃が出来ない。

 鎖が長すぎるのだ、ぶんぶんと振り回すだけで打撃程度しか出来ないリースの攻撃手段のほとんどが使えなくなる。

 これぞムゲンの名を持つ力、鎖をオーラのように纏う神聖大隊長に近距離戦など本来無謀の極み!

 だが、逆に守るだけでは戦えず、リースの力ならば鎖にかかる二種の魔法を打ち消せる。

 このままでは堂々巡り、長期戦になると予測できたが。

「何してるの? あなたたちも手伝いなさい」

 ウラヌスの声に反応し、周りの鎧から声が漏れる。

「別に私は一対一なんて望んでないわ、敵を捕まえるだけ」

 あまりに冷淡、しかし戦にして常識的な結論、リースはそれにも応える。

「ふっ、それもまたよかろう」

 余裕あるように言うが、既に汗だらけで、体に灯る炎も弱弱しい。

「…………違う」

 ギラが呟いた。

「俺の、俺が求めていた、俺があるべき正義はこんなものではないッ!!」

「何を言っているのかしら、ギラ?」

「ムゲンチェーン……つまり」

 鎖を纏ったギラが、リース達と信徒の鎖の間に割って入る。

「こういうことだ!」

 鎖を全身に巻いたタックルで信徒たちを吹き飛ばし、三人の拘束を解いた。

 ギラが裏切った、その動揺は果てしなく大きい。

 そもそも十人の神聖大隊長で最強なのはギラなのだ。それが裏切っては戦力のダウンが大きすぎる。

「ギラ! こんなことして平気だと思っているの!?」

「……不思議だが、こうしていると妙に安心する。平常心を俺はやっと取り戻した」

 ウラヌスが絶句し、リースだけが呟く。

「ギラ……主は真の武人であったか」

 体に鎖が巻き付いていき、構えを取るギラ。

 その姿だけで周りの鎧は萎縮し、距離を開ける。

「あなたたち何をビビッているの!? 相手はたった五人、しかも戦えるのは僅か二人よ!?」

 だが、誰も動こうとしなかった。

「飛行船に乗ろう、運転手は脅す」

 過激な発言ながら、ギラの言葉に反対する者はおらず、むしろリースが賛成した。

「うむ、今はそれしかない」

 悠然と五人は歩く。

 所詮悪の撃滅よりも、台風が去るのを待つ主義の者しかその場にはいなかった。


 リースが監禁されていたころ。

 死屍累々の空港にてエレノンとシズヤが辿り着くとほぼ同時。

 そこでようやく校長たちがシズヤとエレノンを発見した。

「シズヤさん! 連絡が取れないと思ったらこんなところに……」

「あ、先生。どうしたんですか、なんだか物々しいですけど……」

「連絡が行き届いてないんですね? この大陸とエリオット教が戦争になりました。我々は軍隊として南へと歩を進めていたところです」

 しかしシズヤとエレノンは既に空港に行って、神聖大隊長を二人殺したところであった。

 だがそれに気付かず、二人はイツキ達と合流した。

「結局、どっちのルートもこうなる運命か」

 イツキがどこかほっとしたように吐息をついた。

 そうは言っても一日休んでからのイツキ達に比べ、シズヤ達は寝ずに戦いに明け暮れていた。安堵するイツキはそれに気付かないが。

「でも、リースさんはどこに行ったんですかね? アリスさんを助けるっていう名目で南に進んだと言うですが、どうして南に……」

「……確かに。ジョンズの会社は第三のとこ、飛行機で行った?」

「だったらエリオット教と鉢合わせしてるだろうね。そして戦って……捕まった?」

 シズヤの一言に、四人が妙な胸騒ぎを覚える。

「一番それっぽい、っていうかそれでしょ!」

「イツキさん、リースさんがそんな簡単に捕まりますかね?」

「……幹部もいた。シズヤが居たから私は平気だけど……一人じゃ……」

 エレノンが諦念めいたものを含めて言う。リースは未熟というほどではないが、最強でもないのだ。

「じゃ、これからどうする?」

 イツキの言葉に、シズヤが真っ先に答える。

「助けに行くよ。エリオット教の本部でも」

 エリオット教の聖教大陸はかなり近くで、シズヤなら寝ずに飛行するのも不可能ではない。

 それでも、ほぼ一日歩き通し、体力の限界は近いだろう。

 それに合わせ、エレノンが素早く答える。

「さすがに、そこまで血祭りにあげるのは駄目……」

 もう散々見てきた惨劇に、エレノンは辟易して言う。

 ネロとイツキは短い言葉からいろいろ推測して、追及はせずに話を進める。

「でも、実際に本拠地である聖エリオット大陸に行かないと助けには行けないわ。異端審問まで厳正な審議があるといっても、実際にそれが行われるかどうかは謎だし」

「でも飛行船なんてありますかね? 神聖大陸に行く飛行船は、敵の飛行船しかなさそうですよ」

 うーん、と三人が悩み、シズヤが答えを出す。

「私、飛んでいくよ。能力で出来るから」

「それじゃシズヤさん一人じゃないですか! 一人じゃいくらなんでも……」

 とネロは止めようとするが、エレノンはもはや勧めるほど。

「……シズヤなら逃げるのも簡単、斥候とか遊撃って感じで……」

 イツキも強さをよくわかってるゆえに上手く言葉に出来ないが、それでもやはりは止めた。

「シズヤは一年の宝だから、最強を一人で行かせるのはちょっと、駄目じゃない?」

 延々と相談を続ける。

 するとそこでシズヤがあるものを見つけ、別案を提示する。

「イツキちゃん、アレを奪うっていうのはどうだろう?」

 イツキが遠めに浮いている飛空挺を目ざとく発見し、推敲した。

「ちょっと無茶があるけど、運転する人を見つけて捕まえれば無理じゃないはず。結構自分一番な人が多いみたいだし」

 エリオット教の悪い噂は年々増えている、故のイツキの鋭い言葉は事実である。

 それを聞くや否や、シズヤは風を纏い猛スピードで避難する飛空挺を追った。

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