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第6話 気まずさを回避したい

前回のあらすじ


僕の名を呼んだのは花子だった。

僕は花子と少し打ち解け、花子と一緒に学校に行くことにした。

その時に気づいた。

花子に自分の名前を教えて事がないって事に。

 僕は花子の隣に並んで歩きながら花子の方をチラチラと見ながら考えていた。


「・・・あ、あの、ど、どうかしました?」


花子は指をもじもじとさせながら、僕の方を向いた。


「え!?。い、いや~!!なんも、なんも!。今日学校で何があるのかな~!って!ははっ」


「あ、そうですね。こんなに遅い登校って運動会以降ですよね」


運動会?、体育祭の事だろうか?。


花子は頭を傾け、薄っすらと笑う。


「そ、そうだね~」


僕は顔を引きつらせながら答えた。花子はそんな僕の顔色を長い前髪の目から見ているのが分かる。

ど、どうしようか・・・聞いてみるか?


よし、イメージしてみよう。


「あれ?そういえば、僕の名前何で知ってんの?」


「あ、去年、同じクラスでした」(悲しげな笑み)


うん。聞くのは止めよう。


 一週間前のあの日、転校生のカナタがクラスに来た時に僕は、初めてクラスメイトの奴らの髪の毛がカラフルな色だという事に気づく位、僕は、楓(かえで)に夢中だった。

 なんなら、唯一の友達の高橋の髪色にもやっと気づいた。

高橋とは去年も同じクラスだったのにだ。


僕は自分の目頭を押さえた。

 僕は少しバカ過ぎた様だ。恋は盲目とか、そんなレベルじゃないほどに周りが見えていなかった。


「や、山田くん。大丈夫ですか?」


花子が僕の顔を下から覗く様にして、心配の声をかけてくれた。


「あ!うん!全然大丈夫だよ!!ははっ」


「・・・・・」


花子は僕の顔色をじっと見ると、口を開いた。


ど、どうしたのだろうか・・、僕は笑顔の筈だけど・・。


「あの、学校に行きたくないなら行かなくてもいいんですよ」


花子は曇りのない薄い笑みをした。


僕は、花子のその言葉と花子の顔を見た時に、はっとした。

 なんて事だ。現時点で僕より明らかに苦労している花子が僕に心配の声をかける。

しかも、「学校に行きたくないなら行かなくてもいいんですよ」って、一番学校に行きたくないのは君だろう?。


僕は歩く足を止め、

目を瞑り、足に力を入れ、息を深く吸った。

深いため息を吐いた。このため息は少しの覚悟をみせる時った決めたってため息だ。


「や、山田くん?、急にどうしたんです?」


花子が目をおどおどとした声で僕に訊いてきた。意外とため息の音が大きかったせいだろう。


僕は目を開き、花子の顔を見た。

花子は少し、おどおどとしながら僕の方を向いた。


「いや、なんでもない。学校に行こうか。」


「気分とか大丈夫です?」


花子は自分の顔を僕が見えるようにして、訊いてきた。

 やさしいな。会話をする時に、僕の方にちゃんと顔を向けてくれる。

身長差があるから、見上げる感じになっているのにも関わらずにだ。


花子は何も言わない僕を不思議そうに頭を傾けた。


「うん、大丈夫だよ。」


「!、あ、よ、良かったです」


花子は僕から顔を逸らし、長い前髪で顔を隠している。


え、なんかしたかな?


その時だった。

見たこともない胴が長い黒い車が住宅街の道にも関わず、もの凄いスピードでこちらに向かっていた。


「危ない!」


僕は花子を反射的に自身の体に引き寄せた。そして、花子の肩を片手で掴みながら後ろを振り向き、花子を壁側に移動させた。


「うわぁぁぁ」

「え!?」


後ろで、電車でも通っているのかって位、風が途切れない。思わず、叫んでしまった。

花子も僕の体を掴んで、驚いている様だ。

てか、バカすぎだろ。こんな住宅街にセレブが乗ってそうな黒い車に乗ってんじゃねーよ!、てか、どう長すぎだろ!!あの、セレブが乗ってそうな車!名前分かんないけど!!(リムジン)。


「通りぎた・・」


僕は花子を掴んでいた手を離し、道路の真ん中に行き、遠くに行く長い黒い車を見た。

 ここで、あの車に叫んでみようと思ったが、凄いスピードでどんどん小さくなっていく車を見た時に、そんな気力もなくなった。


「はぁ~~・・・・、花子、大丈夫か?」


僕は疲れて腰を曲げ、両膝に手をつけながら、首を横に向け、花子がいる家の塀側の所を見た。


「あ、はい・・」


花子は小さな声で、そう言った。顔を俯かせながら。


まぁ、シャイな子だから、体がくっついて恥ずかしかったんだろうな。体が触れて嫌だったとかだったら悲しいけど、花子はそんなタイプじゃ―――


「え」


僕は花子の足元を見た。天気が良いこの日に、その道路の丸い染みは目立っていた。ぽつぽつとその染みはどんどんと増えていった。


「な、泣いてるの??」


僕は思わず口にしたその言葉に、花子は声も出せさずに首を振った。


「え、ええ。。。」


僕はなんて言ったら分からずに、手をあたふたとさせながら、花子の方にゆっくりと近づいていった。

 花子はサイズがあっていない、スクールバックを両手でぎゅと握りしめ、泣き声も同時に出さない様にしていた。

 その感にも、どんどんと足元の涙の後は増えていった。


「な、なんで?、あ、あの?。ぼ僕のせい?」


僕はまるで、ゴマすりかって位、腰を曲げて、花子よりも背を低くした。


「ち、違います・・・。さ、触ったから」


「え、触られたのが嫌だった!?」

まさかのそっちか!。いや、悲しむよりも、悲しませた方が重罪だ。


僕は、即座に土下座のポーズを道路でとった。


「すい――」


僕は急いで、謝ろうとした。

その時、花子は小さな声で呟く様に言った。


「優しく、触られたのが・・・初めてで、うれしかったんです・・・」


え?


どういうことだ?


しばらく、沈黙が続いた。

花子の「何をしているんです?」と泣き止んだ声で、土下座のポーズをしている時に言われたので、急いで立った。


「え、どうする?。警察に行く?」


「なんで、いきなり、警察なんです?」


「あ~、あの車、完全にスピード違反だし、人轢いてもおかしくないからな~。一応、ナンバー覚えてるから警察に言ったら多分罰金とか罰則してくれると思うからかな~?」


よく分からんけど、警察に言えば、そんぐらいの事はしてくれるだろう。


僕は、道路側の方に位置を置き、花子を壁側に置いた。

そして、歩くのを開始した。

考えて見れば、通学路を歩いて学校にいくだけにどんなに時間をかけてるんだ。


「ふひっ。山田くんは優しいですね」


「?」


「わ、私なんかを気にして、歩く位置を変えてくれるなんて、優しいです」


花子を優しい目で小さく笑いながらそう言った。


「・・・別に、普通じゃね?。」


僕は思ったことを口にした。・

花子は目を見開く事はせずに、僕の方を見ると、口を締めたまま優しい目をしていた。


「山田くんにとっての普通が、私は好きなんですよ。・・・・あの時も―――」


「ははっ、そんな勘違いさせるような言い方僕以外の男だったら勘違いしちゃうよ!ははっ」


僕は友達に話すときの様に花子に指を指し笑った。


「・・・・そうですね」


花子はニコッとさせながらそう呟いた。


「それよりも、花子は知ってる?、学校に凄いイケメンが来たの知ってる?」


「一年生でですか?」


「いや、二年に転向してきた――」


「あ、赤い髪の人ですか?」


「そ、そう!。知ってるって事は見たことあるんだ。どんなだった?」


「ど、どんなだった?。う~~ん」


花子は顎に指を添え、目を閉じて思い出している様だ。


「あ、なんか。なんかスゴイ数の女の人を後ろに連れてましたね。」


「もうそんなフェーズに入っているのか・・・」


「フェーズ?」


僕は花子と友達の様に喋る様にして、気まずさを紛らわせる事をしつつ学校の情報を引き出すことをしていた。


よく、漫画で在るヤツなんだが、読んでいる側は二年ぐらい読んでいるが作中では、2ヶ月位しか立っていない。アレだ。


恐らく、そのアレを僕は体験しているという事なんだろう。

作中の時間軸で生活している。という事になる。

 はぁ~、こんな、変な考えでコレから生きていかないとなるとめんどくさいモノだ。


この一週間で、多分カナタとかいう主人公転校生は、最初はバカにされ、そして、それを軽々と倒していく。という事を何回かはもうこなしているのだろう。

 

「学校の勢力図が出来上がっているかもな・・」


僕は小声でそう呟いた。


そうこうしているうちに、学校が見えてきた。


「あ、あの・・・」


「ん?、どした?」


僕は先ほどから黙っていた花子が口を開いたので、耳を傾けた。


「や、山田くんって部活をしていないって言ってましたよね・・」


「そうだね、してないよ」


「や、山田くんが良ければなんですけど・・・」


「ん?なに?」


花子が立ち止まり、こちらを勢いよく向いた。目は少し水の膜が張っているようにきらめいた。

そろそろ校門が近いから、周りに変な目で見られないといいけど。

僕は目を花子に向けながらそう思っていた。


「いっ、一緒に!」


「うん」


「ぶ、部活を!」


「うん」


「健?」


「うっ、うん?」


僕はその声が聞こえる方に目線を反射的に向けた。花子もその声がいきなり聞こえたので、言葉を止めていた。


「あああ」


声が喉から出ないで、何回も唾を呑んだ。


「健・・・・」


楓はいつもの様な元気な声で僕の名を呼ばずに、何かを言いたそうな悲し気な感じで僕の名を呼んだ。




。。。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。

感想!!!アドバイスお願いします!!

この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




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