マキナ 2
マキナは二人を警戒してか、その場で足をせわしなく動かしていた。
「二人共気をつけてよ!」
エミルが二人に声をかけた瞬間、マキナはジグに向けて飛びかかってきた。
-ガキン!ガッ-
ユールはそれをまたもや壁に打ち返す。
-ドン!-
壁に叩きつけられたマキナにジグは銃を放つ。
-ギ、キリキリキリキリ-
しかしマキナは金属音を鳴らしながら、それを横に飛んでかわした。
「すばしっこいな」
「ああ、前にあったときも逃げ回って大変だった」
息を整え二人は言う。
「どうする?」
「試してみたいことがあるんだけど…」
ユールは案があるとジグに言った。
「大丈夫なのか?」
「多分…」
「まぁ…。 このままじゃ埒が明かない。 やってみよう、どうすれば良い?」
自信なさげなユールにジグは聞いた。
「俺が相手してる間に、銃で撃ってあいつの動きを止めてくれないか?」
「難しいことを言う。 …任せろ、やってやる」
ユールの提案にジグは乗った。
「よし、行くぞ!」
そう言ってユールはマキナに駆けた。
-キキキキキ-
音を立ててマキナは近づいてきたユールに飛びかかる。
「ぐっ!」
ユールはそれを武器を盾にして防いだ。
-ジ、ジジジ、ジジ-
しかし他の足が蠢きユールに組み付こうとする。
「このっ!」
ユールは武器を叩きつけ、マキナを振り払った。
-ガン!ガッ-
振り払われたマキナはすぐにユールに向かって飛びかかる。
「ユール!」
エミルは思わず叫んだ。
-バキッ-
しかしユールは瞬時に反応し壁に向かってマキナを吹き飛ばした。
-ドン! バキャ!-
壁に叩きつけられたマキナの足を、銃を構えていたジグが撃ち抜いた。
足をもがれたマキナは体制を崩し動きが鈍る。
そこにユールは鎚の手元を捻り近づいた。
-ジッ! バリバリバリバリ!-
鎚から飛び出した先端をマキナに突き刺すと、大きな音を立てて電気が走った。
煙を上げてマキナは崩れ落ちた。
「……やった、やったぞ!」
「…ああ、よくやった」
ユールは振り向いて叫び、ジグも息を吐いて労った。
-ジ、ジジ、ジジジ-
次の瞬間、半壊したマキナがユールの背中に飛びかかった。
「ユール!」
ジグは叫んだ。
-ガッ!-
驚くユールの横で、エミルがマキナを槍で突き刺していた。
その一撃はコアを貫きマキナは完全に停止していた。
「はっ…はっ…はぁ」
息を荒げてエミルはその場に崩れ落ちた。
「エミル!」
ユールはすぐにエミルに駆け寄る。
「ん…、はぁ。 駄目じゃない、油断しちゃ」
エミルは息を整え、微笑みながらユールに答えた。
その手は震えていた。
「あぁ、助かった。 大丈夫か?」
「うん…ううん。 ちょっと休憩したい」
「わかった、座れるか?」
そう言ってユールはエミルを支え座らせる。
「助かった、エミル。 ほら、水だ」
「ありがとう、ジグ」
ジグはエミルに感謝しながら水を手渡した。
「…うわぁ」
「しかし、見事なもんだ。 完璧にコアを捉えてる。 …才能があるんじゃないか?」
「やめてよ、無我夢中だったんだから…」
ジグとユールは倒したマキナに近づき、座り込んで水を飲むエミルに言った。
その瞬間。
-ギャリッ!-
天井からもう一体のマキナがエミルに向かって飛びかかった。
「エミル!」
ジグは叫び、エミルは思わず目を瞑った。
-キーン-
コアの鳴る音が聞こえた。
眼の前ではエミルにマキナが飛びかかろうとしている。
ジグは銃を構えようとするが間に合わない。
もう間に合わない。
そうユールは思ったが、様子がおかしいことに気づいた。
目に映るすべてのものの動きが遅くなっている。
<<なんだ、これ…>>
ユールは思うが、エミルを助けることを優先し考えるのをやめた。
<<まにあえ!>>
そしてユールは走り出した。
-ガッ! ズン!-
一瞬のうちにマキナを弾き、空中で体を捻って床に叩きつけた。
激突したマキナはコアが粉々になり、ひしゃげていた。




