月光 ショッピング
「日菜ちゃーん!」
「ゔっ……」
日菜が月光の拠点で休憩していると、突然ルナがものすごいスピードで抱きついた。その衝撃で、2人が座っていたソファに倒れ込む形になっている。
「ルナさん、どうしました?」
「ショッピング行こ!」
「ショッ…ピング?」
日菜が呆けているすきに、ルナは日菜を担いで拠点を出て行った。
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「よーし、着いたぞ〜!」
トレーメンに乗って2人が訪れた場所は、キウィタスの中でも最大のショッピングモールである『アザレアガーデン』。ここは、様々なブランド店が置いてあり、キウィタスの経済を支えている。
「日菜ちゃんはアザレアガーデン、来たことある?」
「たまに何回か。一人暮しを始めてからは来たことありません」
「え!?なら、まずは服見てみよう!」
ルナに手を引っ張られ、近くにあった服屋『ファルティ』に入店する。ファルティは主に女性用の服を売っていて、若い女性層には人気の店だ。
「日菜ちゃんならどれでも似合いそうだな〜。あっ、これとか試着してみよう!」
ルナが日菜に似合いそうな服を片っ端から取ってくる。日菜は少し困惑しながらも渡された服を順番に試着していた。
「どれも似合うなー……」
「あの、ルナさんの服は?」
「ん?私のはいいよ!今回は日菜ちゃんの初任務成功記念!」
ルナはそういうと、「他の店も見てみよう!」と言って店を出て行った。
その後、ルナは次々と店に入っていき、日菜が慌てながらもルナについていった。そうしていると、いつの間にか正午近くになっている。
「美味しそうな店は………」
「ルナさんは何が好物なんですか?」
「私は甘いものに目がないの〜!」
「ならあそこのカフェに行きましょう」
日菜が指差した店は、扉の上に薔薇の紋章が描かれているカフェ『レディローズ』だった。ちょうど、今の季節限定のパンケーキを売っていて、それを見たルナは目を光らせた。
「へ〜、ローズディレディ家直属の店なんだ。日菜ちゃん、いいところに目をつけたね」
「ローズディレディ家?」
ローズディレディ家は、アザレアガーデンを経営している家。アザレアガーデンの他にも様々な事業を展開しており、ムンドゥス全体の経済を支えている。
そんなローズディレディ家の代表的な事業としてアザレアガーデンが有名だが、そのアザレアガーデンの中に、ローズディレディ家が考案、設立した店が何軒か入っている。そのどれもが、高品質で人気が高い。
「季節限定ハーブティーパンケーキを生クリーム大盛りで!」
「じゃあ、私はふわふわパンケーキを」
「かしこまりました」
レディローズ内はレトロな内装になっていて、暖かい茶色と白色が気持ちを落ち着かせるようになっている。
「ハーブティーパンケーキ生クリーム大盛り一つと、ふわふわパンケーキ一つお持ちしました」
「お〜!美味しそう!」
「ルナさん、シロップどうぞ」
「ありがと〜」
2人はパンケーキにシロップをかけると、ふわっとした生地にナイフを沈ませていく。パンケーキの生地が柔らかく、簡単には切れない。
「ん〜!おいし〜!」
ルナはものすごい勢いでパンケーキを食べ終え、もう一つ注文しようとしている。日菜は紅茶を飲みながら、少しずつ食べている。
「すごい食べますね」
「私、結構大食いなんだよね〜。この後はどうする?」
「私はどこでもいいですが……」
「なら文房具店行こ!日菜ちゃん、前に何か欲しいって言ってなかった?」
「はい!ありがとうございます」
自分が言ったことを覚えてくれて嬉しいのか、照れを誤魔化すように先ほどよりも急いでパンケーキを食べている。ルナは、そんな日菜の様子に笑いながらも、パンケーキを食べ続けている。
「よし!お腹いっぱい!それじゃ、文房具店行こう〜!」
「はい!」
2人はカフェを出ると、文房具店にまで少し駆け足で向かっていった。




