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第2話  女の子を泣かせてはいけません。

前回のあらすじ


この世界がハーレム系主人公(なろう系)の世界という事を知り絶望した。


そして、なんやかんやあり、青髪の郷田と言う先生に叱られている。所だ。

 僕は思う。


運命とはなんか凄いな、と。

 それはまるで、僕と楓(かえで)の様で近しいモノだと思っていたからだ。

保育園からの付き合いで、小学生からはいつも学校に登校していた。中学生の時もいつも一緒に学校に登校していた。

 高校の時もそうだ。いや、そうだった。


これも、運命というモノなのだろう。

 スタンド使いはスタンド使いに引かれあう様に、ヒロインは主人公に惹かれあうモノなのだ。

それを、今日知った。


 運命とはなんか凄いな。そして、死んでくれ。


「運命とはそういうものなのだ・・・僕は竿役に取られる彼氏役だ。いや、彼氏役にもなっていないBSSだ。僕はBSSは否定派だが、僕はそうだった。っははは」


自分の足元を見ていると視界がフラフラしているのが分かる。


「・・・おい。」


「山田ッ~~先生が読んでいるぞ~~」


体が揺れているのを感じる。高橋、今は肩を揺らすのは辞めてくれ、僕は今、声も出せないほどに衰弱しているんだ。いつもの僕がジャガイモとしたら今の僕はコンニャクなんだ。それぐらい今の精神はふにゃふにゃなんだ。


「おい!山田!!」


青いゴリラ、郷田が僕の胸倉を掴み僕の名を叫んだ。その際に郷田の顔に似つかわしくない青髪のサラサラヘアーがなびく。


「話を聞かんかい!!殺すぞ!!」


教師が言わない言葉を今日は二回も聞いた。今日は厄日だという事が分かる。


でも、いいな。お前が羨ましいよ。この世界のギャグ担当という事だろう。本来なら、あの彼方(カナタ)とか言う転校生の主人公と絡んでいくのだろう。


「郷田先生!生徒にそんな事したらダメですよ!」


その時、一組の扉が開き、眼鏡をかけた女教師が僕の胸倉を掴んでいる郷田の手を掴んだ。


「離してください!」


「あ、秋山先生ッ」


郷田は分かりやすく鼻の下を伸ばし、すぐに胸倉を掴んでいた手を放した。僕の体は浮いてたらしく、放された時に僕は廊下に尻もちをついた。


「山田!大丈夫か!?」


高橋が腰を落とし僕の目線に合わせ心配の顔で心配の声をかけてきた。お前だけだ、僕を今の所視野に入れてくれるのは。今頃は教室では僕の事は皆忘れていて、主人公の話で夢中だろう。・・・・その中にはもちろん楓もいるだろうな。


「くくっッ・・」


僕は面白くなり、廊下に尻もちを付きながら立とうともしなかった。



「山田?、どうしたんだ?いきなり気持ちが悪い笑い声だして」


酷いな。こういう笑い方もするんだよ、僕は。


「くくっ、羨ましいな、郷田~」


「バカッ!山田!」


「山田~、お前、俺を舐めているのか!?」


郷田は隣で喋っていた女教師、秋山と言ったか、ソイツと喋っている時とは雲泥の差の顔を僕に向けてきた。鬼の顔、いや、ゴリラの顔だ。


「郷田先生!、手を出しちゃダメですよ!先生は生徒を導くんですよ!」


「分かってますよ~、秋山先生~」


デレデレしやがって気持ち悪い。


「郷田~、僕はお前が羨ましいよ。お前は秋山とこれから仲良くなるんだからなぁ~?」


「山田~!!・・!?・・・どういう事だ?」


郷田はゴリラの顔を途中で止め、目を見開き質問をしてきた。

隣にいる秋山は驚いた顔して固まっている、そりゃそうだ、こんなゴリラと仲良くなんてなりたい訳がない。普通ならな、この世界はもう普通じゃない。


「お前はこれから、秋山と仲良くなる。なんだろうな~適当な理由で「馴れ初めから・・・」みたなそんんな感じだろうな。主人公のハーレムの裏で正道な恋をするのは定番だからなぁ~~」


僕はニヤけながらそう言った。


郷田はいやらしい横目で秋山を見ながら「ぐへへ」という気持ち悪い笑い方をしている。

秋山は顔を赤くし「そんな事ないですよ!」と怒った。


「あのなぁ~秋山~」


僕は尻もちを付いたマヌケなポーズを止め、ゆっくりと立った。


そして、秋山に指を指した。


秋山は少し驚いた顔をし、おでこから冷や汗を流していた。


「そんな巨乳は教師で在って教師に在らずだ!!」


アホみたいにデカいπしたがって、流石の僕でもムラっとくる程だ。よく見ると眼鏡の色も赤だ、しかも上の淵がないエロスを感じる系じゃないか。おっぱいに夢中で気づかなったが。

だが、顔は大人と分かるではあるが童顔だな。背も低めだ。


 この属性が詰め込まれている感、間違いない。


「な、何を言っているんですか!!」


秋山は顔を赤らめ僕に向かって大声を上げた、だが、怖くもない。


「ふんっ」


僕は鼻で笑った。


秋山は「なっ!」と言い僕の顔を睨んだ。怖くもない。僕は目を閉じ勝ち誇った顔をした。

やはりな、サブキャラで在る故にか。顔がちゃんとし過ぎて怖くない、もしろ少し可愛いぐらいだ。ハムスターを見ている様だ。


勝ったな。

郷田は僕が少し事実(多分)を言ったら浮かれて唾液を口元に出しながらエロい妄想をしている顔をして動かない。

この秋山もそろそろシビレを切らして「もう知らない!(ぷんぷん!)」てな、感じで教室に戻って行くだろう。


「も、もう――」


ほら来た。


「も、もう、しら、知らないもん・・・」


「え!!」


秋山の声を聞き僕は目を急いで開いた。


僕は目を見開き、秋山の顔を見た。

秋山は目に涙を浮かべ、今にも泣きそうな顔していた。うん?涙を浮かべているって事は泣いているのか?、いや、そんな事は今はどうでもいい、ど、どうしよ・・。


「あ、秋山?、さっき言ったことは嘘だからさ。あんな青いゴリラと君みたいな美人教師が仲良くなるわけないじゃないか?・・・な、だから、泣くの止めて、ね?」


秋山の身長が低く、僕は少し膝を曲げながら秋山の前で必死な顔しながら弁解した。冷や汗が一気に噴き出した僕の顔をみれば秋山も許してくれるだろう。


「!!、ひぐっ!」


秋山は更に泣き出した。もしかして、現在進行形でラブだったのか!?。嘘だろ!?、あんなゴリラがモテるわけないだろう!、゛普通゛!!、あっ、普通・・・か・・・。


え、じゃあなんで泣いてるんだ?。


僕は恐る恐る、右側を見た。さっきから猛烈な視線を感じていたからだ。


「ひっ!!」


僕は肩を震わせ女の様な声な悲鳴を出した。


一組の扉の前と廊下側の窓に怒りの顔をした一組の連中がいたからだ。こ、殺さないで、今から謝るからさぁ~。


そ、そうだ!。高橋も一緒に謝ってもらおう!。そうすれば、なんか良いと思うし!、罪を分散しようとかそういう浅ましい考えじゃないから!、ちゃんと考えた結果だから良いんだ!。


僕は隣にいる高橋の方を振り返った。


「」


「た、たかはし?」


高橋は怒った真顔で腕を組んでいた。


「山田、女の子泣かせるのはないぞ」


真剣な声に思わず「はい」と小声で返した。こいつが良い奴な事を忘れていた。


し、仕方がない。無粋だと思うが少し秋山に質問することにしよう。


僕は秋山の耳元に顔を近づかせ、小さな声で訊いた。


「あの~、僕が言った事で傷ついたなら謝ります。・・・ちなみに、どこら辺で傷ついてんですか?」


続けて


「このままじゃ、僕はこれがキッカケでイジメられてしまうかも知れませんから教えて頂けると嬉しいのですが。」


少し、脅しっぽくってアレだが仕方がない。自分の安全が第一だ。


秋山は小声で震えた唇を動かした。僕は耳を秋元の近くに近づけた。


「、わ、私は教師、むいてないの?」


「え、そこ?」


僕は思わずきょとんとしながら、少し大きな声で言ってしまった。


「あ!」


僕は自分の口を両手で塞いだ。


秋山が物凄い涙を流しながら、しくしくと泣いていた。


「あ、ご、ごめん」


一組の方をチラッと除いた。まるで腹を空かせたライオン顔で僕は睨まれていた、今にも出てきそうだ。怒りから恨みに変わってやがるっ・・こ、怖い・・。


僕は一組から目を逸らすように、隣にいる高橋の方を向いた。


「・・・・そりゃだめだ」


高橋は呆れた顔をしながら、頭を振ってため息を出していた。

 これは、助け船を出さない気だな。だが、これは僕が悪いから仕方がない。


女を泣かしてしまった。それはいけない事だ。


「あ、秋山先生!!すいません!!私が悪いでございました!!許して下さい!」


僕は綺麗な土下座をし秋山の前で大声で慈悲の言葉を叫んだ。

  

 凄いだろう、秋山はこの謝りの言葉を信じているだろうな。いつも楓(かえで)が隣にいる時にニヤけ顔にならない様に鍛え上げた僕の表情筋!、そして、楓からの嬉しい言葉をスカす為に磨いた演技力!、演技の通信教室に半年通ってたこの演技力は見破れまい。


「!!、顔を上げてください!」


「いえ!。許しを貰うまではこの山田!一生地面に頭をつける所存でございます!」


僕はそう言いながら、廊下につけた顔はほくそ笑んでいた。くくっ、引っ掛かりやがって。


「許しますから!顔を上げてください!」


秋山は泣き声を既に収まっていて、焦った声を出していた。そりゃそうだ、現役高校生の全力土下座だ。


「いや、コレ演技なんで。ちゃんと謝るまで待った方が良いっすよ。」


「!!」


高橋!テメェ~~!!!かわいい子には旅をさせよってか!?、ふざけやがって!!そんな澄まし顔で言いやがって!!許さんぞ!!


「た、高橋くん?何を言ってるんだい?、僕は謝っているよ?」


僕は笑みを高橋に向けた。ちゃんと出来ていたかどうかは分からなかったが。


「そうですよね!秋山先生!!」


僕は目の前にいる秋山の姿を見た時、思わず口に出してしまった。

 秋山は僕の土下座に焦っていたのか、しゃがんでいて、そのしゃがみと僕の土下座の時に顔を上げる際の時が丁度重なり見えてしまった。そうか、考えてみれば今日は始業式、ジャージの郷田がおかしいだけで、普通はスーツに決まっている。


「紫のバラぁ??」


「///!!」


秋山は顔を赤面させ両手で自分の股を隠した。スーツスカートの間から見える紫色のバラが刺繍されているパンツを隠したんだ。


いや、スパッツつけろよ。


秋山は僕の顔を見ながらフルフルと顔を震わし叫んだ。典型的な女の悲鳴というヤツだ。


「キャーーーーーー!!!!!!!」


「嘘だろ!ここでかよ!!」


その時、一組のドアが開き、中から一組の連中が飛び出して来た。


「秋山ちゃんに何してんだよ!!」

「サイテーー!!!」

「てか、誰だよテメェ!!?」

「ぶっ飛ばすですわ~!!」


老若問わずヤンキー問わずお嬢様系問わず、僕に突っ込んできた。秋山、お前初日でこれって人気すぎだろ・・・。


てかっ、逃げないと!。


僕は土下座を止め、後ろを振り返り階段に向かって走り出そうした。


「僕が悪かった!今日はこれで終いにしよう!!」


僕が走りながら振り向きざまにそう言った時、何者かに襟を掴まれた。


「!?」


「おい、山田」


郷田!、お前は妄想していろよ!。だが、ピンチはチャンスだ!。


「郷田先生!助けてくださいよ!」


僕は許しの顔で郷田に懇願した。


「山田・・・、俺は教師じゃくて青いゴリラだ。」


「あっ」


「そういう事だ」


「あっ、青いラージャンが良い?亜種で人気出るよ~・・・ははっ」


郷田はゆっくりと拳を握り、ゆっくりと腕を引いた。


「俺はお前が言った、青いゴリラだ」


郷田はニコニコでそう言い、僕の顔を殴った。


「ぐへぇ!!」


僕の体はありえない程飛び、階段付近の階段の中間まで飛んだ。


「お前たちいけぇ~!!!」


郷田の興奮交じりの叫びが聞こえ、そのあと、すぐに一組の生徒の雄たけびが聞こえた。

 戦(いくさ)かよ!?。


「うおおおおお!!!!!」

「うおおおおおお??いないぞ!?」

「こっちに飛んだよな?」

「逃げ足が速いのなんのことですわ~」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「クソッ、高橋の野郎。裏切りやがって!」


・・・いや、考えて見れば、裏切るとかそういう話でもなかった気がする。


なんなら、高橋は正しい事しか言ってないしな。


「はぁ~どうしよ。このまま教室に戻るってもアレだしなぁ~」


僕は郷田に吹っ飛ばされたあと、すぐに動き、一階まで逃げていたのであった。


「始業式だから早めに体育館に行っておこうか・・・」


いや、体育館で一組の連中に見つかったらリンチにされるのは目に見えている・・・。


「おー怖ッ!」


僕は鳥肌が立つのを感じた。


でも、アイツらの見た目は明らかにサブキャラって感じだったから、僕の存在なんてとっくに忘れているかもな。僕はモブだし、もしかしたら、周りのモブと区別がつかないって感じになるかも。


「う~ん。やばかったら逃げるか。始業式から学校早退したらヤンキー認定されるかもしれない。」


ヤンキーに間違われるのは恥だ。


僕は体育館に向けて歩いた。


この学校は本校と体育館の間に通路があり、そこを通る必要がある。間には中庭があって、そこの中庭は僕の中ではお気に入りだ。園芸部があるのかは知らないが美術系にあまり興味がない自分でも凄く綺麗だと思う程だ。


「おっ、やっぱり綺麗だ・・・・。というか、春だな」


中庭には沢山の種類の花が咲いているが、真ん中には大きな桜の木がある。やはり綺麗だ。


   気づかなかったな。桜が咲いているのに。


桜が春の風に靡かれ、綺麗なピンク色の葉を宙に飛ばしている。


 こんなに綺麗なのに僕は気づかなったのか。


「それだけ、楓に夢中だったのか・・・」


胸が痛い。これが、臓器の痛みではないのは分かる。だが、どうして、こんなに痛いのだろうか。


「はぁ~~~」


ため息を出した。冷静になる為だ。


目を瞑り、深呼吸をした。


ふと、昔の事を思い出した。


「健(たける)は大きくなったら何になりたい?」


「僕はね。正義の味方になりたいんだ。」


そう話した、楓との小学校の帰り道。半分冗談だったが、半分は本音の言葉。


「そうだな。幸せを守るのがヒーローだよな・・・」


僕は目を桜の根っこに向け、そう呟いた。


「・・・・・ん?なんだ?」



「おい!こいつのノートヤバッww」


「か、返してください」


「ヤばぁww、絵ウマッwww」


「ウケるんですけどwww」

「マジでぁwwww」


「か、返して下さい!!」


「うわっww、叫んだwww」


「じゃあ、取ってみろよ、ほらほらぁwww」


中庭の隅らへんにいる、女2に男2で髪の長い背の低い女のノートを取れない高さで猫じゃらしの様して遊んでいる奴らがいた。


「う、嘘だろ?」


僕は目を見開いた。


なんで、あんな髪色で学校にいられるんだよ。男の方は中心部分が黒で周りが金髪のプリン型のヤツで。女の方は片方はロングでもう片方はショートカットの金髪。


いや、あんな見るからにの奴らは学校受からんだろ、普通。


・・・・そうか、アイツらも普通じゃないんだ。


アイツらも、サブキャラなのかよ。僕を差し置いて?。アイツよりも下?。


「・・・・ふっ、ふははははは」


許せんなぁ!!!!


僕は上履きのまま、中庭を走って通り抜け、ヤンキーの後方に来た。


「キェェぇぇええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」


僕は足を振り上げた。



。。。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。

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この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




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