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回収作業 2


「…」


両手に鎚を持ち、鋭い目をしながら慎重にハイドは巣に近づいていく。


そんな様子を後ろの船員はじっと見ていた。




数歩近づいても変化はなく、警戒していた船員が首を傾げた時。


-キ、キキキキ-


…と金属が擦りあう音が聞こえた。




「全員警戒! マキナだ!」


そうハイドは叫んだ。


その瞬間。彼の顔目掛けて、穴から鈍い色の塊が飛び出してきた。




「ぬっ!」


ハイドは飛びかかってきたマキナを上半身を翻してかわす。


空を切って通り過ぎたそれを、そのまま振り返りざまに鎚で叩き潰した。




その背中に穴から新たなマキナが飛び出す。


「ハイドさん!」


思わずジグは声を上げた。




しかしハイドはそれを片方の鎚で止め、もう片方の鎚でまたもや叩き潰した。


「なんだ、ジグ? 何かあったか」


「…いえ、何でもありません」


安堵しながらジグは言った。




「凄いだろ? ハイドさん」


「ああ、あれは真似できないな…」


人間離れした動きをするハイドを見て二人は苦笑しながら言った。




そんな二人を尻目にハイドは明かりを穴に投げ入れる。


「よし、これで全部か」


中を確認しながら彼はそう呟いた。




「とりあえずの安全は確保した! 数人を警戒に残して、回収装備を持って降りてこい! 三人一組で一人は流れ岩を削れ、二人は警戒だ。 今回は鉱物資源だけ回収する!」


「はい!」


ハイドの言葉に、次々と船員が梯子を渡って来る。




「ユール、ジグ! お前らもこっちに来い!」


「わかりました!」


「はい」


呼ばれた二人は慎重に梯子を渡ってハイドのもとまで向かった。




「これが巣の実物だ」


「これが…」


「変な形のマキナだな…」


ジグは巣を間近で見て言葉を失った。


ユールはハイドが叩き潰したマキナを見ていた。




「…ちゃんとコアの部分を潰してる。 狙ったんですか?」


「ああ、見えたからな」


「あの一瞬で…」


当然のように言うハイドにユールは感動した。




「お前らも岩を削るぞ。 装備は持ってきたな?」


「持ってきました!」


「回収するのは鉱物だけなんですか?」


ユールはすぐに返事をするが、ジグは巣を見ながら質問した。




「そうだな。 本当ならまるごと持っていきたい所だが、今回は調査目的の航海だ。 早めに帰港するために荷物は最小限にする。 …まぁ巣位は持って帰っても良いだろう」


顎に手をあててハイドは言った。




「分かりました。見つけた鉱物は船上に持っていけば良いですか?」


「そうだな、鉱物を見つけたら甲板に持っていけ。 あまりに大きかったら誰か呼べ、鎖を使って引き上げる」



そう質問するジグに、ハイドは甲板からジャラジャラと鎖を伸ばしている船員を指差して言った。




「それと、まだ巣が埋まっている可能性もある。 警戒しながら作業するように。 うっかり足元を削りすぎて海に落ちるなよ?」


「分かりました」


「はい!」


「なら、俺が辺りを警戒する。 二人は早速作業開始だ」


その言葉に、二人はそれぞれ装備を取り出し作業を始めた。













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