買い物
「まずは材料を用意しないとだなぁ」
冷蔵庫の中を開けた。
すっからかんだな‥‥。
「なぁ、いのり冷蔵庫の中身はどこに消えた?」
ゆっくり振り向きつつ、いのりにそう訪ねた。
だがいのりの結果は‥‥。
「その子は飾りであまり使いません☆」
テヘペロ的な感じでそう返してきやがった。
これは近くのスーパーに買いに行くしかないのか‥‥?
「わたしのために動いてくれるのならスーパーくらい目じゃなあーいー♪」
音痴ないのりはもうその歌?だけで強力なノイズを発生させた。
「わーたって、わかったから行ってくるから」
そう言って近くのスーパーに出掛けることとなった。
スーパーはいのりの家と学校との調度中間地点くらいあって、帰り道に寄ることができる
「食材くらいかえよな‥‥」
などとまわりには聞こえない程度の声で独り言を呟いた。
「ピロロン♪」
ポケットのなかの携帯がピロロン♪と鳴った。
いのりからのメールだった。
「たーかー!
食後に4種類のフルーツゼリーが食べたいなぁ
‥‥って思ういのりでした!」
などと完全に買わせる気が満々のいのりからのメール‥‥
「俺も食べたいから買ってくるわ」
4つ全部を食べられては俺の努力が無駄になってしまう、買うなら半分は食べたい。
「ありがとうね!それじゃあ、気を付けて!」
とだけのメールを見た後5分くらい歩き、スーパーにたどり着いた。
「いらっしゃいませ~」
すれ違うたびに店員がしっかりと笑顔で挨拶をしてくれた。スーパーの店員はやったことがあるため、店員の気持ちがわかってしまい、無視ができないので会釈と
「お疲れさまです」
は毎回伝えている。
「まずは卵とケチャップと‥‥」
無いものを買うために来たスーパーだが、メモを取るのを忘れてしまった。
いのりに電話して確認してもらった方が早いか。
「‥‥‥‥」
「‥‥どしたの?たか?」
2秒ほどで出るって早すぎだろ‥‥
などと思ったが、それは隅に置いておいて足りない材料を聞く。
「オムライスを作るのに今は何が足りない?」
「えぇとね‥‥」
「全部かな‥‥」
「あはは‥‥」
「‥‥ツーツー」
俺は、反射的に通話を切ってしまった。
「テーテーテーテー♪」
即座にいのりから電話がかかってきた。
「ごめんってぇ~許してやぁ!」
まあ、今は無いものを買うしかないか‥‥。
とりあえずいのりに返事をしてから買い物を済ませなくては。
「おけ、わかった」
そう言って電話を切って買い物を終わらせることにした。
「これで最後か」
10分ほど店内を歩き回り足りない材料(全部かな)を買い足した。
「1236円になります、スプーンはお付けいたしますか?」
1000円足らずでも学生には痛い出費だ。
そして、スプーンはおつけしてもらわなくては。
「2つお願いします」
そして1236円ぴったり出した。
「1236円ちょうどお預かりします、レシートのお返しです、ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております~」
買い物を終えて、スーパーを後にした。
「ん?誰か空飛んでね‥‥?」
俺は綺麗な青の空を見ながら歩いていたら、上空の空高くを飛ぶ人らしきものを見た。
「7.8.9‥‥10人‥‥?」
10人くらいが杖を跨ぎ、学校の方に飛んでいくのが見えた。
「俺って目だけじゃなく頭も悪くなったかな‥‥」
少し恐ろしくなった‥‥。
気のせいだったのだろう、それかカラスの群れとか、そこら辺だろう。
「‥‥」
いのりの家につくと鍵が閉まっていて、俺は合鍵を持ち合わせていないのでインターホンを鳴らした。
「俺だ、開けてくれや」
インターホンから繋がったような音が聞こえたのでそう話した。
すると、すぐに扉の鍵が開く音が聞こえた。
「ただいま、いのり」
ドアを開けて、いのりが出てきた。
そしていのりも
「おかえり~!なんか、これって夫婦みたいだねぇ」
などと恥ずかしいことを言いやがった、先生の話を少し思い出してしまった。
「う、うっせぇ、さっさと作るぞ」
と俺は、話題をそらした。




