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第7話 転換日

一行あらすじ


花子と歩いていると幼馴染の楓に見られた。そして、寂し気な声をかけられた。

 「かえで・・・」


ふり絞った声でそう僕は呟くように言った。


「その子って誰?」


楓は此方に近づきもせずに、ただ風に髪を揺らしながら一定の距離で止まっていた。

楓の目元はなびく前髪で見えずにいた。口は線を横に一本引いたようだった、いつもの口角を上げている口じゃない。


僕は、楓に訊かれたことを考え、ゆっくりと花子の方に目線を向けた。

花子の頭頂部が先にみえ、花子は楓の事を真顔で不思議そうに見ていた。何が起こっているかわかっていない様だ。

 この時、僕は世界が遅く流れるような感覚になった。

 ・・・そうだ。何が起こっているかわかってない風にすればいいんだ。

いや、というより、何を僕は焦っていたんだ?。

楓はそもそも、保育園からの付き合いの僕には、転校生のカナタに向けた顔をしてくれなかったじゃないか・・・、「じゃないか」はおかしいな。

しないんだ。その顔を僕にはしない、出来ないんだ。

長年の付き合いの僕には、「あの顔」は向けないで、転校生のカナタを一目見ただけで「あの顔」をした。

 脳裏に、楓の顔のその違いが鮮明に出てくる。

心臓の音がドンドンとゆっくりになっていくのが分かる。

そりゃそうだ。これは、ただの報告なのだから。


「楓、この子の名前は花子。さっき友達になった。」


僕は、そう平然と答えた。


「!・・・・なに、その顔・・・」


楓は僕の顔を見ると、みるみると顔を曇らせていった。

僕は、ここで「なんでそんな顔をしてるんだ?」とかいうアホみたいな思考能力の主人公みたいなキャラじゃないので。

楓の顔を見ると、僕は分かった。

どうやら楓も僕の事が好きだったみたいだ。

いや、楓はそう勘違いしていたようだ。

楓は顔をふせ、何も言わずに背を向け校門に向かっていった。


「や、山田くん?、な、なにかありました?」


隣にいる花子が、僕の方を見上げながら心配そうな顔で訊いてきた。


「ううん!なんでもないよ!」


僕は口角を上げ、元気にそう花子に言った。

花子は、ほっとしたような顔をし「わ、私がじゃ邪魔かと思いました」と申し訳なさそうに言うので「そんなことないよ!」と顔を笑顔にし花子の考えを否定した。

「そうですか・・・良かったです」

花子は口角を上げニコッと笑った。

今の花子の笑顔は僕が見てきた花子の笑顔の中で一番の笑みだった。


僕と花子も遅刻したらやばいので、校門に足を向けて歩いた。


「あぁ、今日って本当に何があるんだろうね?」


「ほ、本当ですね。何があるんでしょう?」


花子も首を傾げ考えている様だった。


「山田!遅いぞ!遅刻するぞ!」


ゲッ、郷田だ。

郷田の青髪を視界に捉えると僕はため息が出そうだった、が、ため息を出すとまた怒られそうなので我慢した。


「おはようございます」

「おは・・ようございます」


僕が郷田に挨拶をすると、隣にいた花子も小さい声で挨拶をしていた。


「そんまま体育館に行け!。今日は直ぐに体育館で集会があるからな!」


郷田は一週間前の事はすっかり忘れているように、そう僕に大きな声で言った。


「分かりました。」


僕は軽く言い、靴箱に行き、上履きに履き替え体育館に向かった。

花子とは靴箱で分かれた。

その時、花子はそそくさとどっかに行ってしまった。

見られたくないものでもあるのだろうな・・・・。


「おっす」


僕は体育館で自分のクラスの列でスマホを見ている高橋に後ろから声をかけた。


「おっ!おはよう!、お前ぇ~見せつけちゃて~~!!」


と僕の方を向くなり、体をくねくねとさせた。


「なにが?」


「なにがって、朝さ、校門の前で待ってるカエデちゃんがいたんだよ。」


「!!・・・・へぇ~」


「そんで、「どうしたの?」って聞いたら「健の事待ってるの、ちょっと大人げない事しちゃたな~って思って」って言ってて、悪いと思ったから謝りたいとか言っていたような」


高橋は目をニヤニヤとさせ、口を手で隠し「ムフフ、何をしちゃったのかな~??山田くんは~~??」と何やら勘違いしている様だった。


「へぇ~そうなんだ~」


「おいおい!、恥ずかしがるなよ!」


僕は楓が謝りたい事が何のことか最初分からなかったが、恐らくだが、一緒に登校している時に僕に冷たくした事を謝りたいんだろう。

 まぁ、それにしても悪いのは僕の方なんだけどな。

学校のテストで赤点を取ったら教師が怒る、それと同じなだけだ。

僕は行動を間違い過ぎて、楓が怒った。それだけの事。


「いや、楓は悪くないよ」


「え・・・あっそう」


高橋は肩を少し上げ、なんだか驚いたようだった。

高橋は目を少し泳がせ、僕の耳元で囁くように何かを訊いてきた。


「もしかして、カエデちゃんとなにかあった?」


僕は鼻で一息吐き、波のない声で答えた。


「なにも。最初から何もなかっただけ」


高橋は目を見開き、声を上げるのを我慢している様だった。

高橋はまた、僕の耳元で囁く様に訊いてきた。


「もしかして、フラれた?」


僕はなんて言ったら分からなかったが、おおよそそんなモンだと思うし後々めんどくさくなるのも嫌なので、

「まぁ、そんなもんだな」

と答えた


「えええ~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


高橋は僕の耳元で大きな驚いた声を上げた。

耳がキンキンする。


その後、校長の長い話を聞き終え、話もこれで終わりかなって思った時だった。


「え~、これから新しい先生を紹介します~~」


覇気のない校長の声で、舞台の横から背がスラッと高く、紫色の長髪の男が現れた。

服装は紳士のような格好だ、手には白い手袋をはめており、胸の中心には緑のブローチをしている。

周りにいる女子たちから、「え~カッコいい」「イケメン~」などのピンクの声が小声でやり取りされていた。

僕は、その男を見ると、目を細め、口をへの字にした。


「あ~これは・・・」


嫌な予感をする。


その紫色の長髪の男は、祭壇の中心にいる校長を手払いでどかし、祭壇にドンッ!と大きな音が鳴らし両手を叩きつけた。


「私の名前は十二邑(じゅうにむら) アリス(ありす)と言います!!。」


スラッとした体とは裏腹にハキハキとした強そうな声を出した。

名前は~。じゅうにむらって言ったか?、十二村って、そんな苗字あんのかよ?。

いや、疑問で返すのは違うな。

そんな変な苗字のヤツは大体――


「今日から!この高校は!!!強さで序列が決まる!弱肉強食の世界となる!!」


――変なヤツに決まっている。明らかに転校生のカナタ(あいつ)と同じ部類のヤツだ。



。。。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。

感想!!!アドバイスお願いします!!

この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




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