月光 新規部隊と婚約
〔オルディナツィオ本部前、オルディナツィオ本部前に到着致します。〕
今日は休日というわけではなく、普通に拠点に出勤するべきなのだが、なぜか日菜は会長に呼ばれていた。
今回は駅についてもマリアはおらず、本部のロビーに着くと、以前教えられたエレベーターに乗って会長室のある最上階へ向かう。
「失礼します……」
「来たわね。座ってちょうだい」
日菜は静々と前と同じ場所に座る。それと同時にマリアがライナーと日菜に紅茶を出した。
紅茶を飲むと、前と違ってちゃんと味がする。一度来たからか、前よりは緊張していない。
「それで、今回あなたを呼んだ理由なのだけど………、近頃、新規部隊を設立しようと思ってるの」
「新規部隊……、ですか」
今、オルディナツィオにある部隊は、モンストゥルム討伐部隊、武器製造部隊など様々ある。
このほとんどがオルディナツィオができてから変化のない部隊。新規部隊が設立されるのは、何百年以来になる。
「えぇ。名称は決まっていないのだけれど、その新規部隊、あなたに入って欲しいの」
「私が……、ですか……」
「オルディナツィオ歴史上最難関の試験を突破した貴方だからこそよ。今の所、貴方しか隊員を検討していないのだけれど………」
重要な話だが、ライナーの優しい物言いに、日菜の緊張はほぐれた。だが、それでも、隊員1人の部隊など、類を見ない。
日菜はそれをきちんと理解をしているため、表情はほぐれいているが心の奥では緊張しているため、紅茶を飲んでも再び味がしなくなった。
「その……、私が入る新規部隊の目的は……」
「異動よ。モンストゥルム討伐部隊異動部隊。今のところはこう称しているけれど、しばらくしたらきちんとした正式名称を立てるわ」
「異動、とは」
「異動部隊は、様々なモンストゥルム討伐部隊のチームに異動してもらうの。この部隊は様々なチームと触れ合うため、色々な任務が出てくる。なので、危険なことも増えるわ。それと、最終的にはモンストゥルム討伐部隊筆頭部隊として思ってに立ってもらうつもり」
「筆頭部隊!?」
モンストゥルム討伐部隊。
例えば、日菜のいる月光チームだったら、正式名称は『モンストゥルム討伐部隊月光』となる。日菜の所属する異動部隊は、異動部隊が正式名称ではなく、『月光』の、その部隊だけの名目が必要になる。
そして、その様々なチームがモンストゥルム討伐部隊にはあり、それの筆頭部隊になると、会長であるライナーに代わり、モンストゥルム討伐部隊を率いると同義だ。
「まぁ、まだ検討段階だから。これが書類ね。それじゃあ、少しの間考えておいて」
ライナーのがそういうと、日菜は少しギクシャクなりながらも会長室を出た。
そのあと、いつも通り月光の拠点に向かったが、頭の中ではずっと『モンストゥルム討伐部隊異動部隊』のことを考えていた。
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「遅くなりました」
「あっ、日菜ちゃん来たよ!」
「へっ?」
月光の拠点の扉を開けると、目の前にはソラキとルナとマイの3人が何やら話し込んでおり、日菜が来たことに気づくと全員が安堵の表情を浮かべた。
「頼む!香!俺と婚約してくれ!」
「…………はい?」
「ちょっ、告白ってわけじゃなくて、ソラキの親がね、「結婚しろ」ってうるさいらしくて、偽装で婚約相手を探してたんだよ!」
「で、私とルナは嫌だから、あとは貴方しかいないのよ」
「えっ………と、ならいいですけど………」
「「「えっ!?」」」
日菜の簡単な了承に、頼んでいた3人が呆気な顔で驚いた。
「いや、頼んでんのは俺だけど、いいの?」
「い、いいです……」
「マジで!?いいの!?」
「えぇ……」
日菜の呆気ないとも言える返事に、3人は日菜を揃って心配な眼差しで見るが、すぐにソラキは日菜に大感謝していた。




