奇術師は唐突に 2
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いつの間にか彼女は真後ろにいた。これで詰んだ。僕の経験がそう語っている。だからといってそうやすやすと負けてやる訳にもいかない。
「今日の僕は一味違いますよ?」
本当は口を開く余裕などない。この瞬間にも攻撃はくる。ジリ貧になっているのは事実だ。それなのにバトルは続いていく。僕の攻撃も、彼女の攻撃も当たらない。彼女の攻撃は危ないラインで僕の木刀で弾き、僕の攻撃は、難なくかわされる。
銃を使うには少し近すぎるが、木刀の間合いよりは広い。二歩踏み込めば届くが、その二歩が果てしなく遠い。近づけないのだ。近づこうとするたびに最初のような鋭いカードが飛んでくる。
「もう終わり、かな?」
上等だ。全力を超えたその先っていうやつを見せてやろうじゃないか。
まずは呼吸を整える。そして、全身に通っている『能力回路』に意識を集中させる。
足の先に力をこめて駆け抜ける。そうだ、僕の身体は鉄砲に込められた弾丸。ダンっという地面を蹴る音とともに彼女に肉薄する。僕のすべてをこめたこの一撃。かわせるはずがない。そう思っていた。
あと一歩のところだった。脳の処理が追い付かない。視界が赤いフィルターのようなものでおおわれる。だからといって止まる訳にはいかない。
「死にたいんですか?」
目の前の人からの言葉。ああ、そうとも。勝つためなら死んだって構わない。
「それをボクが許すとでも?」
許されなくたって構わない。
「ふぅん。でも、キミにはその覚悟が足りない。」
狂戦士と化した僕のおでこに細い指が当たる。赤い瞳の持ち主がそこにはいた。
身体が動かない。彼女は、僕に触れていない方の指を鳴らす。それだけで僕の身体は崩れ落ちる。能力回路に流れているエネルギーのような何かが一気に正常値に戻される。
彼女、藤原さんの勝利だ。
そして彼女は地面に張り付いている僕に一言だけ言い残した。
「ボクに本当に勝てると思った? とりあえず明日の朝、校門の前で待ってて。」
明日は土曜日。デートのお誘いではないことくらいわかっている。でも、いかないといけないことくらいは僕の頭でも理解できた。
バトルシーン(?)自信ないです。
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