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流れ岩


「それで、どんな風に弄ったんだ?」


「あぁ、ここを捻るとコアが起動するんだ。 それでこの先に出た…」


「ねぇ!ユール!ジグ!」


ユールは、そこまで言ってエミルに遮られた。




「なんだ?」


「どうした?」


エミルの方を見ると、彼女は指を指していた。




「あれ! 何か見えない?」


「うーん?…あぁ、確かに…?」


「どれだ?」


そう言うエミルにユールは返し、ジグは見張り台に設置してあった筒、単眼鏡を持ち覗いた。




「…確かに何かあるな」


「俺にも見せてくれ!」


「ああ、ほら」


ジグはユールに単眼鏡を渡した。




「本当だ!…黒っぽいな、流れ岩かな?」


「早く船長に連絡しましょう?」


単眼鏡を見ながら言うユールにエミルは不安げな表情をして言った。




「そうだな、俺達で考えていても仕方がない」


そう言ってユールは横にあるコップを逆さまにして管をつけたような物を手に取り、ボタンを押した。




「ダグラ船長!ユールです。遠いですが、右舷側に黒っぽい何かが見えます」


ユールはそのコップ、通信機に向かって言った。


少し間をおいて低い声が帰ってきた。




「分かった、こっちでも鏡を起動して確認する。お前はそこで待機だ。何かあったらすぐ知らせろ」


「はい、わかりました」


ダグラから、そう指示があった。




「確認するから待機だって」


「そうか」


そう言って二人は船長室の方を見た。




キーン という音が鳴り響き、船長室をぐるっと囲んでいる透明な板が歪んだように見える。


「あれも、ネルレイズから出来たものだったな…」


「そうなのか?」


呟くジグにユールは聞いた。




「ああ、確かネルレイズの瞳を加工した物だったはずだ。 コアを起動すると遠くのものまで見えるらしい」


「すげぇな…。…あれ? じゃあそれ使えば見張り要らなくないか?」


ジグの言葉にユールは疑問を感じて言った。




「ずっとつけてるとコアを消耗するからでしょう? だから見張りをつけて必要な時だけ使うのよ」


「…なるほど」


「そうだな」


解説するエミルに納得したユールをジグは笑った。




「そろそろ見えたかな?」


「ああ、そろそろ…」










-ジリリリリリリ-


会話を遮って、船内に警報音が鳴り響いた。





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