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第8話 弱肉強食の世界・・・他所でやってくれ。

一行あらすじ


僕は楓との関係に区切りをつけ、体育館に向かった。

 「この高校は今日から!!弱肉強食になる!!!」


十二邑は、拳を握りしめ、演台越しに上体を前のめりにし目を見開き、興奮気味にマイク越しに大声でそう言った。

マイクで十二邑の声が反響する。

 おいおい、嘘だろ?。そんな展開になるのかよ・・・。想定外というか―――ダルいんだけど。

僕は周りの生徒がどんな顔をしているのか気になり目をゆっくりと左右に動かした。


「え、どういう事?」

「弱肉強食って言ったか?あの先生・・」

「意味が分からん」

「イケメン~な先生ね~」


という会話がひそひそと話されていた。

そのひそひそ会話はどんどんと波の様に広がり、体育館中がガヤガヤとした。

 そりゃそうなるわな。いきなり、弱肉強食の世界になるって言われても困るっていうか本当に意味が分からんよな、てか――


バンッ!!!


その時、演台を強く叩きつける音が体育館中に響いた。

生徒たちの目線が舞台の中心に戻っていく。


十二村は紫色の髪を若干逆立たせ、目に感情が入っていないような異質な感じになり、マイクに口を近づけた。


「話は終わっていない」


十二邑の声が氷の様な冷たさの様で、大多数の生徒たちを一瞬で恐怖で凍り付かせたようにみえた。

 ハキハキした声がいきなり変わった。流石にビックリしたな~、今の喋り方が十二邑の素なのか?。


「はい!そういう事なので、まだ口をチャックにした聞いておいてね♪」


顔を曇りのない笑顔に戻し、さっきの冷たい顔が無かった様に思えた。

 二重人格ってこういう感じなんだろうな~。

となぜか、冷静な精神状態で心の中で僕は呟いた。


「まず、この制度の名前を言います!。」


十二邑がそうハキハキした声で言うと、舞台の上から十二邑が言う制度が筆で書かれた垂れ幕がバサッと直ぐに降りてきた。

 ん~?、なんだ?あの制度は?。

僕が目を細め、垂れ幕に書かれた文字が正しいか思わず確認していると、十二邑が垂れ幕に書かれている事を復唱した。


「1・喧嘩、暴力の限定的な許可。だが、条件はある

「2・権力の可視化。

「3・学校内での取引の可。

「4・このルールを破った者は即刻退学。

「この制度の名は、『万人の闘争』」


十二邑が良い終わると、体育館に集められた全校生徒は戸惑いを隠せない表情だった。

 かく言う僕も、意味が分からない。万人の闘争?変な名前だな、という考えがしか思いつかない。

僕が、十二邑が言った制度に顎に指を当て考えている時だった。


「ふざけんじゃねー!!教師風情が調子に乗ってんじゃね~ぞ!!!」

と大きな声の怒号をまき散らしながら舞台に上っていった生徒がいた。

 その生徒は、ズボンを腰パンにし髪が金髪だった、そして、デブ。


「あ~これは」


僕が何かを察していると、隣の列の男子生徒がひそひそと会話を始めた。


「おい!アイツ、この学校一の不良の豪炎寺だ!」

「あ~知ってるぜ。豪炎寺の悪い噂は数知れずなんだろ?」

「アイツ、他の学校も占めてるって噂だ。しかも、中学校の頃は関東を支配していたらしいぞ」


最後のは、絶対ウソだろ。


「ひ~こえ~~ッッ。なんで、俺らと同じ二年なんだよ~」

「本当に最悪だぜ。クラスが離れるからいいけど、三年で同じクラスなったら嫌だぜ」

「全くだ」


全くだ。流石の僕もあんな生徒と同じクラスは嫌だな。

 というか、あの舞台にいる不良生徒は僕と同じの二年だったのか、金髪の痛いおっさんにしか見えん。

 いや、そもそもあんな生徒が留年していないのが驚きだ。


「あの、十二邑って教師終わったな」

「あぁ、豪炎寺にボコられて終わりだぜ」


 いや、残念ながら君たちの想像とは違う結果になる。


僕は、これから起こる結果を知りながら冷めた目で舞台に目線を戻した。

 

「ぐおおお!!!!!」


豪炎寺が唾をまき散らし走りながら、十二邑に殴りかかる所だった。


「全く、醜い」


十二邑は、演台に置かれていたマイクを取りながら、豪炎寺のパンチを避けた。


「なっ!避けただとッ!」


豪炎寺は驚きを隠せない様子だった。

 僕も、舞台から列の最後尾に近いここまで声が聞こえる事に驚きを隠せなかった。

 あの豪炎寺って不良生徒は、舞台俳優になった方が良いんじゃないか?。

十二邑は、マイクを片手に持ちながら、次々と豪炎寺のパンチを避けていく。

 というか、早く他の先生が止めに行った方が良いんじゃないか?。

僕は、教師たちが並んでいる体育館を端に目線を向けた。

 郷田、青いゴリラよ。ここがお前の出番だぞ~。

郷田は腕組みをしたまま、舞台から目を背けていた。その時、郷田は苦悶の表情だった。

 !!・・・あぁ、そういう事ね。

僕は、目線を舞台に戻した。


「さぁ、生徒たちよ!。ここからが!!制度の時間です!!!」


豪炎寺はパンチを繰り出すが、十二邑はそれを軽々と避ける。

 昔、格闘技をしていたから分かるが、あの十二邑の避け方は異常だ。豪炎寺のパンチを見ずに避けていく、十二村は顔もへそもこちら側の正面に向けたままだ。

十二邑の紳士の様な衣装も相まって、軽いダンスをしている様に見える。汗も一滴もかかずに勢いのあるパンチを避けていく、そんな芸当は世界レベルのプロボクサーでも出来ない。

 とんでもなく強い事が分かる、この凄さが分かる人はいるのだろうか?。

僕は周囲の生徒の顔を見渡した。

生徒たちは驚いてはいるが、十二邑の凄さは全く分かっていない。

 いや、違うな。

―そういう生物と認識している―

 コレが正しいな。

 悟空が人の姿なのにかめはめ波打つのに凄いとは思うが違和感を感じない様に、十二邑の動きに違和感を持っていないんだ。

 逆に言えば、おかしいのは僕の方だ。

 この学校に主人公(カナタ)が来たという事。しかも、高校生というお決まり設定の様なタイミングで来たという事は、この高校では、もう僕の常識は通用しない。 

自分の額から冷や汗がじわじわと滲むのを感じる。

 

その時、十二邑が豪炎寺の腹を思いっきりに前蹴りをし、豪炎寺を吹っ飛ばした。


「かっっッ」


豪炎寺は吹き飛ばされ、立とうとするが息も出来ない様で、その場でうな垂れていた。

十二邑が豪炎寺の方に初めて体を向け、マイクを握ってニコニコとした表情で口を開いた


「私は制度の中の1で言った事を覚えてるのな?」


 !?、嘘だろ…。


豪炎寺は腹を蹴られた痛みでうな垂れてたままだった。 

 そりゃそうだ。蹴られた時、豪炎寺のボテ腹がCの形に一瞬変形していた、その衝撃は傍から見てても分かる。

 傍から見てからも分かる程の決着だ。


 ――――それなのに、この十二邑は続ける気なのか?。


僕が嫌な予感をしていると、舞台の上で十二邑は拍手をした。

何かを呼ぶときの様な拍手だった。


「龍雲(りゅうも)くん!」


十二邑がそう言った瞬間、舞台袖から何かの足音がした。

 大きな足音だ。


「!!、デカすぎだろ」


思わず口にして程に舞台袖から出てきた男は身長は2メートルは軽々と越えておりデカかった。

量の袖は破けており、その大きな腕の筋肉が出ている、腹には包帯?やくざの様な腹巻をしていた。

胸筋も筋肉質でデカい。

 え、ちょっとまって・・・。

もしかして、あの男もこの学校の生徒?。


僕は、舞台にいるデカい男に指を指しながら後ろを振り返り、自分のクラスの生徒に思わず確認をした。


「え、あの男の人も生徒?」


「まぁ、そうなんじゃない?。制服も破れてるけどウチの制服だし」


後ろにいた女子生徒は、焦りもせずにそう答えた。


「嘘だろ・・・、絶対30は越えるだろ。え、あの体は絶対ステロイドしてるって‥‥」


僕は目線を舞台に戻した。

その龍雲というデカい男は、ゆっくりと何の言葉も発さずに豪炎寺に近づいた。

そして、豪炎寺の頭を上から掴んだ。


「待ってくれ!!俺が悪かった!!許してくれ!」


豪炎寺が振り絞って声でそう言ったが、その声を聞かずに、龍雲という男は豪炎寺を持ち上げた。

 重い豪炎寺を持ち上げた!?、片手で!?、そんな事は不可能だろ!!。


「マジかよ」


豪炎寺は声にもならずに叫んでいた。

龍雲は目を十二邑に向けたまま動かない。

まるで、十二邑の操り人形の様だ。


「やさしくね」


十二邑は笑顔のままそう言った。

龍雲は、その言葉を聞いた瞬間に、豪炎寺を舞台の外に投げた。


「キャ!!」

「うわッ!!」


龍雲は、生徒がいるのにソレに構わず投げたのだ。

上から降ってきた豪炎寺を生徒たちは身をかわして避けた。

 良かった、怪我人はいないようだ。


いや、豪炎寺はケガをしているか。


「さぁ!!みなさん!!!」


十二邑がマイクに大きな元気な声でそう言ったので、目線が舞台に向いた。


「コレが!!制度です!!これが!!制度です!!、そして、龍雲くんはその生徒を倒したのでポイントが付与されます!!。」


ポイント?


その時、体育館の照明が全部消え、舞台のスクリーンが上から降りてきた。

そこに映し出されたのは、龍雲の電子の学生証だった。

 りゅうも・げんき。下の名前は思ったより普通だな。

龍雲の顔は相変わらず不愛想だが、ん?。

 高校二年生?、嘘だろ、同じ学年かよ。

そして、その下に十二邑が言ったポイントが書かれていた。


1132P


 コレがポイントか。


「このポイントはテスト点数と同じと考えて構まない!」


十二邑は興奮気味だった。


「そして、このポイントで評価される事も当然ある!!。期末テストで順位がある様に、このポイントにもランキングがある!!」


その時、僕のスマホに通知がなった。

と思ったら、周りの生徒にも時間差で通知が来ていた。


「その通知は私がしたのものだ!。これまでの君たちの経験やテストの結果や心技体で君たちにもポイントも順位もある!!開いて見て見るといい!!」


僕はスマホをポケットから取り出し、通知をタップした。


山田 健 

高校二年生

4組34番

ポイント32P


ランキング532位


「532位、って事は532番目って事か」


 そもそも、全校生徒が何人いるか把握してないから、良いのか悪いのかが分からないな。


僕は舞台のスクリーンに目を向けた。


龍雲 元気

高校二年生

7組23番

1132P


ランキング4位


 へぇ~。

 やばいな、へぇ~以外の感想が思いつかない。


。。。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。

感想!!!アドバイスお願いします!!

この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




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