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第13話 偶然とか必然とか、なんかめんどい。

1行あらすじ


勇気を振り絞った水野と真の意味で仲良くなる事を僕は決意した。

その後、なんの問題もなく体育の授業が終わった。

 水野と本当の意味で友達になれた気がするのを感じた時間だった。


4時間目の国語の授業は居眠りをしたぐらいで、これといった事に巻き込まれることはなかった。


4時間目が終わっても、カナタと楓を含んだ他三名はクラスに姿を現さなかった。


 学校内にはいると思うが、どこにいったのやら見当もつかない。それと同時に―――




「は~、やっと飯の時間だぜ」


高橋が僕の席の横に椅子を持ってきて、弁当を開く。


「おー、うまそうだな」


高橋の弁当の中身はウィンナーがメインのありきたりな弁当だが、その弁当って感じのが良いのだ。

あと、量が多い。


「さてと、僕も食べますか」


スクールバッグを開き、中を手で探る。いつもなら、弁当に巻いている頭巾が当たるのだが、


「あ、」


 あ~、そういえば、スクールバックに弁当入れるの忘れてた・・・。


「はぁ~」


ため息をつき、肩を落とす。

 財布には、1000円しか入っていないし、なんというか学食とかあんま食いたくないんだよなぁ・・・。パンでも買うか。


「背に腹は代えられんか・・・」


 仕方がない。今日は、朝から何も食べていないのだ。体育が終わった辺りから、腹の音を止めるのに必死だった。


「ん?どした?」


高橋が口に赤いウィンナーを持っていきながら、僕に訊いた。


「いや、弁当忘れたからパン買ってこようかなって」


「じゃ、俺のチョコパンもお願い!。500円渡すから!もちろん、釣りはいらない!」


高橋は、僕に無理やり500円を握らせてきた。


「オケオケ。体育の時、僕を一人ぼっちにした高橋くんに買ってきますよ」


僕は、そう言いながらクラスの扉を開けた。高橋は「ん?何のことだ?」と分かっていない様子だった。

 誰とも友達になれる高橋くんには分かんないでしょうよ。


廊下をコツコツと上履きを響かせながら歩く。

 なんか、人が少ないな。

昼休みに、廊下に出たのは初めてだったので、意外と皆、教室にいるもんなんだなぁ~と思った。


だが、そうではないことが1階の購買に来た時に分かった。


「おばちゃん!!俺カレーパン!!」

「私!アンパン!!」

「俺はカレーライスパン!!」


まるで、満員電車の入り口の様な光景が僕の目の前に映った。


「嘘だろ。」


 絶対、パン買えないじゃん。というか、高橋の野郎はコレが分かってて僕に頼みやがったな…、やけに嬉しそうにすると思ったが、こういう事だったのか。

僕は未来を察して肩を落とす。


「あ、山田」


その時、購買の方から僕の名前を呼ぶ声がした。

 ん?、この声は。


「山田も買い弁なんだ」


顔を上げると、両手いっぱいに色んな種類のパンを持っている水野がいた。


「水野」


 そういえば、水野は、チャイムが鳴る前に「トイレに行ってきます」とか言って教室にいなかったな・・・。まさか、一番乗りになる為にしたのか?。意外と策士だな。


「・・・・山田、一つもらう?」


「え、いいの?」


水野は頷いた。水野は、僕の前にしゃがんで、胸に抱えているパン達を取りやすい様にしてくれた。

 これじゃまるで、遊園地に来た子供にキャストが風船上げる時みたいだな。


僕は、ジャムパンを取ろうとしたが、水野の顔があからさまに動揺していたので、その隣の塩パンにした。水野は顔を明るくした。


「山田って、このあと教室に戻るの?」


「うん、そうかな。」


「・・・・そっか」


水野は顔を俯かせた。その水野の表情を少し見ると、僕は察した。


「あ、購買の人だかりが無くなるまで、待っててくれない?。一人じゃなんか暇なんだよねぇ~」


水野は、目を少し見開きぱっと顔を明るくした。


「う、うん!。」


僕と水野は壁にもたれかかって、購買から人がどくのを待った。

水野は壁にもたれながら、パンを一つ開いた。僕が取ろうとした、ジャムパンだ。

 好きなものは最初に食べるタイプか。

僕は顔を上げながら、水野がジャムパンを小さい口に頬張るのを見た。

 行儀がいい動物の食事みたいで、なんか…かわいい・・・・。


「ん?どしたの?」


水野は口をもぐもぐとしながら僕に訊いてきた。僕は急いで顔を水野から反らし「な、なんでもないよ」と言った。

横目で水野を見ると、唇に付いた赤いジャムを親指で取り、ペロッと舐めていた。


挿絵(By みてみん)




「山田ってさ、朝比奈さんと付き合ってるの?」


「え!?」


水野の、唐突の質問に僕は驚きの声を上げた。

 僕と楓が付き合ってるって!?。


「その反応って事は、付き合ってはいないんだ~」


水野は、ジト目で僕を見下ろしながらそう言った。

僕は、何度も頷いた。


「うん!うん!。・・・・というか、そう見えるの?」


水野は、少し笑った後に、「見えるよ~」とほくそ笑みんだ。


「1年の時に、山田と朝比奈さんが並んで帰ってるの見て、いいなぁ~って思ってたもん」


「そ、そう?」

 

 なんだか少し照れる。


「だったら、どういう関係なの?。」


「どういう関係?。・・・・幼馴染ってだけになったなぁ~」


「だけ?」


水野は首を傾げる。その間に、水野は4個目のパンの袋を開けていた。ピザパンだ。


「うん。本当にそれだけの関係になった。」


「゛なった゛って、どういう――――・・・はっ!!」


水野は、突如、パンを口に運ぶのを止め、少し目をキョロキョロとさせた後に、「ごめん」と一言。

 な、なんか、勘違いしてるな・・・・。


「いや、水野が思ってる様な関係じゃないよ。」


「あ、本当?。」


「強いて言えば、家がちょっと近い友達みたいな感じ?。」


水野は、「ふ~ん」と鼻で言うと「そうなんだ」とパンの袋を開けながら普通に言った。

 女というのは分からんな。なんでもかんでも恋愛に繋げようとする。


「あ、人がいなくなったな」


僕は人がいなくなった購買に歩を進めた。

 

「高橋はチョコパンだったよな・・・。あれ?」


 食パンしかない、あと、塩パン。

つーか、なんで食パンがあるんだよ、普通はないだろ。あ、でも、250円か、割とお得かも。余ったら家に持って帰ればいいか。


僕は食パンを買って、買い物が思った。なんとも、味気がない買い物である。


「ま、いいか。腹は膨れる」


そう言いながら、食パン片手に水野がいる所まで戻っていった。

戻ると、水野はパンを既に全部食べていて、袋も近くのごみ箱に捨ててきていたようだった。

 

「あ、塩パンも食べる?」


「ははっ、ウチはそんな大食いじゃないよ。あとは弁当食べるだけだし」


 あんなにパンを食べた後に、弁当を食うのか・・・・


「そ、そっか。じゃ、また教室で」


「え、あ、あ、・・・う、うん」


水野は見てわかる様に肩を落とした。

 なんだか、可哀そうだな。・・・・仕方がないか。


「あ、水野がよかったらなんだけど、どっかで一緒にご飯食べない?」


水野は顔を明るくした。


「山田が良いならだけど、外のベンチで食べてもいい?」


「いいよ。」


一緒に靴箱に行き、靴に履き替え、外に出た。水野は革靴だった。


少し、歩くと運動場が見える所にベンチが等間隔で配置されいた。学校内にこんな所があったのに僕は初めて気づいた。


そこで、人が座っていないベンチに座った。

僕の隣に水野が座っている感じだ。


「ここで食べてみたかったんだよねー」


「なんで?」



水野はスクールバックから大きい箱の弁当を取り出した。



「青春ぽいじゃん!」

 

 そのドカベンは青春感ぜんぜんないけどね。


「そっか」

 

 でも、本当に嬉しそうだな。

水野が、太ももの上に置いた弁当の蓋を開けるを横目で見て思った。


僕は食パンの水色の変な留め具を外して、食パンを一枚とって口に運んだ。


 意外とイケるな、程よく甘くておいしい。


「・・・・」


 な、なんか、視線を感じる。


「山田って、いつも食パンだけなの?」


箸でハンバーグを掴んでいる水野が、首を傾げて訊いてきた。


「あ~、今日、家に弁当忘れちゃったんだよね。いつもは弁当だよ」


「そうなんだ・・・・。ハンバーグもらう?」


水野は、箸で掴んでいる大きめのハンバーグを僕の方へ向けた。


「いや、悪いよ。大丈夫ありがと」


僕は軽く笑いながらそういった。


「ほんとに?、ハンバーグを食パンに挟んだらおいしいと思うけど。」


「・・・・・」


 ・・・・・・確かにおいしそうだ。


ぐ~~~、と僕の腹がなく。


 恥ずかしい・・・・。


「ふふっ、上げるよ!ハンバーグ!」


水野は、笑いながら僕が手に持っている食パンにハンバーグを乗せた。


「あ、ありがと」


「いいよ。いつもは弁当はトイレで食べてたから。山田には恩がある」


水野は、真剣な表情で僕のことを見る。


「そっか、なんか照れる。」


僕は水野の顔を見るのが、なんだか恥ずかしくて、食パンに挟んだハンバーグに目を逸らした。


「山田・・・・、明日も一緒にご飯食べない?」


水野は、顔を赤らめ、僕に訊いてきた。勇気を振り絞って僕にそう言ったのが、肌感で伝わった。


「うん。いいよ」


僕は、ハンバーグサンドを頬張りながら、軽い感じで即答した。


「・・・・うれしい、ありがと」


水野は、小さな声でそう言った。


 水野はいい子だな。


その後、僕は水野とベンチでご飯を食べながらしばらく談笑した。

水野は中学の時代は、結構上手なバレーの選手と有名だったらしい。その身長なら、そうだよな。と思ったが、全国優勝とかも何回かしていて、本当にバレーエリートみたいな感じだという事が分かった。


「前も言ったけど、燃え尽きたんだよね~。」


水野は、可愛らしいエビフライを口に運びながら、のほほんとした目で軽くそう言った。


「あ、そういえば、その燃え尽きた理由ってなに?」


「う~ん。」


水野は、悩んでるように唸りながら、弁当の中にあるいっぱいの具材を次々と平らげていく。

弁当の中身が少なくなってきた時、水野は徐に口を開いた。


「あ、思い出した。飽きたから辞めたんだ」


 さんざん悩んだ答えが「飽きたから」か・・・。まぁ、天才的な回答と言ったらそうだけど、なんというか、そんなもんなんだ。


「へぇ~、そうなんだ。そんままバレー続けていけば、職にも困んなくてお金も稼げたのに」


思ってる事をそのまま言った。

水野は、そんな僕の言葉を全く気にしていない様子で、弁当持ち上げ平らげようとしていた。


「飽きって、本当に飽きるよ」


と軽く水野が弁当を食べながら言ってたのが、なぜか印象に残った。


そして、腹を満たした僕らは、五時間目の英語の授業の為、教室に戻る事にした。


靴箱で、水野がしゃがんで靴を履き替えるのを横目に、僕は靴箱から上履きを取り出し、足だけで履いた。


「あ~今日は楽しかった!。」


階段を登りながら、水野はそう言う。

水野は背が高い分、足も長いので、僕が一段一段登っているのを、水野は二段飛ばしで平然と登っていく。普通に歩いていても距離が出来てしまう。


その時、水野が振り向いた。

階段で、水野が上だった分、余計に水野が大きく見えた。


「山田、友達になってくれてありがとね!」


水野は、僕の肩に手を置きながら、ニコッとした明るい笑顔をした。


「僕も水野と友達になれて良かったよ。ありがとね」


水野は「そっか!」と笑顔で言った後に、前を向いて、教室がある二階へと階段を登っていく。

 

 なんか、この学校って一階と二階の階段が長いんだよな。普通の学校の階段の長さを越えてる気がする・・・。どーでもいいか、普通の学校よりも一階と二階が大きいってだけだもんな。


「あ、そういう事か」


水野は、二階の廊下を歩いている時に、ふと何かを思い出したかの様に口を開いた。


「どした?」


僕はすかさず訊く。


「朝の体育館で話の事覚えてる?」


「あ~あの十二邑っておかしい人の話?」


「そそっ。あの人が言ってたランキングあったじゃん。山田は何位だった?」


「534位、だった様な気がする」


「あ、意外と高いね」


「534って高いか?」


「この学校って結構マンモス高だからね。割といい方だよ。」


 そんなに、この学校って人数いたのか。普通の学校と同じ位の人数だと思ってた。


「でさ、ウチの順位なんだけど―――


ドンッ!


その時、水野と僕は喋りながら歩いていたので、前方から歩いてくる人に水野はぶつかってしまった。


「あっ!すいませ!」


水野は、急いで頭を下げる。

 あ、やべっ、話に夢中になりすぎちゃったな。僕も謝ろう。


「あ、すいま―――!!!」


前方の方に目線をやると、そこには男が立っていた。


 !!!、コイツは!水野がぶつかったヤツは!!


無意識に顔を上げると、その男は真顔で水野を見下ろしていた。


「あっ―――」


水野は、冷や汗を額から滲ませながら後ろに一歩後退する。


約2メートルある水野が顔を見上げる程、男は大きかった。男は、水野を目だけで見下ろす。


「龍雲・・・」


 この学校でランキング4位の男。

朝の体育館で、舞台の上で不良生徒を片手で振り回し投げたほどの力もある。

というか、そんな危ないヤツがなんで、この廊下にいるんだよ。

 あ、コイツもそういえば、二年だったような・・・・。


僕は周囲を見渡す。

廊下にいる生徒たちが、水野と龍雲の緊張をかたずを呑んで見ている。誰も、仲裁に入りたくないし、関わりたくないって雰囲気を出している。

 そりゃ、そうだ。僕ら、生徒は見ている。龍雲が生徒を片手で持ち上げ、投げて失神させた瞬間を。

そして、なにより、龍雲はデカすぎる。

 こんなヤツに関わりたいって思うのは、スポーツ関係者か変わったヤツぐらいだ。

僕だって、本来なら関わりたくない。


 本来ならな。


「ははっ!!龍雲くん!、ごめんね!ぶつかってしまって!」


水野と龍雲の間に入り、僕は大声で笑いながら、この問題がそんなに重要じゃないって感じで龍雲に謝った。

 僕の体・・・汗を体からだすなよ。こういう時は、案外ちゃんと謝ったら穏便になるもんだ・・。


だが、龍雲は一言も発さずに目だけで僕の方を見ている。いや、見下ろしているっ方が正しいか。

 

 この空気は、なんかヤバい気がする。


廊下は、生徒が誰もいないみたいにしんっとしたまま、周りの生徒が唾を呑みこむ音が微かに聞こえる。


「えっ」


僕は、水野の手を掴み、この場を離れようとした。


「ははっ!ごめんね!龍雲くん。これからは気をつけるよ!」


僕は笑いながら、水野の手を引っ張りながら、龍雲を通り過ぎようとした。


 よし!、通り抜けられる。龍雲がなんも言わないけど許したって事だろう、そう思っておこう・・・。


龍雲の横を通り過ぎる、その時、


水野の小さい悲鳴が聞こえたと同時に、水野の手からなにか重さが増えた気がした。


僕は肩越しに振り向く。


龍雲が、言葉を発さずに、前を向いたまま、水野の二の腕を掴んでいた。


 「!!!!」


僕は、この時焦って、色んな考えを思考した。


 やべっ!!、タメ語なのがダメだったのか!?。龍雲って意外とプライド高い!?。

 あ、水野の二の腕掴まれてる!なんとかしなきゃ!!でも、どうすれば!?

 もっかい!もう一回ちゃんと説得しよう!!

 龍雲がそれでも怒ったままだったら、土下座をしよう!。

 次はちゃんと敬語で!!。


「龍雲さん!――!」


その時、水野は目をぎゅと瞑り顔を歪めて、


「痛っ!!」


と言った。


その声を訊いた時、僕は何を血迷ったのか、掴んでいる水野の手を離した。

そして、水野の腕を掴んでいる、龍雲の手を引きはがした。


この行動までは、無意識だ。

よくあるヤツだ。困ってる人がいると体が動く、そういうヤツだ。

ここまでが――。


龍雲っていう明らかに強い奴、背も高すぎる、しかも筋肉も大きい。顔も怖い。


それを分かっている筈なのに、僕は――。


「ブチ殺すぞ、テメェ」


と言ってしまった。


廊下中が声にならないざわめきで包まれる。


 こんな僕ですら、ヤバいと思うんだ。

そりゃ、そうだ。

 周りの生徒たちは、僕と龍雲の身長差も体格差も見えている。


そりゃ、これから起こる事を安易に想像できるだろう・・・。


その時、龍雲と目が合う。


全身の毛が一瞬で逆立つ!!。



。。。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。

感想!!!アドバイスお願いします!!

この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




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