幕間F 〜800と1年の妄執〜
ようやく出発したことを、神経が教えてくれる。
目を失った、
耳を失った、
舌を失った、
鼻を失った、
そして肉体を失った。
しかし、問題はない。
分かるから。
感覚器官が正常に機能していなくとも、俺が理解できるのは自然の摂理だ。
そう言う因果が成り立っている。
心の中で呟く。
今は何年だ?
あと何年だ?
何を変える?
何を変えない?
焦りを感じる。
しかし問題は無い。
どの道この俺は詰んでいるから。
一歩一歩近づいて、最後に届けば良いのだ。
伏線は張った。
俺は一本しか張ってないが、きっと誰かがまた一本張るのだ。
そして最後には、選択が、行動が、全てが回収される日が来る。
俺は1年延ばした。
だから。
どうか。
次はお前が終わらせてくれ。
そこまで考えて、虫の息だった俺は力尽き、この世から抹消された。
因果は収束し、観察者は微笑む。
諸事情により2月いっぱいは失踪するので、悪しからず。




