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エミルのいたずら 2


「…よし、こんなもんか」


その頃ユールは見張り台の上で装備の手入れをしていた。




「ユール!」


「ん?」


見張り台の下から見知った声が聞こえ、ユールは下を覗きこんだ。




「エミルか?ジグもいるな、どうしたんだ?」


「ちょっとそこで待ってなさい! 良い物持ってきてあげたわ」


そう二人は大声で会話する。




「…良い物?」


ユールはなんだろうと考える。


その間にエミル達が上に登ってきた。




「ほら、これよ」


「なんだ? 弁当箱?」


「開けてみて?」


渡された箱を見てユールは聞くが、エミルは開けるように促した。


その様子をジグは無表情で後ろから眺めていた。




「ああ…。 おおっ、すげぇ良い匂いだ!」


弁当箱を開けたユールは漂ってくる匂いに、そう言った。




「美味しそうでしょ? リリーが行き掛けに新しい食材を渡してくれたのよ。 それを調理した試作品なの」


「リリーが? あいつもやる時はやるなぁ」


「あら、調理したのは私よ? 二人の力って所かしら」


「ありがとうございます」


自信満々なエミルを崇めるようにユールは拝んだ。




「早速食べてみて?」


「ああ、頂きます!」


そう言ってユールは料理を口に運んだ。




「うっま、このたれピリッとしてて ぶふっ!!」


「ちょっと!汚いわね!」


ユールは、たれの味で苦味が来るのが遅れたのか、少し話してから盛大に吹き出した。




「ごほっ、うぇ」


「ははははは。 ほら、水だ」


後ろで静かに眺めていたジグがユールに水を差し出した。




「ん…。 …はぁ、ジグお前分かってたな? やけに静かだと思ってたんだ」


「とばっちりは食いたくないからな」


恨めがましくいうユールにジグは肩をすかせて言った。




「あはははは、大成功ね」


「あー、まだ苦い。 …少しおかしいとは思ったんだ。エミルがやけに親切だったからな…」


「あら、そんな事いって良いの?」


爆笑する彼女にユールは嫌みを言った。




「なんだ?まだ何かあるのか?」


「さっきのは生のままの食材だ。ちゃんと調理したやつをエミルは持ってきているのさ、端正込めて…ぐっ」


怪訝な顔をするユールにジグは答えるが、途中でエミルに止められる。




「ジグ? 余計なことは言わなくて良いの」


「…はい」


そう言うエミルにジグは目をそらしながら言った。




「なんだ?どういう事だ?」


「つまり、さっきのはただのいたずらで、こっちがちゃんと作った試作品よ」


そう言ってエミルは、もう一つの箱をユールに渡した。




「本当だろうな?」


「大丈夫よ、ちゃんと味わって食べなさい?」


先ほどの事もありまだ信じきれない様子でユールは箱を受けとった。




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