ダグラとハイド
「親父の事だ、今回俺達も流れ岩を調べることになったらハイドさんがついてくるんじゃないか?」
「なんで?」
「俺達の安全という面なら、あの人が一番適任だからさ」
「…まぁ、そうだなぁ」
ジグの言葉にユールは納得した。
「確かあの人、実行隊だったよな?」
「そうだな。しかも上陸班の副長だ」
「なんで偵察隊に?」
ユールは不思議そうにジグに聞いた。
「さぁ、隊長とソリがあわなかったとか親父が強引に引き抜いたとか色々聞くが、詳しい事はわからん。親父も話さないしな」
「ふーん…」
そう言って二人はダグラの方を見た。
ダグラは回りの船員と目標を確認していた。
「どうだ? 動きはあるか?」
「いえ、ありませんね。 ここまで近づいて動きがないとなると、少なくともネルレイズでは無いでしょう」
「…そうだな。念のため牽制射撃をするか、それで判断する」
「分かりました」
ダグラはそう言って通信機を手に取った。
「ハイド!聞こえるか!」
「ああ、聞こえているぞ」
「目標は見えているか?」
「ああ、既に捕捉している」
ダグラの質問にハイドは答えた。
「あれの付近に牽制弾を打ちたい。出来るか?」
「了解」
「直撃させるなよ?」
「大丈夫だ、任せときな」
指示を聞いてハイドは自信満々に答える。
「よし、各員につぐ。目標に近づいたが、動きは無いようだ。だが念のため、あれに向かって牽制弾を撃つ。砲撃音に腰をぬかすんじゃねぇぞ!」
ダグラは拡声器で、そう注意した。
「ハイド、いつでも良いぞ」
「了解、いくぞ」
砲台は球体型の操縦席の左右に2台ついており、その球体が半分、船の側面に埋め込まれている。
対象を狙う際は球体ごと砲台が動き、射角は約180度となっている。
内部の席はダグラが座る操舵席に似ているが、目の前にあるのは舵ではなく、照準とトリガーが設置されている。
-ガン!-
叩きつけるような音と共に、砲弾が発射された。
「どうだ?」
「着弾確認しました。対象に動きはありません」
「…大丈夫そうだな。よし、接近するぞ」
ダグラは船員に聞きながら決断した。
「よくやった、ハイド」
「おう」
二人は小さく言い合った。




