月光 専用武器と双子
今日の日菜は、休日にもかかわらずオルディナツィオ本部に訪れていた。
理由は、日菜の専用武器ができ、受け取りに来たからだ。
専用武器は本人の意見を取り入れはするが、完成形や制作段階はオルディナツィオの武器制作部と哈奥拉しか知らない。
「すみません……。武器製造部ってどこでしょうか………」
「武器製造部は4階にあります。エレベーターはあちらです」
受付の人に教えられたエレベーターに乗って4階に向かう。ムンドゥスのエネルギー源は石油などではない。
(えっと、ここだよね………?)
オルディナツィオの部屋はどこもIDカードを、機械に認証する必要がある。IDカードは簡単に偽造できるものではなく、オルディナツィオの最先端技術を使われて作られている。
「失礼します……」
「おっ、この前のお嬢さんか。ほれ、このカバンに入ってるのがお嬢さんの専用武器だ。試作ということにはなってるが、お嬢さんが扱えるようになっている。別にお嬢さんに不満がなければ作り直さなくていいぞ」
「ありがとうございます。哈奥拉さん」
日菜の武器はカバンに入るほどの大きさだ。この大きさの武器は珍しい。マイやソラキのように、担いだりしないと運べないのが大体だ。
「ん?お前……」
「えっ………と、カイキさんでしたよね?」
「あぁ。正解」
武器製造部を出て、一階のロビーに降りるとカイキが、隣のエレベーターから出てきた。
日菜は一俊、頭の中でソラキの名前が浮かんだが、カイキの方が少しだけ目つきが悪いので、間違えずにすみほっとしている。
「今日って月光休日だろ?本部にどうしたんだ?」
「専用武器ができたので受け取りに来たんです」
「へ〜。その大きさの武器ってのは珍しいな」
「確かに、ソラキさんもカイキさんも大きいですよね。カイキさんはなぜ?」
「俺は武器の修理。昨日の合同任務でヒビができてたんだ」
日菜は合同任務で出会ってから心の片隅でカイキのことを警戒していた。カイキは日菜のことを、ソラキのことをイジることができる、面白い奴という認識だった。
だが、日菜は警戒はしていてもソラキと同じ姿だからか2人とも親しく話をしていた。
「よし。一緒に外歩こうぜ?」
「外、ですか?」
「あぁ」
カイキは何やら企んだような笑みを浮かべたが、日菜はそれに気づかず了承した。
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「カイキさん、何か買いたいものでもあるんですか?」
「いや。……………そうだ。お前の初討伐祝いで何か買ってやるよ」
「え!?悪いですよ!」
「善意はありがたく受け取れ。『ローズセーラ』で何か奢る」
本部を出て、キウィタスのそこら辺を歩いていた2人。カイキが日菜の初討伐祝いとして『ローズセーラ』という、ムンドゥスで一番大きなカフェで何か奢ろうとしている。
「香、何が好きだ?」
「えっと、ならガトーショコラの………」
「ケーキにするか」
カイキが慣れた手つきで注文を済ませ、持ち帰り用の箱に入ったガトーショコラケーキを受け取り、日菜に渡した。
「ありがとうございます……」
「いいって。それよりも…………」
「カイキ……、お前………」
「ソラキさん!?」
カイキが向いた方向には怒っているのか驚いているのか、どちらとも取れる表情をしたソラキがいた。
「なんで香とお前がいるんだ」
「別にいいだろ?」
(仲悪い…………)
その後、2人の言い争いで十分ぐらいすぎ、偶然にも通りかかったルナと蘭香によって、カイキとソラキはそれぞれ引きずられて帰っていき、日菜もルナについて帰って行った。




