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ラミアン


コンコン、と扉を叩きながらジグは中に入る。


「ラミアンさん」


声をかけると、奥で作業をしていた大柄の女性が振り向く。




「おや? ジグかい?」


「お邪魔してます」


「こんなおばさんに何か用かい?」


「はい、これを届けるように言われてきました」


そう言ってジグはコアを取り出し彼女に渡した。




「ああ!わざわざ届けに来てくれたのかい。 ありがとうね」


「いえ、このくらいなんて事はないですよ」


コアを受け取りながらラミアンはジグに礼を言った。




「この良い匂いは、エミルかい?」


「はい、試作の料理を作っている所でした」


「試作の…というと、あの葉野菜かい?」


「それですね」


開けた扉から漂う匂いをかぎながら聞いてくるラミアンにジグは答えた。




「なら、驚いただろうねぇ」


「ええ、そのまま食べた苦さにも、それを使った料理にも驚きましたよ」


「それは御愁傷様。あの子らしいねぇ」


ラミアンは苦い顔をするジグを笑いながら言った。




「あの野菜がうまく行けば、肉が食べたいと不満を言うやつらも少しは大人しくなるだろうさ」


「そうですね、ただ材料が野菜と知ったら余計に本物を食わせろと言いそうですが…」


「なら最初から、これは肉だって出せば良いのさ」


「なるほど、確かに言われなければわからないですからね」


イタズラっぽく笑うラミアンにジグもつられて笑った。




「わたしじゃああんな方法は思い付かなかっただろうねぇ。 料理に関してはエミルは天才だよ」


「そうですね、これでリリーも報われそうです」


「そう言えば、あの野菜はリリーが持ってきたものだってエミルから聞いたねぇ」


ジグの言葉にラミアンは思い出しながら答えた。




「ええ、なんでもなんとか食べれるようにならないかエミルに泣きついたんだとか。 しかも出発する直前に」


「あの子は思い立ったらすぐ動き出すからね。でも今回はお手柄だったわけだ。帰ったら、あの子には感謝しなくちゃいけないねぇ」


「あまり付け上がらないようにお願いしますよ。半分はエミルの手柄でもあるわけですし」


「あっははは。素直に誉めたらそこらじゅうに、言いふらして回りそうだね」


容易に想像できると二人は思った。



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