月光 武器調達
「ちょっとソラキ!弓邪魔!」
「しょうがないだろ?これでも気をつけてる」
日菜が拠点に着くと、入り口のすぐ前でルナとソラキが喧嘩していた。ルナの頭にソラキが背負っている弓が当たったらしい。
「どうされたんですか?」
「日菜ちゃん聞いてよ〜!ソラキの弓が私の頭に何度も当たるの!」
「しょうがないんだって!」
「うっさい!」
ソファで寝ていたマイが、2人の喧嘩で起きてしまいものすごい大声で怒鳴った。その声に、3人とも肩が跳ねた。
「ご、ごめ〜ん……」
「そ、そういえば、香の武器は?」
「えっ、私ですか?」
2人は慌てて日菜に話をふるが、日菜はまだオルディナツィオから専用武器を支給されていない。
専用武器とは、ソラキの弓のように、その者の技や身体能力に合ったオルディナツィオが作った武器のこと。
それと、今更だが技とは、ムンドゥスでその者しか持っていない能力のこと。その者だけと言っても、家系で引き継いだりなどはある。
「私はまだ制作段階で、支給されていないんです」
「えっ、ならすぐに武器や行こう!」
「そうだな。リーダー!アザリアガーデン行ってくる!」
「あぁ」
ユヅキの了承が取れると、2人は日菜を持ってアザリアガーデンに向かって行った。
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「あの、武器屋なんてアザリアガーデンにあるんですか?」
「あるよ〜!一応、オルディナツィオの構成員っていう証明書が必要だけど」
ムンドゥスで武器屋がそこら辺にあるのは不思議なことではない。ただ、その大体がオルディナツィオの構成員用の武器なので、武器を買ってもいいと証明する証明書が必要だ。
アザリアガーデンもムンドゥス最大のショッピングモールということで、武器屋は何個かある。安全確保のために、すべてがローズディレディ家が管理している。
「こんにちは〜!」
「よっ、哈奥拉」
アザリアガーデンの中で、日が当たっていない薄暗いところにある武器屋に2人は流れるように入った。その店は『アルマディ』と言って、竜人という種族である哈奥拉が店主を務めている。
「ソラキとルナか。おや、その子は新人か?」
「あぁ。香は今年の試験で唯一の合格者なんだ」
「ほう、そりゃすごいな」
哈奥拉は自身の顎を撫でながらまじまじと日菜を観察する。日菜はそれに気恥ずかしくなったのか、体を縮こませていた。
「で、今は香の専用武器が製作段階だからここに買いに来たんだよ」
「なるほどな。お嬢さんの技は?」
「光速俊足といって、物凄いスピードで動くことができます……」
「なら、軽い小型ナイフがいいだろ。ちょっと待ってろ」
哈奥拉はそう言うと、カウンターの奥の部屋に入って行った。姿は見えないが、何やら探している音は聞こえた。
3人はその間に色々と武器を見て回る。アルマディはナイフや銃、武器以外にも通信機器も取り扱っている。
「もしな、オルディナツィオで殉職者が出たら、親族に許可をもらえたら、その人の専用武器を売れるんだ」
「え………?」
「専用武器って言うけど、技を家系で引き継いでたりしたら、武器も引き継がれるからねぇ」
それと、アマルディは専用武器の修理身担当している。哈奥拉が専用武器開発に関わっており、武器の構図を知っているからだ。
専用武器の修理ができるのはオルディナツィオ本部の武器製造部と、アマルディのみ。アマルディは、キウィタス一、要するにムンドゥス一の武器屋だ。
「お嬢さん、このナイフとかどうだ?収納もしやすいぞ」
「おっ、新作?」
「あぁ。新作を作ったらまずはお前らに試してもらうのが一番いい」
哈奥拉は日菜にナイフを渡すと、エプロンのポケットに入れていたリモコンを取り出した。そして、リモコンの緑色のボタンを押すと、何も武器が飾られていない壁が奥に下がった。壁の奥の部屋はマネキンが置かれてある修練場だった。
「ここで試してみろ」
「わかりました……」
日菜は光速俊足で一気にマネキンまで距離を詰め、ナイフを振った。もの凄いスピード相まって、マネキンには普通にナイフを振っただけじゃ付かないような傷がついた。
「よし。いい感じだな。それじゃあ、これを最終的に整備するから、明日取りに来てくれ」
「ありがとうございます!」
「じゃ、帰ろ〜!」




