エミルのいたずら 3
「おぉ…? …肉か?」
箱を開けて中身を見たユールは、そう呟いた。
「ふふ、まずは食べて見なさい」
「…ああ」
ユールは恐る恐るひとかけらを口に運んだ。
「んっ! 旨い!肉だ!」
「でしょう?」
そう言って次々と料理を口に運んで行くユールにエミルは自慢気に答えた。
「あえ、えもさっきの野菜やっあよあ?」
「食べてから話なさい、何言ってるかわからないわ」
頬張りながら言うユールにエミルは笑いながら注意した。
「んっ、ふぅ。 さっきの野菜だったよな? 葉っぱみたいな…」
「そうよ、あれを乾燥させたものを砕いて水を加えて塊にするの。 それを焼くとお肉みたいな食感になるのよ」
「…ふーん」
「わかってないでしょ?」
エミルは説明するが空返事のユールに苦笑した。
「まぁ、旨いのだけはわかるよ。ありがとうな、エミル」
「…リリーがこれをくれたからよ。 私だけの力じゃないわ」
素直に礼を言うユールにエミルは後ろを振り返った。
「ん?」
「照れてるんだ」
「違うわ。そう正直にお礼を言われると、いたずらしたのが悪い気がしただけ」
どうかしたかと言うユールにジグは答えるが、エミルは後ろを向いたまま言った。
「まぁ、次はやめてくれよ?」
「次は言ってからにするわ」
「えぇ…」
再度こちらを向いたエミルは笑顔で言うが、ユールは辟易した。
「ははは、諦めろユール」
「お前は他人事だから、そんな事が言えるんだ」
「いや、ここに来る前に味わった」
「…そうか」
そう言う二人の顔は表情が薄れていた。
「何よ、二人して。美味しかったでしょう?」
「まぁ」
「そうだな」
「なら良いじゃない」
頷きあう二人に解決、とエミルは言った。
「それで?何か見つかった?」
「何が?」
「見張りよ、見張り」
エミルの言葉に あぁ、とユールは頷く。
「いや、何もないよ。暇すぎて装備の手入れしてた」
「よく、そんな訳のわからないもの弄れるわね」
持っている棒をかかげながらユールは言うが、理解できないとエミルは返した。
「それ、支給されてるやつと同じ装備だったか?」
「あぁ、そうだな。散々弄ったから、原型ないけど」
「壊したら怒られるんじゃないか?」
「船長には出発する時に許可取ってるよ」
その棒を見ながらジグは言うが、ユール大丈夫だと返事をした。
「珍しいな、お前がちゃんと聞きに行くとは」
「前に怒られたからな、学んだ」
「…なるほどな」
自慢気に言うユールにジグはあきれた目を向けた。




