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ユニタスモビリス  作者: 桐紋橘
月光での日々
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11/24

月光 他チームとの合同任務:顔合わせ

「合同任務……ですか」

「そうそう!日菜は初めましてのチームだよ」


(私、オルディナツィオのチーム2つしか知らないから、大体初めましてだけど)


 合同任務。


 オルディナツィオ内ではよくあることで、大量のモンストゥルム討伐任務が大体の内容だ。


 合同任務は新人がいるチームが当たることが多い。「入ってきたばかりなので他チームとの交流を大切にする」とい会長であるライナーの思いからの、暗黙の了解。


「リーーダーー!俺、今日の合同任務休んでいい?」

「ダメだ。ここにいる者は絶対に来てもらうぞ」


 ソラキが合同任務を休もうとするが、ユヅキに一蹴される。ソラキは明らかに嫌な顔をしていて、日菜はそれを不思議そうに見ていた。


「あの、ルナさん。ソラキさんはなんで休みたいんですか?」

「それはね〜〜〜、今回の合同任務が『金烏(きんう)』だからなんだよ」


 『金烏(きんう)』。


 そのチームにはソラキの双子の弟が所属している。そして、ソラキと弟は仲が悪い。だからこそ、ソラキはできる限り弟には会わないようにしていた。


「金烏にはソラキの双子の弟がいるんだよ。で、2人ともめちゃくちゃ仲悪い」

「なるほど………」


 日菜は兄弟がいない。そのため、兄弟がいる人を少し羨ましく思っているが、それと同時に兄弟がいたらどうなっていたか少し不安にもなっていた。だが、やはり羨ましいという思いが強いので、ソラキにも仲が悪いにしても「羨ましい」と思ってしまう。


「私は一人っ子なので少し羨ましいです」

「いや、兄弟いない方がいいぞ。()()()は意地悪ばっかりだからな」

「はいはい。弟君への愚痴はそこらへんにして、任務に行くよ〜」

「ちょっ……」


 ソラキにルナは首根っこを掴んで引きずって行った。マイとユヅキにとっては日常茶飯事の出来事で、何も反応せずに2人の後をついていく。日菜は少し呆けながらも4人についていった。


——————————————————


「あっー!ルナちゃん!」

蘭香(らんこう)ちゃん!久しぶり〜!」


 金烏との合流地点につくと、既に金烏は全員揃っていた。その中の1人の少女がルナに飛びつき、ルナもそれを笑顔で受け止めた。


「あ、あなたが香日菜ちゃん?私は『蘭香(らんこう)』!よろしく!」

「よろしくお願いします……」


 蘭香はルナから離れると、日菜の手を掴んで勢いよく握手した。


「——————よっ!」

「ひゃあ!!!だ、誰ですか!?」


 蘭香の激しい握手が終わって、少しだけ一息ついていると、後ろから誰かに大声で話しかけられた。その人は日菜の反応を見て楽しんで笑っていた。


「おい、カイキ!香を驚かすな!」

「あ?いいだろ別に」

「よくない!香に近づくな!」


 驚かしたのはソラキの双子の弟の『カイキ』。ソラキと瓜二つで2人とも黙っていれば、見分けがつかないほどだ。


 ソラキとカイキは仲が悪い。カイキが日菜を驚かせたことに対して、ソラキは怒っているのか焦っているのか、日菜に抱きついた。というよりも、覆い被った。日菜は少し苦しそうだ。


「ちょっ、ソラキ……、さん……」

「ソラキ!日菜ちゃんが苦しがってる!」

「おっ、ごめん……!」


 ソラキは無意識だったのか、覆い被っていた日菜に気づいて慌てて離れた。カイキは先ほどからそれを見ながらニヤニヤ笑っていた。


「カイキ、挨拶しなさい」

「へ〜い。俺はカイキ。兄さん、ソラキの双子の弟だ。よろしくな」

「よろしくお願いします」

「香!カイキとは関わるな……」

「ソラキ」


 ソラキの過剰なほどのカイキへの警戒に、ユヅキは頭に一発だけ拳を下ろす。ソラキは(うずくま)って唸っている。


 その間に、金烏の1人の女性が日菜に近づいた。


「挨拶が遅れました。私は金烏のリーダーの『ナナ』です。よろしくお願いします」

「よろしくお願いしますっ!」


 眼鏡をかけて、銃を背中に担いでいる女性は『ナナ』。金烏のリーダーだ。日菜はナナに勢いよく頭を下げた。


 そのナナの後ろから小さな動物、たぬきが現れた。


「やぁやぁ。わいは『信楽(しがら)』ゆうものや。よろしく頼むな」

「は、はい!よろしくお願いします!」


 たぬきに驚きながらも信楽(しがら)に対しても頭を下げる。


 信楽は獣人の中では珍しく、動物の姿のままだ。姿は滋賀県の信楽焼に少し似ている。


 獣人がオルディナツィオにいることは珍しくない。というより、オルディナツィオの三分の一は獣人だろう。


「さて、それでは顔合わせも終わったので、任務に行きましょう」

「はい!/あぁ」


 ナナの声かけに全員が返事をして、任務先へと大所帯で向かっていった。

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