17話雑務?いいえ、これは皇帝陛下からのお願いです。
「兄上っ!おれだけを呼ぶならまだいい。なんでフィーナも呼んだんですかっ!?」
玉座に入って静かにボクを降ろすとすぐに、リンは皇帝陛下の胸ぐらを掴み、皇帝陛下をグラグラさせながら言った。
え、、、?皇妃様の目の前だよ?そんなことしていいの?
「馬鹿兄上っ!どうせ今日も雑務だろ?そんなもの自分でやれ!自分(皇帝)のハンコだけ必要な書類だけやってさ!後はおれに任せるとか!一国の王がやることじゃないでしょ!!」
「ルト、一旦落ち着こう?どうどう。」
あの、、陛下?それは馬にやるやつじゃ、、、?
「落ち着けるわけないだろ!?こっちは週5で雑務雑務雑務!ふざけるのも大概にしろ!後、おれは馬じゃない!」
「今日は雑務じゃないから、、、」
リンにグラグラされている皇帝陛下は必死にリンを宥める。
けどリンは。
「とか言って雑務でしょっ!?」と叫ぶ。
それに「うん、まぁ。」と言う皇帝陛下。
いや、雑務なんか〜い!!
「本当にふざけんなよ兄上!書類もうやだ!!!」
ケンカ(?)が起こりそうになっている玉座の間。止めた方が良いのかな?
「リン、陛下が困ってるよ?書類仕事ならボクも手伝うから、、、ね?」
「フィーナがそういうなら、、。」
渋々と言った感じで怒るのをやめたリン。
でも、皇妃様が何も言わないんだったら日常だったのかな?
まぁ、いっか。
「で、わざわざボクとリンを呼んだのは何故ですか?陛下。」
ボクが質問すると、陛下が「やっと本題に入れるっ!」と嬉しそうに言い、続けた。
「この国が海神とユニサスを崇めているのは知っているだろうか、フィーナちゃん。」
あぁ、それね。クソみたいな王妃教育で学ばされたなぁ。まさかこんなところで役立つとは!これだけは我が母国に感謝だわ。
「知っています。海神様はクジラの姿をとっていて、オスガーナという名でしたよね?ユニサスはイオルです。」
ボクがそれぞれの名前を言うと、陛下は満足そうに笑って続けた。
「実は、海神・オスガーナがとある人物によってケガを負わされてしまってね。女神の使者であるユニサスのイオルに加護をもらっている人じゃないと治せない、闇魔法で出来た傷らしいからフィーナちゃんに頼もうかな、、と。」
うわお。絶対国家機密だよね?他国の人間が聞いちゃって良かったのか?まぁ、この国に滞在することを許してくださっているし、恩返しだ恩返し!
「わかりました、この件、お受けいたします。」
「ありがとう、助かるよ。」
そしてボク達は海神が住んでいるという南方の海に向かって出発したのだった。




