マキナ 3
ユールは崩れ落ちたマキナをじっと見つめている。
「…ユール?」
そう呼びかけられてユールはハッとした。
「…ジグ? あっ、エミルは!? 無事か!?」
「あ、ああ。 ほら、お前のお蔭で無事だ」
そう叫ぶユールに、エミルを見ながらジグは言った。
「良かった…」
「 …それよりもお前は大丈夫なのか?」
「ハイドさんみたいな動きしてたわよ? ほんとに何ともないの?」
安堵するユールに逆に二人は心配して声をかけた。
「…ああ、必死で…、自分でも何をしたかよく覚えてないんだ…」
「はは。 なんだそれは…だがお蔭で助かった」
「そうね、助かったわ。 ありがとう」
思い出しながら言うユールにジグは笑いながら、エミルは少し照れながら感謝した。
「ねえ、それ。 なに?」
「うん?」
エミルはユールの手を指差して言った。
その手には赤く輝く小さなコアが握られていた。
「あれ? こんなのいつの間に…。 さっき鉱石運ぶときに持ってきちゃったかな…」
「赤い…コアか? 初めて見たな」
そう話し合っている三人に奥から声がかかった。
「ユール!ジグ!エミル! 無事か!?」
バン、と音を立てて扉を開きながらハイドが出てきた。
「ハイドさん!」
「音が聞こえたからな、大丈夫だったか?」
ハイドは、そういって部屋の一角に目を向ける。
そこには停止したマキナが二体転がっていた。
「マキナが来たのか…。 すまん! すぐ駆けつけてやれなかった」
「いえ、ハイドさんは砲撃があったでしょう。 こっちに構っていたら船が危険になります。 …それに俺たちで対処もできましたし」
謝るハイドにジグはそう答えた。
「あれ? そういえば砲撃は良いんですか?ハイドさん」
「ああ、増援が来た。 もう大丈夫だ。 今はネルレイズの注意を引きつけてくれてる。 すぐ終わるだろう」
ユールの質問にハイドは答えた。
言われた三人は、いつの間にか船からの砲撃音がやんでいることに気づいた。
「そういえば音がしないわね」
「ああ、夢中で気づかなかったな…」
ハッとして二人は納得した。
「しかし、お前ら。 マキナを仕留めるとはな…。 よくやった、誇っていい」
「はい、今度本格的に教えて下さい」
「おう、任せろ。 みっちりしごいてやる」
「うぇぇ…」
ハイドの言葉にジグは返事をしたが、ユールは苦い顔をした。
「あ、そうだハイドさん。 これ、持ってきちゃったみたいなんですけど…」
そう言って先ほどの赤いコアを渡そうとするが、ハイドはそれを遮る。
「ああ、待て待て。 まずは船長室に行くぞ。 連れて来いと言われてるんだ」
「わかりました」
「はい」
「船長が?」
ハイドの言葉にジグ、エミル、ユールの順に返事をした。
「ああ、詳しくは着いたら話すそうだ。 マキナは掃討されたようだが、まだ潜んでいるかもしれん、気をつけろ」
「「「わかりました!」」」
三人は返事をして、ハイドについて行った。
ユールは後で良いかと赤いコアをポケットにしまった。
そのコアは先程のように光り輝いておらず、赤黒くなっていた。




