アメリとリゼ 2
「それにしてもお前達。 三人でマキナを二体相手したのかい?」
「はい! 二体とも仕留めました!」
ユールの言葉にアメリは驚いた。
「仕留めた? …まだ武器も十分に扱えない、ひよっこだと思ってたが改めなきゃならないねぇ」
くつくつと笑いながらアメリは言った。
「エミルも戦ったのか?」
「はい! 一体は私がとどめを刺したんですよ! 槍でこう…コアを壊しました!」
「凄いな、よくやった」
「はい!」
ジェスチャーをして答えるエミルにリゼは微笑みながら頭をなでた。
「もう一体はユールが一人で倒したんですけどね」
「ええ、ユールったらハイドさんみたいな動きで…」
ジグとエミルは続けて言った。
「…一人で?」
「自分でもよく覚えてないんですけど…。 エミルにマキナが飛びかかって、助けなきゃって思って…」
ユールは、その時を思い出そうとするが、あまり覚えてなく言葉に詰まる。
「ふん…? 土壇場で頭が冴えでもしたのかね…。 なんにせよ無事だったんだ、細かいことは良いじゃないか! ユール、お前の才能かもしれないしねぇ?」
「本当ですか!?」
「あっははは、調子に乗るんじゃないよ! 物にできるかどうかはお前の鍛錬次第だ!」
「はい! 精進します!」
アメリの言葉にユールは調子づいて返事をした。
「さあ、グラントに帰ろうじゃないか? 物資は何が足りない?」
「ああ、ちょっと待ってくれ。 今ギリムがまとめて報告しに来るはずだ」
そう言って二人は船内へ続く扉の方を見た。
その後、すぐにギリムが扉を開けて走ってくる。
「船長! 纏め終わりましたよ…げっ!」
ダグラに紙を渡そうとしたギリムは奥にいるアメリを見て驚いた。
「おや、ギリム。 人の顔を見てなんて顔してるんだい? まるで狩人に睨まれた動物みたいな声を出して」
「い、いや、そんな声は出してないです! 船長!」
ユールと同じくしごかれた思い出のあるギリムもアメリは苦手だった。
「それよりもこれ! 必要なものを纏めてきました!」
「はいよ。 …ふん? 船には大して損害はないみたいだね?」
ギリムはびしっと直立しながら紙を渡す。
受け取ったアメリは書かれている内容に船の補修材料が少ない事に気づき、そう言った。
「ああ、ネルレイズ自体は砲撃で近づかれるまでの時間を稼げたしな。 船内に侵入してきたマキナも早くに討伐できたのが大きい」
「あっははは。 優秀なクルーじゃないか! 物資はすぐに持って来させる。 ちょっと待ってな」
ダグラは海上に浮いているネルレイズの方に一度目を向けて言った。
アメリはそれを褒めながら別の船員に紙を渡し、自分の船に届けさせた。
「それじゃあ、帰りのルートだが…」
「ああ、それなら一度部屋に入ってから話そう。 ずっと立ち話じゃなんだしな」
ダグラはアメリに提案した。
「そうさね。 リゼ! あんたはどうする?」
「私も…。 いえ、もう少しここに居ても良いでしょうか?」
アメリは振り返りリゼに聞いた。
リゼは返事をしようとするが、寂しそうな顔をするエミルを見て笑いながら言い直した。
「わかった。 エミルの相手してやんな!」
そう笑いながら言うアメリにエミルは赤面した。
「よし、お前ら! 船の補修材が届き次第、作業開始だ! 応急処置で良い、後は帰ったらやるからな。 その他の物資は中に運べ!」
「はい!」
ダグラは船員にそう指示して船内に入っていった。




